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~「あの」先生~

「あの」先生との初めての出会いはあの日……。



話は、春の入学式の日にさかのぼる……。

そう、あの日僕は「あの」先生に出会った……。


「ついに入学かぁ……。」


僕は、大学行きの電車に、胸を膨らませながら乗り込んだ。



               ●



「……、し、死ぬ……。」


通勤ラッシュの電車は凶器だ。

《死因・圧迫死》


ぼくは通勤ラッシュのせいで足もほとんどつかないままでいた。そんな時、


「おい、そこの若者。」


不意に、背後から肩を叩かれ声をかけられた。

初めは痴漢かと思った。最近の痴漢は男女かまわず行うそうだ。しかし、わざわざ声をかける痴漢もいないだろうから僕は何とか体をよじり、後ろを向いた。


そこには、黒っぽい藍色の長い髪にシャギーで革製レザーのスプリングコートを着込んだ女性がいた。

手には服と同じく革製の手袋、同様に足にも革製ブーツ。顔以外素肌を見せていない、何ともハードボイルドな格好をしていた。

顔立ちは、どこかの芸能人かと思うほど整った顔つきに、すごく背が高くモデル並みのスタイル。(僕も背が高いほうだが、ブーツの高さを引いても僕より高いだろう。)


僕は女性(の格好)に不審になりながらも、


「何でしょうか。」

と、答えた。


「あぁ、ちと道を尋ねたいのだが……、天王大へはどこの駅で降りればいいだろうか?」


(……、なんか、男みたいなしゃべり方だな……。)


などと思いながら僕は、


「えっと……、あなたはいったい?」


「ん、あぁ、日本はものを訪ねる前に名乗らなければいけなかったな。」


と、いうと女性は名刺を懐から取り出し、


「私はカトリーナ エターニア、訳あって天王大に用事があってな。」


と、言うとカトリーナと名乗る女性は口の端を上げ、ニヤリとした笑みを浮かべた。


僕は、彼女から渡された名刺を見ながら、


(まぁ、用事あるって言ってるし、教えてもいいか。)


と、思い、


「天王大なら3つ次の駅で降りればすぐですよ。」


と、こたえた。


「ふぅん、やっぱりそうか、……近ごろの若者は不親切だというが、そんなこともないな。」


と、言うと彼女は、


「よし、普通に行ったんじゃおもしろくないな、次の駅で降りるとしよう。」


このことについて、僕は口出ししない。人それぞれの生き方があるだろう。


ちょうどそのとき、車内放送がかかり、次の駅の名を告げた。


「すまんな、助かった。」


と、言うと女性は、どこからともなく魔女のかぶる様な帽子(これも言うまでもなく革製)を被り、


「また大学で会おう。……、八重ヶ崎・・・・ ……。」


「え……?」


僕の名を呟き、彼女は電車から降りた。


「……、僕、名前言ったっけ……?」


これが僕と、《魔学師》で「あの」先生の初めての出会いだった……。



いかがでしたでしょうか?


感想などございましたらお願いいたします!!


それでは(^^)/~~~

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