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恋した瞬間、世界が終わる -地上の上から-  作者: hougen
第10部 書き残したシナリオ
82/101

78 メトロポリス4 -偽りの神の物語-

2021年 8月27日 投稿開始

      9月 5日 毎日投稿開始

     10月 5日 毎日投稿終了。ほぼ毎月投稿に変更。

2024年 8月28日 次回投稿予定。投稿時間は “午前11時” です ←




ーーフレーダーが昇った先、辺りを注意深く見渡していると、舞台の幕が動く




「マリアはどこだ?」と、そこに詰め寄るフレーダーさん。

そこには、あの発明家の姿があり、

「君の父親と一緒にいる」と。


続いて、ロボットのマリアと父親の場面へ。

“左目”を閉じ、“右目”を開けた機械的な忠誠心としてのチャームを浮かべたロボットのマリアがいるわ。

父親は、ロボットのマリアを手引き寄せる仕草で、その忠誠心を測るの。

【ぎこちなさ(不自然さ)】が見える。

そこに、発明家に手引き寄せられるフレーダーが向かうわ。


父親は、ロボットのマリアを手引き寄せ、

「完璧なマリアの複製になっている。さあ、労働者の所へ行んだ。あのマリアの戯言を更地にして、奴らに暴動を起こさせるんだ」

と、また支配者としての命令をするの。

ロボットのマリアは、愛嬌のいい忠誠心のチャームを魅せ、父親がロボットのマリアの肩に手をかけると、その場にフレーダーが駆けつけた。

父親とマリアの何やら親しげな現場を目撃したフレーダーは、歌舞伎役者みたいな驚き方をするわ。

この驚きの仕草の表現の源流は歌舞伎なのかしら?

何処かの民族のダンスが元にある気がするが。

マリアを見たフレーダーに万華鏡の錯乱が押し寄せるわ。

イメージの崩壊を描いているのね。

処女性というマリアに抱いていた清らかな恋心が、まさかの父親によって、奈落の底へ。


場面は飛んで、寝込んでしまったフレーダーさん。

見舞いに来たのは、執事かな?

医師と一緒に帰っていくわ。

お手伝いさんが残ったの。

その気配に目を覚ますフレーダーは、もだえながら苦しみ伸ばした手の先に何かが触れ、科学者の手紙があることに気づく。



社交会場に切り替わり、たくさんの紳士の中に父親と発明家がいるわ。

2人は、会場の紳士たちがロボットのマリアが血と肉で出来た紛い物ではない生きた物だと信じるか、それをどう受け止めるか測ろうとするの。

そんな手の込んだ舞台は、マリアをヴィーナスの誕生に模して“女神”に見立て、眼前の象徴的な出来事に仕立て上げた。

ただ、それは全て、紛い物の舞台装置が為せる業なんだわ。

その一点に、紳士…男たちは釘付けられるの。

神話を着飾った女神の姿が、そこに顕現している。

舞台の照明が女神の姿を映したわ。

すると、その肌に身につけているものが透けて見えているの……。

男性たちは「おい、あれ透けてねえか!?」と、ざわざわする。

とっ ても卑猥な女神だわ。

性的な物に釘付けになっている男たちに女神はさらなる続きを魅せるの…。

男性たちの目線が…真剣すぎて怖いな。

女神の腰が動きだすわ。

この源流は何と考えましょう?

アメノウズメ、下照姫、ああ……神の名をみだりに口にしてはダメだ!


そのマリアの乱れっぷりが寝室で療養中のフレーダーの脳裏にも飛び込んできて、またイメージの錯乱が迫るのだけど、ああ…マリアが肌を露出しちゃって舞い始めてるわ!

何かの紛い物の引っ掛かりを感じてか、その違和感か何かを見逃さないように、訝しげに男たちは堪えているの。

これは男性の自我というか、紳士の…まあ堪えているね…。

【目】、【目という目】、品定めのような【目】だわ。

これは、血と肉で出来た代物かを見定めているようなの。

遠隔で現象を見ているフレーダーも、魅せられちゃっているようだ。

でも、お手伝いさんに水を飲まされて落ち着く……ああ、淫らな幻像が飛んできて、それどころでなくなったわ。

舞台装置が、マリアを遊郭の吉原の高みへと押し上げていくの。

3つ首の龍が土台にあるように見える。

そして、社交会の男たちは、もう堪えきれず、性的解放でもみくちゃだわ。

場面は、七つの大罪が置かれた場所へと切り替わるの。



七つの大罪の内、死神がまず起動する。

死神の笛が音色を奏でるわ。

そして、全ての罪も動き出したの。

死神の現象が、フレーダーへと飛んで、その鎌と足音が迫る。

メトロポリスが煙を上げるわ。

それは壊れてゆくメトロポリスの前兆みたいなの。



発明家と本当のマリアとの場面に変わる。

発明家は、父親には労働者への制裁を正しいものにする事情がいると、マリアに語りかけるわ。

本当のマリアは、その発明家の、悪魔の語りかけに苦悶するの。

さらに発明家は、お前はいつも安寧な平穏を説法していたが、自分そっくりのロボットが、今では労働者に非行を勧めていると。

その原因が、本当のマリアの行いにあるかのように罪悪感を植えつけようとしているわ。

「労働者はロボットであるマリアを信じたようだ」と、発明家は続けたの。



場面は、ロボットのマリアが労働者たちに非行の勧めを語るところへ。


「私は、耐え忍ぶことを語ってきた」と、演説して人を惹き込むわ。

説法は、話術になったの。

プレゼンテーションをするマリアに成っている。

「でも、仲介する者はいよいよ現れなかった」と“仲介者”のフレーズが出たわ。

「この先も決して現れないでしょう」と言うの。



場面は切り替わり、硬そうなソファーに座って本を手にとりながら、集中力を欠いて苦悶しているフレーダー。

これは、読書で気を紛らわせようとするも、マリアの影が思い出されて悶えるという、ある時代によく見かける小説的な作法かしら?

そこへ、あの可哀想なパワハラを受けた元秘書が忍んできたの。

可哀想な元秘書にまた会えたことに感激するフレーダー。

「元気だったかい? 痩せたんじゃないか? 退職金は出たの?」とか言っているんだわ、きっと。

マリアが労働者のデモを扇動せんどうしていますと、報告するの。

元秘書の訴えに、よく見るとあんまり高くないような椅子に座って、また悶えるフレーダー。

「何もかもを壊すようにあおっている」と、元秘書がもうとんでもない事だと、ダメ押しをするわ。

「そんなことは信じられないよ!」と、マリアを庇うフレーダー。

いてもたってもいられないフレーダーは走り出し、外套を羽織り、元秘書に案内を任せたわ。



プレゼンするロボットのマリアに場面は変わる。

そこでは、もうすっかり聴衆の心を掴んだことを確認するマリアの姿があるわ。

労働者たちの心の隙間を焚き付けることに成功したの。


「辛抱強く待ち過ぎたわ。今こそ行動をするとき! なぜ、メトロポリスの主のために、死ぬまで汗をかくの? 誰が機械を動かし続けているの?」


地下墓地へと着いたフレーダーと元秘書は、その現状を目の当たりにする。

「あなたたちは機械の奴隷?」と、ロボットのマリアが労働者たちの懐に入り込んで掻き立てているわ。

「機械を止めてしまうのよ!」と、ロボットのマリアの下でマインドコントロールされた情念の塊が映し出されているの。

「機械を壊してしまえ!」と、最後の焚き付けの一声で、正気を失った労働者の塊は駆り出されていく。

「君はマリアじゃない!」と、フレーダーはロボットに向かって指を差したわ。

すると、労働者たちに混乱が起こるの。

邪悪な顔のマリアが映る。

「マリアは暴力でなく平和を訴えてきた! こいつは偽物だ!」と、フレーダーは必死に訴えるわ。

「ジョン・フレーダーセンの息子だ!」と、一人の労働者がフレーダーがあの父親の息子であることを労働者たちに示すの。

「あいつを殺せ!」と、叫んだ。

フレーダー(+元秘書)vs労働者のデスマッチが開始になり、フレーダーも手加減のない取っ組み合いに、拳が炸裂するわ!

「全員ここから出るぞ。機械を破壊しに行こうぜ!」と、マインドコントロールの進んだ労働者が扇動の声を上げ、マリアを十字架のように掲げ上げ、群れは機械の支配を受けていた人々を誘い、さらなる力を獲得しつつ破壊へと向かうの。

ロボットのマリアは、群衆の指揮者となって、タクトを振るう。

そして、大人たちは残ることなく立ち去ったわ。

これは、ミヒャエル・エンデのモモの物語が思い起こされるの。


場面は、階段を降りる2人の子供を映したあと、またマリアにそそのかされた大人たちの破壊活動へと切り替わる。



大人たちは、下層の、あの羅針盤の機械がある場所へと湧いて出たわ。

そこではまだ、機械に身を捧げ労働する人たちが居るの。

「中央発電室へ向かえ!」と号令がかかる。


父親は、上層の司令室でメトロポリスの稼働状況を確認すると、普段とは異なる何かに気づいたわ。

モニター越しの通話で、図が出回っていることを報告したあの責任者の男を呼び出すの。

「労働者たちが機械を壊し回っています」と、驚き慌てたままの落ち着かない様子で報告をする。

父親は、一瞬、気が動転する間ができるも、すぐに気を取り直したわ。

「どうしたら良いでしょう?」と、男は神にすがるように指示を仰ぐの。

「発電室が破壊されたら、彼らの街は水浸しに」と、男は事態の行き着く先を告げる。

「ドアを開けろ!」と、父親は思いつく限りの先手を指示したわ。


開かれたドアから、大人たちが雪崩れのように入ってゆくの。

その先の発電室には、父親と連絡をしていた責任者の男がいる。

その恰幅かっぷくのいい男は、その湧いて出てくる大人たちに一人でスパナを持って、門番として、ゴーレムとなり、立ち塞いだわ。

「お前たち正気か? 家が水浸しになるぞ」

男の警告を受けた大人たちは、ロボットのマリアの指示を仰ぐの。

ロボットのマリアの身動きが、大人たちの行動を加速させる。

もう、ゴーレムをも恐れぬ狂気が飛びかかるわ。

事の隙間に入り込むように、ロボットのマリアは制御装置に手をかけたの。

歯車が狂いだし、大人たちは歓喜する。

歓喜の中で、ロボットのマリアは大人たちを置き去りにして逃げてしまったわ。



同じ時、本物のマリアも発明家の下をどうやってか逃げ出し、今一番行ってはいけないところへと向かうの。


メトロポリスの制御室は電流が荒れ狂っている。

水の勢いが増して、都市を浸し始めたわ。

本物のマリアはエレベーターを起動するの。

モレクであったメトロポリスが震えている。

下降するマリア、メトロポリスは天井を失っていくわ。

菅という菅から、蒸気が上がったの。

マリアは、震える制御室へと下りた。

蒸気が、マリアを包んでいくわ。

アスファルトの亀裂から、勢いの増した水が溢れたの。

地上へと水が吹き上がった。

逃げ場所を探すマリアは、大人を失った子供たちを見つけたわ。

都市の広場へと連れ出し、モニュメントの上で重たいレバーを引こうとするの。

水の流れから逃げ出す人々は、広場でレバーを引くマリアの下へと集まる。

溢れに溢れる水は、都市を、メトロポリスを下層から浸して行くわ。

水の流れが、メトロポリスの壁を砕いていくの。

マリアの下へと集まる人々は手を上げて、マリアに救いを求める。 

重たいレバーを引けずにいるマリアを助けようとはしないわ。



フレーダーと元秘書は、地下から上がってきた。

溢れかえる水の中、元秘書が何かの音に気づいたわ。

フレーダーさんを呼び止め、共にその音の方へと向かったの。

向かう先には、人々が逃げ惑う広場が。

今度はフレーダーが元秘書を呼び止め、走ったわ。

助けを求めるばかりの人々に囲まれながら、独りレバーと格闘するマリアさん。

その孤独に、フレーダーが気づいた。

モニュメントを上がり、マリアを抱きしめたわ!

人前で何かをしそうな雰囲気のお二人に、元秘書が呼びかけるの。

「良かった。君は本物のマリアだ! エアシャフトへ早く! 貯水タンクが破裂しました」という危機だった。

それぞれが子供たちを抱き上げ、元秘書が先導して、避難誘導係をするわ。

高いところへと向かう階段を人々は駆け上がってゆくの。



場面は、父親のいる上層の世界。

下層の水や崩壊をまだ知らないネオンライトがメトロポリスを照らすわ。

そのネオンが感慨に耽ける父親も照らしているの。

でも、乱れは上層にも届き、唸る電流がメトロポリスを走る。

ネオンは消え、父親は慌てて椅子から立ち上がったわ。

(現)秘書が父親の下に来て、メトロポリスの崩壊を報告したの。

その報告に父親はふらつき、神の座を失った。

神に近づこうとしたバベルの塔は、偽りの神の物語だわ。


これは、【なろう系】の物語なの。




次回の投稿時間は、


 2024年 8月28日で、【AM11時】の投稿です。




村上春樹の世界の終わりとハードボイルド〜は、読み終えました。

また感想など書くかもしれません。



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たまーに短編として「執筆」「なろう(異世界)系」小説の研究を投稿しています。


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