9、女子会開始!
「それで莉久姉、聞いてほしいことって何?」
「あのさ、咲久姉も聞いて。あのね私さ、湊の事好きになっちゃったんだ。」
と私が言うと葵が
「そんなん見たらわかるよ。だってお兄ちゃんを見るときの目が完全に恋する乙女だし」
と言ったそして咲久姉が
「逆にバレてないと思ってたの?あの鈍感王子、蒼空でも気付いてるよ。」
と言った。
「だから、私が相談があるって言ったときノリノリだったんだ」
「そんなことないよ。それで告白とかしないの?」
と咲久姉ポッキーを食べながら言った。
「したいけど、振られたら気まずいし…」
「何言ってんの!莉久姉が振られるわけないじゃん!」
「そんなのわかんないよ。だって湊告白してきた人に今は付き合うとか考えてないって言ってるし」
と言うと葵が
「そんなの私だって言うよ。告白してくれるのは嬉しいけど好きな人いたら全部断るしかないじゃん。でも好きな人いるとか恥ずかしくて言えないからそう言うよ。」
と言った。さすが、兄妹そろってモテてるだけある
「そうなの?」
と話していると咲久姉が
「ていうか、葵は蒼空に告白しないの?」
「えっ!そうなの!」
と私が言うと「気付いてなかったの?」と咲久姉が驚いたように訊いた。葵は
「私、そんなに分かりやすかった?」
と訊くと咲久姉は頷いた。
「まあ、あの鈍感王子の事だから気付いてないと思うけど」
「良かった~。」
「まさか葵がね~。あっ!もしかして好きになったから蒼空兄って呼ぶのやめたの?」
昔は湊以外、蒼空兄と呼んでいたのに小学校6年生に上がる前ぐらいから葵だけ蒼空くんと呼び始めた。
「そうだよ。あ~恥ずかしい。」
と葵が顔を真っ赤にして言った。
「葵も莉久も頑張って告白してみなよ。」
「いいな~咲久姉は彼氏がいて」
そう。咲久姉には私達の近所に住む大学1年生の彼氏がいる。その彼氏は私達の幼馴染みだ。うちの近所には子供が少なかったから私達兄弟と長谷川兄弟とその彼氏の真白兄しかいなかった。そのため皆が幼馴染みであるという少し変わった関係だ。
「私も真白に告白したから付き合えたんだよ。だから2人もさっさと告白しちゃいなよ。」
「それは咲久姉が可愛いからだよ。」
と私が言うと葵も頷いた。咲久姉は、
「莉久も葵も可愛いよ。」
「葵はモテてるし可愛いのわかるけど私はあんまり告白されたことないよ。」
と言うと葵が笑いながら「そりゃ最強クラスの騎士様がいるからじゃん」と言った。そして咲久姉が、
「私が見た限り2人とも脈アリっぽいし告白したらいいのに」
「いやいや、お兄ちゃんは確かに莉久姉の事好きだと思うけど蒼空くんが私の事好きなわけないよ。だって私4歳も年下だよ!」
「葵は大人っぽいしパッと見高校生に見えるから歳の差は気にする必要全くないよ。」
と咲久姉は葵に、笑いかけた。そして
「じゃあさ、告白は今日のところは一旦置いといて好きな人の好きなとこ言い合おうよ。」
「いいよ。そのかわり始めは咲久姉からね」
と言うと咲久姉は少し照れ臭そうに
「えっとね、私が髪型変えたりしたらすぐに気付いてほめてくれるとこ。じゃあ次は葵」
「蒼空くんの好きなとこはちょっと気持ちが落ちてたりしんどいなって思ったときとか励ましてくれたり本気で心配してくれる気遣ってくれるところ。じゃあ最後、莉久姉!」
「湊の好きなとこは私が嬉しいことがあったら私よりも喜んでくれて、私が悲しいことがあったら泣いてる顔を皆に見られないように壁になってくれたりする優しいところ。」
と言うと
「あ~ヤバい恥ずかしいね。姉妹で恋バナなんて」
「だね。あっ!もう10時過ぎてる。結構喋ったね。」
「おすすめの恋愛ドラマあるんだけど一緒に見よ!見終わったら一緒に寝よう。」
咲久姉のベッドはクイーンサイズなので3人ぐらい余裕で寝ることができる(しかも屋根付き)。何でそんなに大きい家具があるかって?私のお母さんが家具デザイナーでお父さんはその家具を作る職人兼売る会社の社長さんなので家の家具がおしゃれだったり大きいベットがあったりしてもおかしくないのです。
私達は咲久姉おすすめのドラマを朝の1時ぐらいまで見てそのあと皆で一緒に寝た。
朝起きたのは8時ぐらいだった。葵も咲久姉ももう起きていた。皆でリビングに向かった。すると珍しく蒼空兄が料理をしていた。
「蒼空兄、今日の朝ごはんパンケーキ!?」
と私が聞くと
「あぁ。莉久も姉貴も葵も甘いの好きだろ?」
「えっ!蒼空くんって料理できるの!まあ器用だから以外ではないけど」
と喋っていると外からお母さんが帰ってきた。
「七菜波に確認してきたよ。」
とお母さんが言ったので。「何を?」と聞き返すと。
「特大発表!今日皆の予定を確認したけどたまたま皆OFFだったので、遊園地に行きます!」
私達は「やったー」と叫んで服を選びに言った。たまたま皆オーバーオールがあったので私は自分の部屋に行ってベランダに出た。
「湊!起きてる!遊園地行くんだって!」
と言うとガラッと窓が開いて湊が出てきた。
「そうみたいだな!楽しみだな!でそれが何かあるのか?」
「皆でペアルックにしようと思って私と葵と咲久姉と蒼空兄はオーバーオール持ってるから湊と翔と颯が持ってるならそれで行かない?」
「ちょっと待ってて。」
と言って湊は翔達に聞きに行った。
数分後湊が戻ってきた。
「なんか元々、葵と翔と颯の3人でペアルックで買ってたから色ちがいだったらあるって。俺も黒のデニムの奴ならあった。」
「OK。じゃあまた後でね」
と言って窓を閉めた。私はリビングに降りて葵達に報告した。