最後の珈琲豆
すみません!!更新一日飛びました。
お話が佳境に入りますので、数日更新お休みさせて下さい。
出発前夜、息子に散々心配された。
「ちゃんと、毎日連絡してよ。パスポートは肌身離さず持つ。そして必ず元気で帰ってくること。」
「いやいや、こう見えても母は結構いい歳よ、大丈夫。でもありがとう、悠里。心配かけてごめんね。」
「本当だよ、しっかり者の母さんにまさかこんなに心配させられる日が来るなんてさ。
まぁ、お蔭で親孝行できたかな。」
「本当に感謝してる。」
恥ずかしくて心の中で言った。『悠里がいなかったら、きっと立ち直れていない。寄り添ってくれてありがとう。』
深夜、興奮しているのか眠れない。まぁ眠れないくても飛行機で眠ればいいのだからとベランダで珈琲を飲むことにした。
『甘雨』で買って冷凍させていた最後の豆、勿体なくて飲めないでいたこと思い出した。
今夜飲むのは絶対これだ。私は丁寧にお店の手順を思い出し淹れた。
スモーキーな深みのある味、マスターが淹れるのとは違うがこれはこれで美味しい。
目を閉じると風の音、樹々の揺れる音。心地良さを感じる反面、言いようのない切なさを感じた。
一度気が付いてしまうと、ケイジ先生に逢えない苦しさ、マスターに逢えない寂しさ、『甘雨』を失った虚無感、全てが波となって押し寄せる。これで最期、涙を流して良いのは。
結局眠れないまま朝を迎えた。悠里に見送られて家を出た。
そこからは、機内で死んだように眠り、気が付けがバルセロナにいた。
そこからはガウディ様の建築物巡り!当日券は並ぶと聞いていたので、出国前にネットで幾つかチケットを購入しておいた。おかげで、あまり待つことは無い。
観光客が多くゆっくり楽しんでとはいかないが、教会、公園、私邸など、1週間かけて見て回る予定だ。
時間帯で表情は変わる、例えば『昼間の光』と『夕方の光』でガラスの映し出す色は異なったりと。
様々な表情が見たくて何度も同じ場所にも足を運んだ。
実物は、写真やネットで見るものより力強く、雄弁で、私は圧倒され言葉を失った。
様々な素材が合わさり、そこに光があたり微細な色が織りなす。多くの曲線が生みだす自然美と優しさ。こんな美しい場所に立てる幸せを痛感した。
そして自然という大きな懐に抱かれているような、自分が自然と一体化するようなそんな気がした。
実際訪れてみて気が付いたことがあった。
彼の建築は見た目の自然だけでなく、実際に機能としても自然のことが考えられていた。
今でいうリサイクル、ガラス片やモルタルの再利用や建物の下階層にいかに陽の光を届けるか、
存在する樹を残すため設計を変えるなど、ガウディの自然への敬愛を感じた。
公園で遊ぶ子供達の笑顔、カップルの幸せそうな顔、多くの人に幸せを与え続ける偉業に心を震わされ
た。
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