テスト結果
結果は……散々なものだった。
まずは、鎧バカ。
騎士道精神や戦術については、まあまあ出来ていた。
だが、兵站の重要性が分からないのか、兵站についてはトンチンカンな回答をしていた。
兵站が機能していないと、戦場に食糧も武器も何も届かない。
武器が尽きれば戦えない。
食糧が尽きれば生きていけない。
……武器や食糧を確保する方法が無いわけではない。
それは、敵の屍から物資を調達すること。
だが、それをしてしまうと騎士としては失格だ。
そして持久戦になれば敵に押し負ける。
そんなことを回避するために兵站について学ぶのだ。
兵站は、戦術、戦略と同程度に重要だ。
だから学ぶんだ。
次は、魔法バカ(炎)だ。
魔法に関する知識は申し分ない。
だが何で他のやつがダメなんだ。
この学校に入るだけで後は諦めたパターンか。
ありえる。
魔法だけの知識だといざという時対応できないぞ。
その他のやつも一長一短って感じだな。
数少ない高得点は、ノーマスと、ジェルジエだ。
流石に王族守護騎士隊を目指しているだけあって、優秀だ。
ジェルジエは戦術知識に少し偏りがあるが、ほぼほぼ満点だ。
一長一短も悪くはないんだが、知識の偏り過ぎは良くない。
満遍なく教えるように努力しよう。
俺は丸つけをしながらそう思った。
丸つけが終わり、机で一息つく。
すると、他の教官が声を掛けてきた。
頬に傷がある、同年代っぽい女で名は……テレジアだったか。
「コーディエさん、受け持ったクラスはどうでしたか?」
「ああ、あのクラスはとても個性的だと思う。そして教えがいがありそうだ」
「それは良いですね。ともに頑張りましょう」
そしてテレジアは笑う。
「ああ、頑張ろう」
俺も笑顔で言葉を返した。