第三話 ラッキースケベってリアルだと無いよな
俺は雫と別れ、自分の教室へと向かうと
「お、やっほー!」
そこには幼馴染の葵がいた。
葵は俺の席でのんびりしてたようだ。
「おいおい、そこは俺の席だぞ」
「いいじゃーん、凪の席は特等席なんだからー!」
俺の席は教室の後ろ側で窓に近いためよく友達から羨ましがられる。
「それより朝悪かったな」
「朝?あー、雫ちゃんの事は大丈夫だよ」
「今日が初めてってことじゃないし」
そう、雫は俺達が小学生の時もあんな感じだった。
「それよりも今渡しちゃうね!」
葵から渡されたのは昨日言っていた本だ。
「あれ?部活の時に渡すって言ってたけど」
「放課後ちょっと職員室に行かなきゃいけない用事ができちゃってさ、だから今渡しとくのー」
「ああ、ありがとな」
俺は葵からもらった本をバックにしまった。
「あれ?まだそのキーホルダーつけてたんだ」
そう言いながら葵は俺のバックを手にとり、キーホルダーを眺めていた。
「そりゃお前からプレゼントしてもらったやつだから、俺の宝物だよ」
これは俺の大切なものだ。入学して間もない頃に葵から一緒に入学した記念でもらった。もちろん葵も同じものを持っている。
葵は頬を赤らめさせ、俯いた。
「うぅ・・・凪のバカっ」
「え?なんか言ったか?」
「なんでもないー!」
葵は頭をぶんぶんし、俺のバックを元に戻した。
「変なやつ・・・ってもう授業が始まるからそこをどけぇい」
葵は駄々をこねながら自分の席へと戻っていった。
その後は普通に授業を受けていたが、葵が時々俺の顔をずっと見ては目があったら逸らすという謎の行動があった。
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そんなこんなで昼食になったわけだが・・・
「なんで俺の膝の上に座ってるんだバカ!」
授業が終わるとスッと葵が俺の方に来て、膝の上に急に座ってきたのだ。
「そ・・・その、そういう気分?って感じ?」
「どういう気分だ!!」
周りは購買へ行ったり他の教室で食べてるため人は少ない。
まだ救いか?・・・
「だって、昔はベタベタしてたじゃん!」
「それは小学生のときだけだ!」
「中学の時もやろうとしたけどすぐ怒ってどっか行っちゃうじゃん!!」
「あたりめーだろ!」
「とにかくそこをどけ!!!」
葵を下ろそうとした瞬間
「きゃっ!」
葵と一緒に椅子から転げ落ちてしまった。
「いててて・・・おい、葵大丈夫か?」
「う・・・うん、でもそのぉ・・・」
「なんだ?どこか痛めた・・・かぁ?!!!」
そう、俺の手が葵のスカートの中と胸の中に入り込んでいた。
どうしてそうなるんだ?!
「凪もその、、、大胆だね?」
「ご、ごめん!すぐどけるからな!」
社会的地位を失いたくない俺は急いで胸とスカートから手をどかそうとしたが
「まって・・・その。ようやく凪からボディタッチしてくれたね///」
「ふぇ?!」
情けない声が出てしまった。
そう、今まで幼馴染に対して意識していなかったが、今こいつの事を女として認識してしまった。
「あ、その・・・ご飯買ってくるね!!」
そうして葵は何事もなかったように購買へと向かっていった。
葵の後ろ姿はなにか慌ただしい感じだったが。
「・・・柔らかかったな」
俺は揉んでしまった手を見ながら呆然とした。