表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/8

act.5:終結

 「おい」

 肩に大きな袋を抱えた片瀬が索に言った。うなだれていた索は静かに顔を上げた。片瀬を見ると、嬉しそうに笑った。

「あ、片瀬さんだ」

「……お前、ひでェ怪我だな」

「こんなの、なんてことありませんよ」

索の左肩、右脚から血が溢れていた。片瀬は索の隣にしゃがんで、タバコに火を付けた。

「片瀬さん、それがマリーですか?」

「おう。美人だろ」

「オレにゃ、分かりませんよ。それよりどうするんスか、それ」

「そんなの、決まってんだろ。サツに売り飛ばす」

「だから面倒な奴に目ェ付けられるんですよ」

索は頭をポリポリと掻きながら、ズルズルと壁に寄り掛かった。片瀬は索の腕を掴んで立ち上がらさせた。索は少し痛がったが、それでもユックリと立ち上がった。

「ガキの癖にムチャするからだ」

「片瀬さんには負けます」

「うるせ」



 片瀬さんは元は警察の人間だった。

しかし自由に動きすぎたせいでクビになって、そんな時にオレを拾った。

片瀬さんは黒い噂のある組織に必ず首を突っ込む。

悪を許しておけない質なのだ。

だからいつも危ない目に遭う。

いつ命を落とすか、分からない。

オレはいつ片瀬さんに置いてかれるか、分からない。



 「片瀬さん。マリー、どうなりました?」

「お前の食ってるそのメシ」

「あー……ちゃんと金になったんスね。良かった」

「金にならねェ仕事はしないからな」

索はフッと笑った。

「嘘ばっかり」

「文句あんのか、コラ」

片瀬はパシッと索の頭をはたいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ