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姉の運命を変える予定でしたが 〜死に戻った姉と転生した弟〜  作者: こまつり


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この先やるべきこと


 

 

 ノートを広げてまず書いたのは、『シャイニングプリンセス』のあらすじ。

 

 ざっと進級式のイベントから卒業までのラインを引いて、その間に起きるイベントを書き込んでいく。

 ゲームはヒロイン視点なので、裏でシャーロットが妨害をいつから企んでいたのか……なんてことは全くわからないのだけど。

 この状況整理の前にわかっていることでひとつだけ、僕にはどうしてもやらなくてはならない事がある。

 

 『中等プラチナ級』と同じ校舎に入るために『初等プラチナ級』に入らなくてはならないのだ。

 

 ゲーム内でも「最初の一期でとにかく勉強しまくり、運動ステータスを平行して上げ、キャラクター探しに街に繰り出す余裕などない」という生活を送って二期からプラチナ級に入らなければ、

 【楽しく学園生活を送った】

 というナレーションでゲームが終わる。『一番短いエンディング地点』という初見殺しポイントがある。

 しかもその『エンディング地点』は試験で悪い点を取り続けてプラチナ級から落ちることでも毎回発生する。

 まぁ『連続で落第点を取ることで見られるスチル』もあるから、全ルート攻略勢は一度はやっているらしいけど。

 俺はやったことがない。

 

 シャーロットがプラチナ級から落ちることはないので、僕はこれをクリアし続けなくてはならない……。

 

 

『プラチナ級に在籍し続ける』

 これが学校生活の目標になる、

 

 それから、ゲームのイベントの前に、覚えている設定と今の知識との齟齬。

 

 召喚獣がいるなんて設定読んだ記憶はない。

 でも大公閣下はドラゴンを使役しているという話。

 これは大公閣下が攻略キャラでもないから出てこなかった可能性はある。

 それからゲーム内ではワープしてるのかと思っていた『街の間の移動』が『馬車に刻まれた魔法と街道の魔法』であったこと。

 これはなぜか『僕の記憶』にあったはずなのに忘れていた。

 過去習ったことを復習しておかないといけない可能性が高い……。

 入学試験の為の復習と思うことにしようか。

 

 姉上には『勉強は終わっている』と答えたものの……僕の記憶と俺の記憶の混在で抜け落ちた箇所がほかにもあるはずだ。

 

 入学式から猶予は一期、その後プラチナ級にヒロインが上がったら……シナリオ開始だ。

 

 一期の終わりは夏休み的な長期休み。学校が再開して最初にあるのは体育大会。

 その後試験、二期の終わりが学園祭。秋休みが入る。

 二期の期末試験のあと、三期の冬に合宿授業と校外学習。そして冬の長期休み。

 組替え試験を終えて、春になったら一期がまた始まって遠足と校外学習。

 これが一年の流れ……。

 

 ハーレムルート、皇子様ルートしか通っていない俺では全てのイベントはわからない。

 ハーレムルートも『シャーロットの妨害に腹を立ててみんなの好感度を満遍なく上げていたらそうなった』だけでルート管理なんかしていなかった。

 

 僕はそもそも男だし攻略は心配する必要はないんだけど。

 姉上がヒロインの妨害をしそうだと思ったら阻止する。

 そして、ヒロインではなく姉上にハーレムルートを歩ませなくてはならない。

 

 僕が悪役を引き受けたら……?

 

 

 ——それ、いいかもしれないな。

 

 姉上はいい子を辞めると言うけど、わがままの方向は変わったようだった。

 それを考えたら、僕が姉上の代わりにヒロインを妨害して、ヒロインのハーレムを阻止する。

 僕が断罪されることにはなるだろうけど、プラチナ級在籍レベルの体力魔力があれば『冒険者』という道もあるかもしれない。

 

 ヤクザ者……ならず者になってしまうわけだけど。

 

 幸いウチにはリュートが生まれた。

 僕が断罪されるより先に……退学とかになって絶縁してもらって、家はリュートか姉が継ぐ。

 姉上がハーレムを完遂して皇后になっていれば、没落や断絶は避けられるはず。

 

 希望と期待しかない皮算用の計画だけど、僕がそんなに器用に立ち回れるつもりはないから、一本道の方が迷わなくていいはずだ。

 

『悪役に徹する』

 

 という目標を書き込んだところで、父上が見回りに来た。

 

「ヴィクス、まだ起きていたのかい?」

「日記を書いていただけです。もう寝ます、おやすみなさい」

 

 そっとノートを鍵付きの引き出しに入れて、ベッドに向かう。

 

「魔力はわかるようになった?」

「……たぶん」

「そうか、やったね! じゃああとは使い方だ」

 

 ベッド脇で僕を見守ってくれながら、父上が話しかけてくれる。

 

「明日から、夕食の後にお父さんと練習しようね」

「うん! どんなことをするの?」

「初めは退屈かもしれないなぁ、まずは危なくないことから使い方の練習をしないといけないからね」

「姉上みたいに火をつけるの?」

「それもそのうちやるけどね、まずは水かな。失敗しても危なくないくらいの量からだね」

 

 父上がトントンと胸元あたりを叩いて、僕が興奮しないように優しく話してくれる。

 

「それよりもまず、今日は寝なくちゃいけないよ。たくさん治癒力を使ってしまったんだから」

「でも僕、元気だよ?」

「そりゃ、前に比べたらそうだろうけど。アニーがヴィクスは熱があるみたいだって話をしてたよ。さ、目を閉じて」


 


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