騎士学校の教官になった！

授業中断？

戦略と戦術の違いから教えなきゃ駄目？

え、めんどくさい。

幼年学校で何をしてきたんだ。

あ、でも平民だからそこは学ばなかったって事はあるかも知れない……のか？

試験でも前提条件として求められる情報のはずなんだが。

まあいいか、もっと噛み砕いて説明すればいいんだな。

うーむ、説明しにくいな。

うん、ぱっぱと済ませてしまおう。

俺が口を開こうとすると、ガリ勉くんが起立した。

「教官、彼女には僕が教えておきますので、どうぞ、授業を進行させて頂きたい」

ええ……俺、仮にも教官なんだけど。

それを無視して教えようとしたら、ものすごい形相でみんなに睨まれた。

怖い。

「それはいけない。それは俺の職務だ」

「彼女は平民です。教官の手を煩わせるようなことはしてはいけません」

こわー！ ガリ勉君こわー！

俺、しっかりしろ。

俺は騎士団長。恐れるものなど何もない！

机を叩く。

「お前らは、平民だからって差別するのか？ ならば、平民で騎士団長になった俺も見下すのか？ そのような者に騎士たる資格はない！」

怒鳴ると、途端に皆不機嫌になる。

あーあ。初授業から怒鳴っちゃったけど、これ後から尾をひくやつだ。