私の決意
ケイジ先生からメールで、しばらくお店を休みむと連絡があった。
時期が時期なだけに予感はあった。
でも先生が私に伝えないということは、触れて欲しくないのかもしれない。
臆病な私は踏み込めずにいた。
そんな時、ケイジ先生から電話があった。
「夜分にすみません。実は先日祖父が亡くなりました、眠るようでした。
卯月さんには最後まで助けて頂いて、祖父の望む最後を迎えられたのではないかと思っています。
本当にありがとうございました。」
「そうだったんですね、お悔やみ申し上げます。最後にマスターのお役に立てて良かった。」
「落ち着いたら連絡しますね。」先生の声は悲しみに染まっていた。
「待っています。」
と答えたが、自分の中にぽっかりと空いた穴が真っ暗い悲しみに染まるのを感じていた。
昨夜電話の後から涙が止まらなくて、泣き疲れて眠って、目が覚めてまた泣くを繰り返した。
今日が休日で良かった。
夜になりいつの間にか、『甘雨』に向って歩いていた。
電気が付いている!慌ててドアを開け、中で珈琲を飲んでいるケイジ先生を見つけた。
そして既に家族葬など全て終わった後だと知った。
私は「マスターにお線香だけでも上げさせて頂けませんか?」とお願いした。
そして、これからもお店を手伝いたいと申し出た。
私にとってこの『甘雨』は私自身の一部となってしまっていたのだ。
無くなるくらいなら自分でやれば良い、そんな思いだけだった。
幸いにもケイジ先生は私の申し出を受け入れてくれた。
私達は相談して当面は夜と休日限定で営業することにした。
ケイジ先生にはまだ言えないが、目標ができた。
大学で教鞭をとるケイジ先生に代わって昼間の営業を再開させてたい。
絶対条件にここの全てのメニューをマスターと同じ味て提供できなければいけない。
なかなか厳しいが、自分の為に叶えたい夢だ。私の人生も後数年で折り返しだ。
悔いなきように、最善を尽くそう。さぁこれから忙しくなるぞ!!
私は人生の再スタートに、晴れ晴れとした気持ちになっていた。
最後までお付き合いありがとうございます。
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