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金使いと女癖が悪すぎて追放された男  作者: ナカジマ
第1章 (借金が)10億の男
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第10話 冒険者とその歴史

ただの設定の話なので、興味がない方はスルーして次へ行って下さい。

この物語における冒険者とは? が気になる方はどうぞ。そういう方向けです。

たまにこう言うエピソードを挟みます。

 そもそも冒険者とは何か、その始まりは3000年以上も昔に遡る。

 大陸歴が制定される以前、マニー大陸では戦乱の世が続いていた。小国同士の戦争はもちろん、大国による侵略行為もあちこちで勃発。

 そんな物騒な世の中であっても、モンスター達にとっては人間の争いなど関係がない。

 人が生きて行くには戦争だけでなく、襲い来るモンスター達にも対処が必要だった。


 結果として力を持たない平民達は、日常的に危険に晒されていた。

 しかし兵士や騎士達は戦争に駆り出され、要所ではない地域は殆ど放置状態。

 辛い毎日に堪え兼ねた若者達を中心に、村や街を守る自警団が現れ始める。

 モンスターの退治に割ける兵力は大国でもない限りはごく僅かであり、自分達で戦うしか選択肢が無かったのだ。

 武器だってろくな物が無く、最初は農具等で戦っていたとされている。


 平民達の長い戦いの日々が続いたある日、1人の若者が平民同士で徒党を組む提案をした。

 それは同じ土地に暮らす身内だけの集まりでなく、近隣の村や街で生きる全ての自警団で連携をしようという意味だ。

 それが後に広がりを見せ、規模は徐々に大きくなり遂には国の枠組みを超えた。同盟国の平民同士で協力を始めたのだ。


 彼らは次第に平民だけの集団ではなくなり、資金援助を始める貴族まで現れる。

 主に辺境伯家などがその中心であったが、その流れは大きくなり遂には様々な土地に遠征をしてまでモンスターを狩り始めた。

 最初は巣ごと殲滅する目的で行われた行動だったが、次第にそれはモンスター素材を目的とした狩りの意味も含まれる様になった。


 自警団の目的が変化を始めた頃、この集団の中心的人物が居た。アキトと呼ばれていたその男こそが、冒険者ギルドの創始者である。

 一説では彼もまた、異世界から来た異邦人だったのではないかと言われているが定かではない。

 彼の活躍もあり順調に規模を拡大して行った先、遂には国とは別系統の指揮権を持つ現在の形が完成した。

 戦争に加担する義務を持たない、対モンスター専門の戦力。冒険者の権利を守る国であれば、どの様な国であっても支部を置く権利を有する。

 それらを含めた複数の規定が各国の代表との間で取り決められ、現在では一部の国を除きほぼ全ての国に冒険者ギルドが置かれている。


 国家の運営をする側にとっての冒険者ギルドの価値は、モンスターへの対処に兵力を割く必要が減る点にある。

 それだけではなく、モンスター素材やダンジョンからの出土品が国内に流通する点もメリットだ。

 余程判断力が無い王でもない限り、招致しない選択肢はない。長い戦乱の世が終わり一応はマニー大陸が安定した後、冒険者ギルドは瞬く間に世界中に広がった。


 そんな歴史を持つ冒険者だが、最初期の頃は男性のみが就ける職業であった。

 危険な戦いに身を投じる事になる為に、女性は街や村で待っていろと言われていた。

 子孫繁栄を考えるならば当然の判断であったが、当時貴族しか使えない筈の魔法をとある平民の女性が使用出来た事で変化が起き始めた。


 かつて魔力は貴族にしか宿らないとされて来た。一体何が引き金になったのか、同じ様な現象が他の国でも起き始める。

 それがちょうど今から2000年ほど昔の出来事であった。長く続いた戦乱の世が、人体の進化を促したのではないか。

 その様な分析を行った学者がかつて居た。当初は何を馬鹿げた事をと、誰も取り合わなかった。


 彼の説は偶然に決まっていると切り捨てられたが、どんどん世界中で同様の変化が起きていく。

 更に状況は変化し、魔法を使える平民の女性と平民の男性の間に出来た子供もまた、魔法を使用する事が出来た。

 相手が貴族だったのではないか、そんな噂が一時的に流れたものの、やはりこれも例に漏れず各地で広がって行った。

 貴族の権威が揺らぐと各国で大問題となったが、研究の末に魔力は貴族の血筋とは関係が無かった事が判明する。


 貴族だからではなく、魔法の適正が高い女性から生まれた者が魔法を扱えるというだけだった。

 貴族という制度が生まれた際に、その辺りの判断がどうなっていたのかは今では分からない。

 時代の流れで失われた真実があるのか、それとも異世界からの異邦人が関係するのか。

 その答えは出なかったものの、人々は一つの結論に至った。それは魔法はそもそも女性の方が圧倒的に適しているという事。


 それはこれまでの常識を覆す真相だ。様々な軋轢と問題提起を巻き起こしたが、結局は高貴なる家系に生まれた者が王族や貴族であるという1点は覆らなかった。

 血統と魔法の真実は無関係であり、王侯貴族と平民は別であると結論付けられた。

 それはそれで問題はあったものの、一族と血統の歴史を貴族側は説明が可能で平民側には出来なかった。

 欺瞞では無いかとの声も上がったが、結局貴族制度の廃止までは至らなかった。


 しかし軍や冒険者の方では大きな変革が起きていた。平民生まれの女性魔法使いが冒険者を始め、貴族女性が宮廷魔導士への進出を始めた。

 女性の方が男性よりも魔法の適正がかなり高いと分かったからだ。かつて貴族の女性は魔法を嗜む程度に済ませ、戦いは殿方に任せておけば良い。

 その様に言われて来た前提が覆った為だ。いつの世にも、戦いに出ようとする勇ましい女性は存在している。


 時代の変化に上手く合致した女性達が、戦闘面でも活躍を始めたのだ。

 女性が魔法を用いて後方から支援し、男性が前衛を務める冒険者パーティの基本形が出来たのはその頃だ。

 更に時代は進み、女性でも剣を持つ意味が生まれた。貴族社会では女性の王族を専属で守る、女性のみで構成された女性騎士が登場を始める。

 その流れは冒険者にも影響を与え、剣と魔法を扱う女性冒険者も珍しくはなくなった。

 世代交代が進むにつれて、魔法が得意な男性や肉体性能に優れた女性も中には現れ出す。


 そして今現在では、基本的に肉体性能は男性の方が、魔法の適正は女性の方がやや高いという状況に落ち着いた。

 今へと続く歴史の中で、目立った活躍をした人々が居る。そんな彼ら彼女らの中には、何人もの異世界からの異邦人が含まれていたと記録されている。

 勇者や聖女として招かれた、異邦人だと判明している人物は詳細な記録が残っている。

 しかし平民や貴族として育った異世界の知識を持つ人々については、その真偽は今も分からないままだ。

所謂なろう系主人公達が、色んな時代に色んな事をしたよって話です。

こうしておくと妄想とか膨らませ易いのではないかなと思いまして、ある程度曖昧である程度断言してという程度に留めています。

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