自己紹介3
もうこいつら自己紹介いらなくね?
正直な俺の感想だ。
だって、一人は火属性バカと同じ匂いがするし、一人はモブ顔だし、一人は寝てるし。一人なんて椅子にすら座ってないし。
まあ、でもやんなきゃいけないよなー。
次!
「エリック・ヘネスです。よろしくお願いします」
モブ顔……エリックが自己紹介する。
どうしよう、顔覚えられない。
教官として生徒の名前が覚えられないと言うことはかなりヤバい。
教官としての信用がなくなる。
俺はエリックをジッと見つめる。
覚えた!多分。
と言うわけで次!
「ふあぁ……。えー?自己紹介ですかー?メンドくさいですー」
そんなことを宣うのは、寝ていた馬鹿だ。
「いいから、自己紹介しろ。騎士を目指す者がそんなことで良いのか!」
「えー。分かりましたー。スェベルトですー。宜しくお願いー」
こいつ……やる気があるのか?
見てるとイライラするな。
と言うわけで次!
「デリ・アントワーヌです。テキトーにやって行きます。志望部隊は何でも良いです」
椅子にすら座ってない馬鹿は、そんな自己紹介をした。
こいつ……なんで此処に入れたんだろう。
入学試験突破するのはかなり難しいはずだぞ?
……裏口?……まさかな。
最後は……火属性バカと同じ匂いがする女だ。
「アン・ナチュルートです。使える魔法は絶対防御。防御には無限の可能性があるのです!防御こそ最大の攻撃です!敵の戦意を削ぐことが出来ます!私は傷つかない。相手は降伏する。ハッピーハッピーです!」
やっぱり。
火属性バカと同類だ。
絶対防御だけで人が諦めるわけがない。
魔法に傾倒しすぎて周りが見えていない。
はー。
なんでこんなことに。
俺はやって行けるのか?
やっと授業だ。
こいつらの学力を見よう。
抜き打ちテストだ。