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君への、あなたへの告白大作戦!  作者: 神山仁葉
本編
8/49

8、湊(みなと)に誤解されちゃった!?



 「そうだったんだ。というかそれってもう両思いなんじゃないの?」

「そんなわけないよ。だって(みなと)告白されても今は誰とも付き合う気ないって言ってたし。好きな人がいないってことでしょ?」

「そうなのかな?ってあっ!もうこんな時間だ。そろそろ教室戻らないと!ほら小鳥遊(たかなし)さんも急がないと!」

「そうだね。」

と言いながら私達は階段を下りて昇降口に向かった。ここに人があまり来ないのは教室からの道のりが遠いからだ。私達は教室の近くで別れた。

「じゃあまたね」

と言いながら(いつき)くんは手を振っていた。私も

「うん。」

といいながら手を振った。私達は2人とも人見知りだけど仲良くなると結構すぐ馴染む性格だったこともあり私と(いつき)くんはもう親友のようになっていた。2人とも他にまだ友達がいないと言うのもあったのかもしれない。放課後、(みなと)と帰っていた。なんだか今日は少し機嫌が悪かった。すると(みなと)が急に立ち止まった。そして

莉久(りく)あのさ、公園寄ってかね?」

と言った。私は頷いて公園に向かった。2人でブランコにならんで座った。すると(みなと)が口を開いた。

「あのさ、莉久(りく)って西条(にしじょう)と付き合ってんの?それか西条のこと好きなのか?」

「えっ!なんで…。別に付き合ってないよ、好きでもないし!私が好きなのは…」

「好きなのは?」

「何でもない!て言うか何で付き合ってるって思ったの?」

「だって昼休み用があるって行ってなかなか戻ってこなかったから連絡したのに気づかないし予鈴ギリギリに戻ってくるし西条(にしじょう)と手振ってたし。」

「はっ!それだけ?」

莉久(りく)は優しいから無理して俺と登下校してるんだったら無理しなくて大丈夫だってことだ。でも、違うんならこれからも俺と一緒に登下校してくれるか?」

「当たり前じゃん!てか勝手に(みなと)が勘違いしてただけでしょ。」

「悪かったよ、これからは気をつけるから。というかさっき言おうとした莉久(りく)の好きな人って結局、誰なんだ?」

(みなと)は知らなくていいっ!」

と言ってスタスタと歩いて家に向かった。

「なんだよそれ。俺はってことは西条(にしじょう)は知ってるってことか。」

「だから、何でそこで(いつき)くんが出てくるの?」

「名前で呼ぶぐらい仲いいんだ。へーそーなんだ。」

(みなと)それ以上言ったら許さないから。」

と言って私が睨むと「わっ、わかったよ」

 家に帰ってご飯を食べてお風呂に浸かった。お風呂から上がると蒼空(そら)(にい)咲久(さく)(ねえ)がリビングで喋っていた。私が部屋に入った瞬間、蒼空兄(そらにい)が走って駆け寄ってきた。私は

「な、何、蒼空兄(そらにい)どうしたの」

「に@*お¥って本当か?」

「え?何て?ちょっと咲久姉(さくねえ)翻訳して」

「えっとね~西条(にしじょう)くんって子と付き合ってるって本当か?だって」

「えっ!何?(みなと)から聞いたの?違うに決まってんじゃん」

と私が言うと蒼空兄(そらにい)はやっと落ち着いたのか、私に

「いや俺のバスケ部の友達が言ってた。」

「うちの~友達も見たって言ってたよ。」

咲久姉(さくねえ)蒼空兄(そらにい)も私と同じ高校に通っている。

西条樹(にしじょういつき)って奴はバスケ部だろ?そいつは女子と喋ることはほとんどないって言っいた。だから廊下で仲良さげにしていたから付き合ってるんじゃないのかって。」

「違うよ。仲がいいだけだよ。っていう何で違う学年にも広まってるの?」

「まぁそれは西条(にしじょう)くんがかっこいいからかな?うちの学年でも凄く人気があるんだよ。でも、話しかけても素っ気ないんだって」

「それは(いつき)くんが人見知りなだけだよ。私もはじめの頃は凄い感じ悪かったんだから。」

(いつき)くん?」

「おおお、おいっ莉久(りく)西条樹(にしじょういつき)のこと名前で呼んでるのか?」

「そうだけど、それが何?」

「別に…、」

「そっ、あのさ咲久姉(さくねえ)ちょっと相談があるんだけどいいかな…」

莉久(りく)っ!いいに決まってるよ!私の部屋に行っといて。マシュマロココア持っていくから」

なぜか咲久姉(さくねえ)はノリノリだった。

「う、うんわかった。」

 私は咲久姉(さくねえ)の部屋に向かった。咲久姉(さくねえ)の部屋は(あおい)の部屋と隣り合わせにある。葵はもう中学1年生だけど多分部活が終わっているはずだ。窓を開けてベランダに出て(あおい)の部屋の窓を叩いた。「はーい」と聞こえて窓が開いた。

「あっ莉久姉(りくねえ)どうしたの?」

私達と長谷川兄弟は家族ぐるみで付き合っているから私と(あおい)も3歳差姉妹みたいに育った。

「あのさ、今日、(みなと)家に帰って何か変だなとか思わなかった?」

「お兄ちゃん?あ~ちょっと変だったかも。何か機嫌が悪かったような?でもどうしたの?ケンカでもしたの?珍しいね」

「まぁケンカってわけでもないんだけど…」

と話しているとドアが開いた。

「あら、(あおい)じゃん。部活は?」

咲久姉(さくねえ)!数週間ぶり!部活は今日と明日はないんだ」

「そっか。莉久(りく)(あおい)にも聞いてもらったら?」

「うん、そうする。(あおい)、今日うちに泊まらない?幸い明日は土曜日だし」

「うん!久しぶりに泊まりたい!」

(あおい)が言うとさっきまでお母さんに確認に行っていた咲久姉(さくねえ)

「お母さんが泊まってもいいって~(あおい)もうお風呂入った?」

「うん!じゃあ裏口からそっち行くから開けといてね。」

家が裏なので裏口で繋がっている。私がお迎えに言った。

「やっほ~莉久姉(りくねえ)お泊まり何て久しぶりだね~」

「久しぶりだね。(あおい)寒いから早くうちに入って。」

「は~い」

 玄関に入って急いでスリッパを出した。「手を洗って来るね~」と(あおい)が洗面所に向かった。そしてリビングにいるお母さん達に挨拶してくると言って一緒にリビングに向かった。実は私のお父さんと(みなと)達のお父さんと私のお母さんと(みなと)達のお母さんは幼馴染みの親友でそれで家も近くに建てたらしい。

美久(みく)ちゃん!久しぶり!」

(あおい)ちゃん、久しぶりだね~。(かける)(はやて)は元気?もう中学1年生になったなんて早いわね~」

(かける)は今陸上部に入っていてめちゃくちゃ賞取ってるよ。(はやて)は私とバドミントンでダブルス組んで頑張ってるし!」

「そうなの?3人ともダンスはやめちゃったの?」

「いや、ダンススクールに皆で入って練習ない日はそこで皆で踊ってる。」

「そっか。頑張ってね。」

と話しているとお父さんがお風呂からあがってきた。

海斗(かいと)くん!お邪魔してるよ~!お父さんがまたキャンプ行こって言ってた。」

「おお、(あおい)久しぶりだな!今日は泊まってくのか?」

「うん」

(わたる)に次の休みできるだけ早めに教えてくれって言っといてくれるか?」

「うん!いいよ。」

と話していると蒼空兄(そらにい)が部屋から降りてきた。

「わっ!(あおい)がいる。」

「なにそれ、蒼空(そら)くんひどい」

(あおい)が泣き真似をした。それを見て私も

蒼空兄(そらにい)ひど~い」

と言った。すると蒼空兄(そらにい)は焦って

(わり)ぃ、(あおい)。ビックリして」

「いいよ。てか嘘泣きだし」

(あおい)は笑った。

「なんだ良かった」

と心から安心している蒼空兄(そらにい)を見ていると笑ってしまった。

「じゃあそろそろ上がるね」

と言って上がろうとしたらお母さんがお菓子をくれた。そのお菓子を受け取って私達は咲久姉(さくねえ)の部屋に向かった。咲久姉(さくねえ)は待ちくたびれたように

「2人とも遅~い。ってお菓子じゃんチョコある?あっ!(あおい)のココアある?」

「あるよ。お母さんが一緒に準備してくれた。」

「良かった。私、取りに行こうと思ってたんだけど忘れてて。」

咲久姉(さくねえ)が申し訳なさそうに言った。そして

「じゃあ女子会を始めるとしますか」

と言って女子会が始まった。

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