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星戦戦記  作者: 久保 徹
4/8

EP4th 更なる危機

 

「まだ出れないか!?」

 

 艦橋に月光艦長マーカスの声が響く

 

「全システムが立ち上がってません!」

 

 月光の運航にあたっては他の戦闘と大きく違う部分がある

 

 それは高性能コンピューターのサポートによって、ブリッジ要員は艦長を含めて通常の半分、五人で済むことだ

 

「くそっ!だから全システムを切るなんておかしいって言ったんだ!」

 

 マーカスは怒りのあまり、椅子の肘掛を叩いた 

 

 そこへシュウヘイ達から通信が入った

 

『おいブリッジ!誰かいるか!?』

 

 レインは突然の大声にイヤホンを耳から離した 


「相変わらずバカ声ね」

 

「クロウ、よかった二人とも無事だったのね」


 

『なんとかな しかしどうなってんだ!?殺されかけたぞ!』

 

 ジェシカは今基地内で起きていることを簡単に説明した

 

「クロウリィ、お前達もすぐに戻れ!敵はお前達の機体を狙ってる」


 

『艦長!みんな無事なんですか?』

 

「ああ ドックは確保してある、急げよ!」

 

 通信を切ると再び発進準備の続きに取り掛かる


 一方シュウヘイ達も命令通り、月光に戻ろうとしていた

 

「よし、戻ろう」


「おう」


 周辺には、彼らを襲った四機のゼロの残骸が漂っている


 なんとか倒せたものの、機体は無傷では済まなかった


 特に撃つのをためらったシュウヘイの機体は、シールドも破壊され所々装甲がボロボロになってしまっている


「あの感じじゃ月光が出れるまでまだ時間かかるね」


「しょうがねぇ、俺たちも加勢するぞ」


 基地の方へ振り向き、最高速度で戻っていく


 宇宙とドックを繋ぐハッチの前まで来ると、中の兵士に連絡しハッチを開けてもらいドックに入ると、月光の外部ハッチ前で機体から降り、そのままブリッジに入った


「艦長!」


「二人とも、無事だったか」


「はい、それであとどのくらい時間かかりますか?」


 マーカスはモニターでシステムの状況を見ながら答える


「まだ少しかかるな、奴らもすぐそこまで来てる」


「僕たちも行きます!」


「無理はするなよ」


 ブリッジを出て白兵戦用の銃を手に取り、味方のもとへ急ぐ


 扉を開けると負傷した兵士が運び出されるのとすれ違った


 どうやら味方は押されているらしい


 壁の影からそっと覗こうとした時、クロウリィの鼻先を弾丸がかすめて行った


「危な!このやろ!」


 すぐさま反撃するが、敵は壁に隠れている


「シュウヘイ!お前こうゆうの得意だろ!なとかしろ!」


「無茶言わないでよ!」


 敵の人数はどのくらいなのか、装備は、黒幕は、いろんな事が気になるが、今はこの場を乗り切るしかない


 飛び交う銃声と銃弾の中、シュウヘイも必死に反撃する


 その時、敵が何かを投げてきた


「みんな!隠れて!」


 それを見たシュウヘイは銃で撃ち落そうとする


 何とか一つは落としたが、残る一個は落とすことが出来ず、弾がかすりわずかに軌道を変えただけだった


 そして防壁代わりにしていた机の前に落ちて爆発、凄まじい爆音と衝撃、熱風が襲う


 煙が晴れると兵士が一人倒れていた


 いくら声をかけても反応はなく、服が黒く焦げている


『月光の発進準備ができました!』


 月光から通信が入った


 それを聞いてクロウリィが叫ぶ


「後退だ!月光に逃げろ!」


 そう言って通路に飛び出すと、敵が隠れている壁に向かって銃を乱射する


 その隙に味方の兵士達が後退し、全員行ったところで爆弾を投げてクロウリィも後退していく


「クロウ!早く!」


 クロウリィがドックに出ると、他の兵士達は幾つかの戦艦に別れて発進していた


 月光に乗り込もうとすると追いついた敵がしつこく攻撃してくる


「艦長!出してください!」


 シュウヘイが叫ぶと月光がゆっくりと動き始めた


 ここでようやく敵も諦めたのか攻撃を止め、こちらを見ている


「くそ!なんなんだこりゃ」


 シュウヘイ達の時間稼ぎのおかげでなんとか月光は基地を脱出することに成功した


 他の戦艦四隻と共に喜び合う


 だがそれはつかの間の喜びだった……


「これは!」


 ジェシカが見たものは彼らを再び絶体絶命へ突き落とすものだった


「前方距離三十にワープアウト反応多数!」


「時間は!?」


「一五秒後です!」


 マーカスが叫ぶ


「全艦通達!第一種戦闘配置!機動部隊発進準備だ!」


 マーカスの指示と警報音が月光内に響き渡り、兵士達はバタバタと配置についていく


 もちろんシュウヘイとクロウリィも、ブリッジを飛び出し格納庫へ走った



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