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『王子様と恋してゴールイン』に転生した。

作者: 洗剤有効

勢いで書いてみました。初めての作品です。

生暖かい目でみてくれたらありがたいです。

拙いかもしれませんが、少しでも楽しんでいただければ嬉しいです。



灰色の髪の幼い少女が橙色の瞳をぱちくりさせ、鏡の中で首をかしげた。

リニ・ディフェン、当たり前の名前を浮かべる。自分が自分たる名前。


なのだが、


「うん」

鏡の前で頷いて私はお手洗いから出た。

そして、朝の着替えを手伝うため待機していたメイドに弱々しげに

「気分が悪いから、今日はゆっくり一人で部屋で過ごすわ」

「それは大変です!今から治療師を」

「いらない。気持ちの問題だから。一人にさせて。じっくりゆっくり部屋にいるだけだから」

「あ、あの?お嬢様?」

「食べ物はそこに置いといて。とにかく、私は、今すごく、一人になりたいの」

戸惑うメイドをぐいぐいと部屋から押し出して、扉を閉めた。

近くにあった可愛いテーブルの上に水差しがあり一緒にあったグラスに水を注いで、一気に飲む。

「はー。転生ですか。これ」

一息とともに出した言葉に、げんなりする。

荒唐無稽すぎて。

とりあえず、いろんな情報が頭の中でカムバックして頭痛い。私はベッドに戻り、ふと上を見て

『私、今天外付きのベッドで寝てるんだー』

変な感慨とともに眼を閉じた。






とまぁそんな7年前の私。

夢か憑依か転生か、

色々悩んで、色々頑張って、結論

私は私にしか成りようがない。

開き直りました。

「リニ」

だってそれまでの『リニ』の記憶、感情を忘れた訳じゃないしね。

「リニ?どうしたの?」

「え、別にどうもしてないよ?」

目の前の現実に、人生で衝撃だったことを思い出しただけで。

「そう?」

「うん。人生って色々あるよね、ぐらいで」

そう答えた私に、瞬間だけ眉間に皺がよったが、すぐに消えるデルフィーナは少々きつめだが、かなりの美少女だ!私の大事な友人でもある。

「まあ、いいわ。あなただし。」

彼女はそう言って、私が現実を拒否ろうとした姿絵に視線を移し嬉しそうに見つめる。

「ルビーよ。私は常日頃から君を見るたび、数年後はもっとゴージャス美女になると思ってるよ」

「あらありがとう。ゴージャスの意味がわからないけれど」

棒読みな感謝の言葉が、いつも以上なのは魅入ってるせいだろう。

彼女の婚約者に決まった少年の姿絵に。

ハルゼルト・フォン・バクスート。

今は可愛らしさが目立つが、数年後は涼やかな美男子になるだろう。つか、なる。

「えと、おめでとう?」

「どうして疑問なの?

おめでとうで合ってるわよ。今日はこの為にこちら寄っただけだし、帰るわね」

「え、そうなの?もうちょっといればいいじゃん」

「ごめんなさいね。午後に家族でお茶会があるから」

「!そんな大事な用事があるのに、わざわざ来てくれたんだ」

「リニに私の喜びを早く知って欲しかったのよ」

そう言ったデルフィーナに、私はその気持ちが嬉しく、こちらの勝手な記憶でモヤモヤしたことを申し訳なく思いながら、今度は本当に心を込める。

「そっか・・・ありがとう。ルビー。おめでとうございます」

「ええ。ありがとう」

そう言って嬉しそうに笑んだ私の自慢の美少女は、帰っていった。


友人を見送った私はなんとか自分の部屋に戻った。

するべきことは、落ち着いて、ヤツを見て思い出した2度目の人生衝撃情報を整理すること。


『王子様と恋してゴールイン』

なんだろ。このタイトル。スゲー分かりやすいけど。

要は前の私の世界で流行ったゲームだ。

本を読むような感じで、でも自分が気に入った登場人物と恋をしてみるもの。

で、ハルゼルトは恋の対象の1人だ。

もちろん物語を盛り上げるために、色々なイベントやらフラグが存在するわけだが、登場人物と親密度を上げるために!

そのイベントにだいたい絡む悪役がいる。

その名はデルフィーナ・リトブカート

「えー・・・」

あの彼女が悪役令嬢?!

確かに言動キツい時あるけど、数年後に恋愛対象達と恋する少女をさまざまな手で虐める嫌な子になる!?その性格は少なくとも今のデルフィーナとは違うし・・・いや、いやいやいや!ゲームを思い出しただけで、名前が被ったり彼女の赤い瞳が由来で愛称がルビーだったり、数年後の彼、彼女の姿が、完全に予想出来るのは単なる偶然かもしれないし!

「・・・確か他に恋愛対象達いた。

その人達が存在してないなら」

この世界は私の情報の中の世界とは違うはず!

私は、希望を持って調べて見て・・・・・


やっぱりというか、ある意味、世の中そんなに甘くないと言うか、


「やっぱり存在していやがったーーー!」

すいません。私がいる世界の人々は悪くはないよ?どんな存在でもこの世界のモノだから!でも私のその時の心境を見逃してほしい。

とりあえず、私の友人を信じつつ数年後に期待と不安を抱きながら、私は私でもう少し情報を集めて整理しよう。

3度目の人生衝撃は味わいたくないし。


なんだっけ?こういうの。前の世界では。

あー『転生したら私の友人が悪役令嬢だった』

なんかありそうだな。そういう小説。


実際なったら大変ですよ。本当に!!


読んでいただきありがとうございました(*^^*)

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