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~魔学師の初講座~

僕たちは、ついに魔学師の初講座を受けることが出来るようになった。


そして名簿も配られ、講座が開始した。

「さて、名簿も配ったし、……始めるか。」



「チョイ待ち!!せんせぇ!タイム!!」



「……ん?どうした新守?」



まいこちゃんは立ち上がり、



「せんせぇがまだ自己紹介してへんで!!」



(……あ、確かに。)



「……、魔学師・ルーン=アルティミア、ではだめか?」



「あきません!!……もっとこう『恋人は~だ』とか、『趣味は~だ』とか、いろいろ聞きたいんや!!」



「……ん~……、そうか。……日本は自己紹介をしなければならないんだったな。



名前は……もういいだろう。趣味は酒と煙草だ。」



(……男らしいなぁ……。)



まぁ、女性でも煙草を吸う人は吸うし、お酒を飲む人も多いだろう。



「で、せんせぇ……、恋人!!恋人は!?」



目をキラキラさせながらまいこちゃんは聞く。



「恋人?……、いないな。」



「え~?ほんまですかぁ?せんせぇべっぴんやし、彼氏の一つや二ついてもおかしくないんとちゃいます?」



(……まぁ、二人もいたら問題だけど。)



先生は頭をかき、



「あのなぁ、あたしはそう言ったことに興味ないんだよ。……今のところはな。」



「なんや……、つまらんの……。」



露骨にがっかりするまいこちゃん。……そんなに他人の恋の話が好きなのかな?女の子ってよくわからない。



「……、さて!授業を始めるか!!」

先生は言うと、ホワイトボードに文字を書き始めた。そして書き終わると、僕たちのほうを向いた。



「さて、お前たち。魔学にはどんなものがあるかわかるか?」



「――はい。」



先生の問いに手を上げた学生がいた。雪ちゃんだった。



「よし、凪ノ原。言ってみろ。」



雪ちゃんは静かに立ち、



「魔学は、大きく3つに分けられます。


――1つ目、『魔術系』

――2つ目、『錬金術系』

――3つ目、『呪術系』

の、3つです。」


雪ちゃんは続けた。


「1つ目の魔術系は、媒体を必要としており、『生け贄型』とも呼ばれます。魔術系の特徴として、一定のことを儀式で用いることにより、その効果を発動します。次に、錬金術系は、もっともよく知られている魔学で、『鉛を金に変える』などがありますが、本当は物質の形状変化や、性質の変化であり、物質そのものを変えることはできない、と、現在ではわかっています。



最後に、呪術系。――これは、読んで字のごとく、『呪い』……、というのもありますが、実際はそれ以外にも『治癒』の役目も果たしており、呪文を詠唱して発動します。

--以上の3点が魔学の大まかな分け方です。」


言い終えると雪ちゃんは静かに腰を下ろした。



「おぉ!百点満点の答え……じゃないな。……ん~、90点だな。」

先生の言葉に雪ちゃんは眉間にしわを寄せた。



「……、何がいけなかったのでしょうか……?」



声のトーンが低くなっている雪ちゃんに対し、いつもの調子で先生は答えた。



「おしい。」



もちろん、ニヤリとした笑い方も忘れていない。



先生の発言に雪ちゃんは机を叩き、立ち上がった。



「……へらへらと……、答えにもなっていない!ちゃんとした説明もないのですか!?第一、あなたが本当に魔学師なのか私は疑っています!」



「……、そこまで言われたらしょうがないな。説明してやろう。」



そう言うと、先生はホワイトボードに向いた。



「正しく言うと、『鉛を金に変える』ことができるやつはいる。……というか、物質そのものを変えることができるやつはいるし、生け贄なしで『魔術系』をする奴もいる。

――あ~、それから間違い。『呪術系』は『治癒』じゃなくて『活性』な。細胞の動きを活性化させてるのであって回復させてるわけじゃない。そこがマイナス10点な。」



先生が言い終わると、雪ちゃんは、ハッとした顔をした。



「……っ!……すみません……。」



「なぁに、よく間違えることだ。気にすんな。」



そう言うと、先生はこちらを向いた。



――だが、向いたのは先生ではなかった。



「……えっ!!」

全員驚いてはいたが、特に驚いていたのは雪ちゃんだ。なぜなら……、



「わ、……私……?」



そう、そこには雪ちゃんがいた。……正確にいえば先生の格好をした雪ちゃんだが。



ニヤリと笑うと、雪ちゃんに化けた先生は椅子(ちなみにレザー製。校長室にありそう)にドカリと座り、煙草を取り出し火をつけ吸い始めた。



「……はぁ~……。」



おいしそうに煙を吐く先生。……本人なら、しないであろう顔をしている。



先生は煙草を吸い終わると、



「……凪ノ原雪、3人姉妹で次女。父親はおらず、家庭は母が切り盛りしている。趣味は読書で性格は冷静だが、怒ると感情に任せるところが多々ある。スリーサイズはーーー、」



「もう止めてください!!」



本物の雪ちゃんは、偽者の雪ちゃんの声を遮った。同じ声が教室内に響く。



くくくっ、と、肩を上げ先生は笑うと雪ちゃんの前に立ち、


「どうした?隠れ巨乳がばれたくないか?」



と、雪ちゃんにニヤニヤしながら言う。



「……な、な、な……。」



顔を真っ赤に染め、雪ちゃんはうろたえる。先生はその雪ちゃんを見るといつものようにニヤリと笑い、元の姿へと戻った。そして、



「さて、魔学師の戯れは如何でしたでしょうか。」


と、いいながら道化のようにお辞儀をする。そして同時に終了の鐘が鳴り響き、初めての講座は終わりを告げた。



いかがでしたでしょうか?



久しぶりの投稿です(^o^)



長々しくてすみません……。



がんばって次も打つのでアドバイス等ありましたらよろしくお願いします!



ではでは(*^o^*)/~

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