第8話 女性に求める好み
またしてもハーレム要因の増加という借金のタネを増やして帰って来たズークは、冒険者ギルドへ報告に向かった。
ローン王国の王都キャッシュ支部には、今日も多くの冒険者や依頼者が訪れている。
ギルド内に併設されている酒場では、昼間から既に酒を飲んでいる者達も居るのはいつも通り。
賑やかなギルドに入って来たズークの目には、見慣れた光景が広がっている。
最初に目に付くのは、最近入って来た新人受付嬢である。10代後半とギルド内で1番の若さを誇る。
田舎から出て来たばかりで初々しく、やや垢抜けきれていないが十分に可愛らしい。
そんな誰の手も付いていないと思われる、フレッシュさが男達の注目を浴びている。
彼女が担当しているカウンターには、男性冒険者がズラリと列を作っている。
(お~お~相変わらずだなぁおい)
そんな彼らをズークは冷めた目で見ている。この男、一応女性であれば誰でも良いとは思っていない。
ズークにはズークなりの矜持があるのだ。確かに好みに合う女性ならば積極的に手を出すし、容姿や体型に拘る事もない。
ただし1点だけズークが絶対に守っているルールがある。それは年齢に関する事だ。ズークは10代に手を出した事が一度としてない。
10代はまだまだ恋愛を知っているとは言えない年齢だ。その全てを自己責任で済ませて良い年齢ではない。
成人年齢である20歳を過ぎるまでは、大人が手を出すべきではないと言うのが一般的な価値観だ。
(分かってねぇなぁオッサン達。抱くなら大人の女性が一番だってのに)
なおズークの場合は法的な理由でも何でもなく、単に下半身的な理由である。
10代の初物などに全く興味が無く、程よく熟れた年齢の女性しか抱くつもりがない。
これまでに関係を持った女性は全員20歳より上である。特にズークが好むのは20代後半から30代の女性達だ。
それなりの恋愛経験を積んだ、酸いも甘いも知っている相手を理想としている。
ズークが孕ませた女性の中には、現在40代の女性も居る。そんな価値観の男だからこそ、ズークが並ぶ列はとある受付嬢の列。
ベテランギルド職員であり、最近30歳になったばかりの顔馴染み。彼女のカウンターに並んでいるのは女性冒険者ばかりだ。
少しずつ列が進んで行き、遂にズークの番が回って来る。
「次の方……って、アンタか」
「やあカレンさん、今日も綺麗だね」
「はいはい、早くギルドカード出して」
この国では珍しくもない茶色い髪に、平均的な身長。しかし受付嬢を任されるだけあって十分に恵まれた容姿だ。
10代の頃から目立っていたスタイルの良さに、整った美しい顔立ち。右目の下にある泣きボクロがまた色気を感じさせる。
紺色の大人しめなデザインの受付嬢の制服がまた、彼女に良く似あっておりまだまだ現役でやっていけるだけの美しさが際立つ。
極端に大きくも無いが服の上からでも分かる豊かな双丘は、経験のある男ならばその良さがすぐに見抜けるだろう。
20代から30代に突入した事で、大人の色気は抜群である。だが男性陣の多くは若い受付嬢に必死であり、カレンを狙う者は少ない。
男に媚びない性格と、意思の強い釣り目が半端な男の接近を許さないのだ。
身持ちが堅いのもあり、過去に撃沈して来た男達も少なくない。カレンが20代後半になる頃からは、男性陣の興味も薄れて行った。
そんな中でズークだけは、いつもの様に熱烈にアタックを繰り返している。
「ねぇカレンさん、今晩どうかな?」
「嫌よ、アタシは一途な人が良いの」
「今この瞬間は、一途に貴女を想っているよ」
カレンはズークに靡かない女性の1人である。より正確に言えば、肉体関係を持った事はあってもハーレム要因になるつもりがない女性だ。
その肉体関係も、かつて心身共に参っていたズークを慰める目的だっただけ。
カレンは昔からズークの事を知っている女性であり、姉の様な立ち位置に居る存在だ。
だからこそズークは本気であるし、カレンは結ばれる気が無い。どこまでも手の掛かる歳の離れた弟分、それがカレンにとってのズークである。
ある意味特別ではあっても、彼女はズークとの間に子供を成したいとは思っていない。
「アンタ、借りた剣はどうしたのよ?」
「ちょっと人助けでさ~。砕けちゃった」
「このお馬鹿!」
カレンはグイっとズークの襟元を引き寄せ、周囲に聞こえない様に声のトーンを低くしてズークの耳元で囁く。
「アンタ借金してる上に備品まで壊さないで。今後は気を付けなさいよ」
ズークが巨額の借金をしている事は秘密になっている。
どこにでも居る様な低ランクの冒険者ならともかく、最高位の存在が債務者などと知られたらギルドの看板に傷がついてしまう。
この件について知っているギルド職員はごく僅かである。そしてカレンがその筆頭であり、現在はズークの報酬絡みについて専任されている。
放っておいてもズークはカレンの所に来るので、ギルドとしてはある意味楽ではあった。
ただしその分カレンの負担が上がっているのは悲しい所だ。
今回の、というより全額を返済し切るまでズークの手元に報酬は入らないので、ダミーの皮袋がカレンから手渡される。
傍目から見ればSランク冒険者が、普段通りに報酬を受け取っている様に見えるという訳だ。
「一晩一緒に居てくれたら、もっと頑張れるんだけどな~」
「1回1000万ゼニーを上乗せしても良いなら構わないわよ?」
「つれないなぁ」
カレンは上手にズークの要求を跳ねのけつつ、手続きを進めて行く。
その過程でズークの装備類の売却が済んだ事が報告され、綺麗に1億ゼニー分の借金が減った。
とは言ってもまだまだ9億ゼニー近い借金が残っており、返済の目途はまだまだ立ちそうに無い。
■本日の収入:1500万ゼニー(換金完了)
■借金総額:8億8500万ゼニー
メインヒロイン枠その1、憧れのお姉さん系受付嬢のカレンさんです。非処女だからこその、リードしてくれる年上の良さよねっていう作者の性癖。
冒険者ギルドに採用されたばかりの新人ギルド職員のボク君は、まだまだ仕事に慣れなくて毎日大変だ。大人になるって大変だなと思いながらも、毎日必死に業務を覚える日々。ところでこのギルドには、とても美人なお姉さんがいる。カレンさんというその女性は、厳しい所もあるけれど優しい人でもある。そう言うといつも先輩達に、お前はあんな性格のキツイおばさんが良いのかよと笑われてしまう。そうかなぁ? ボク君には綺麗で魅力的な女性だと思えているのに。そんな毎日を送っていたボク君は、ある日ミスをして上司に怒られてしまった。その事で凹んでいると、仕事終わりにカレンさんに呼び止められる。そのままボク君は憧れの先輩であるカレンさんと食事をする事に。美味しい隠れ家的なお店で奢って貰った後、少しお酒を飲まないかと誘われてしまうボク君。特に断る理由もないので、2人でバーへと入る。お酒の勢いで人生相談までしてしまったボク君と、美人上司のカレンさんは楽しい時間を過ごす。凹んでいた気持ちも随分と楽になったボク君だったが、カレンさんが飲み過ぎて1人では帰れなくなってしまった。憧れの先輩に良い所を見せようと、柄にもなく彼女を背負い自宅まで送り届ける事に。ボク君の背中から感じる女性的な柔らかさと、カレンから感じる大人のフェロモンにドキドキしながらも頑張るボク君。ようやく彼女の家に着き、一旦寝室のベッドにカレンを降ろした。すると酔ってフラフラだった筈のカレンさんに、ボク君は押し倒されてしまう。そこから始まる美人上司による年下の新人君との慰めックス(手記はここで途切れている)