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恋した瞬間、世界が終わる -地上の上から-  作者: hougen
第10部 書き残したシナリオ
80/101

76 メトロポリス2 -バベルの塔の夢-

2021年 8月27日 投稿開始

      9月 5日 毎日投稿開始

     10月 5日 毎日投稿終了。ほぼ毎月投稿に変更。

2024年 6月23日 次回投稿予定。投稿時間は “午前11時” です ←




ーーライトを片手に、父親と発明家は地下の墓地へと降り立った




一方の地下へと降りる労働者たちに混ざったフレーダーさん。

洞窟の空間のような場所には祭壇があり、多数の十字架を背に自らの信仰を労働者たちに説き始めるマリアが居るわ。


マリアを見たフレーダーは、後光を目の当たりにしたかのように瞳孔をガン開きにしながら彼女の説話を聞く。

この時のフレーダーはマリアの姿に釘付けになって、多分、説話は耳に入っていないわね。

その説話の光景を岩場の隙間から覗き見る父親と発明家。

なんだかドラえもんのギガゾンビの映画を思い出す光景だわ。



マリアは、バベルの塔の説話を始める



※バベルの塔は、旧約聖書の「創世記」中に登場する巨大な塔。神話とする説が支配的だが、一部の研究者は紀元前6世紀のバビロンのマルドゥク神殿に築かれたエ・テメン・アン・キのジッグラト(聖塔)の遺跡と関連づけた説を提唱する

(ウィキペディアより)



紀元前6世紀って、古代ギリシャのあの時代になるけど…?


途中に挟まれるカットに出る古代の衣装は、その時代の人たちを模しているのだけど、マリアの立ち位置と重なるのは、ニムロデなの?

古代の寓話と、映画の中での現代である今と現状を重ねて語られるのだけど、

「最初に塔を建設することを夢見た人たちは、現場の働き手に関心を寄せなかった」ということよりも、



「塔の建設を思い立ったものたちの夢など、働くものたちは知りませんでした」



ということがさらっと流れていることが恐ろしいわ。

バベルの塔というものが、『夢』という人類の希望として語られるのね。

思い上がった支配者たちの行いだったのに。




そして、


「計画を立てる“頭脳”と、建設する“手”には、仲介者が欠かせません」


「双方に理解をもたらすのは心に違いありません」




胸を打たれるような仕草というのか、私たち労働者である人類の現代まで続く、運命の連鎖に打ちひしがれる想いか。

立ち上がるフレーダーは、マリアに仲介者はどこにいるんだ?と問うの。

マリアは、辛抱強く待てば、必ず彼は来ますと。

それを遠目で聞いた父親は脅威に感じたのか、発明家にこう言ったのね。



「ロボットを、あの女に似せてくれ」


でも、父親の思うところは実際はどうだったのだろう?

良心の呵責の問題ね。

父親は「マリアをさらって、ロボットを代わりに置き、不和を植え付け、マリアの信頼を奪う」と言う。

根の削ぐ、根絶することを。

そこで、発明家と握手するのね。

そう、握手。

このメトロポリスのテーマである。



 『手と手を取り合うこと』



一人にしてくれないかと、発明家は父親に言う。

父親が立ち去った後に、発明家に当てられるライトは、父親のものだろうけど、

後世のものだけど、ベルイマンの冬の光という映画の、あの光のことを想ってしまうわ。

ただ、ここでの発明家の胸の内としては、良くない考えが過ぎっての、その考えを透かされてしまわないようにとのことなのだろう。

真逆のことね。


マリアとフレーダーは、何故、そこまで惹かれ合ったのかな?

魂の交流としての描きだろうか?

見つけるべきものを、見たということよね。

この辺りの説明というか、説得力というのは映画に欠けているけれど。

そこまでの脚本は、まだこの時代の映画には求められていなかったと思う。

この時代の観客にだって、それまでの舞台や小説や寓話の中でのメタ認知はあるわよ?

まだ映画は見世物の延長だったということだろうか。

違うわ、映像としての魅せ方に特に焦点が当てられていたのよ。

この後の、実験的なカットの流れが、それまでの読み物や舞台での表現では表せない演出になっているわ。

ということは、脚本に現れない別な側面も映像によって語られるということか。

オーソン・ウェルズの市民ケーンみたいなことね。

ただ、この背景で流れる音楽はコミカルさを出すためのものだった。

シリアスではないのよ。

多分、当時の観客席では笑い声も上がったのだと思う。

マリアの動きと、照明の当て方が…。

そして、暗転。



語られぬまま、フレーダーは聖堂へと着いたというか、迷い込んだ。

修道女や神父がたくさんいるわ。

そこで、七つの大罪を見るのね。

フレーダーさんは、そこで何かを呟いている。

だけど、何を呟いたかは分からないわ。

ジーザス? それとも、祓いの詞のようなもの?


その頃、マリアは発明家のところで捕らわれてしまった。

だけど、まだ追いかけっこは続いているのね。

何だか、このクネクネとしたマリアの動きがあんまり好きになれないな。

発明家は、ロボットをマリアと瓜二つにするために拘束しようとしているわ。

その奮闘している最中にたまたま通りかかるフレーダーさん。

助けを求めるマリアの叫び声を聞くのね。

錠のかかったドアに最善策と思われる体当たりをする。

ドアには五芒星が描かれているわ。

この映画というか、原作はシンボルが散りばめられている。

原作はやり過ぎなくらいシンボルの描写が多いのよね。

勝手に閉まるドアに翻弄されるフレーダーさん。

コントだわ。

マリアの服のレース?が落ちているのを発見するフレーダー。


マリアは、完全に拘束されてロボットと繋がれてしまっているわ。

それにしても中々作り込まれた舞台装置だよ。

エジプトの棺を連想させるの?

ここは錬金術や死者の蘇生を思い起こさせるのね。

多分、実際にこういう世界には儀式があるんだろう。

この映像美は美しいわ。


そして、ロボットのマリアが誕生する。



 “物語は人間をかてにして創られるという事”




次回の投稿時間は、


 2024年 6月23日で、【AM11時】の投稿です。




村上春樹の世界の終わりとハードボイルド〜の読書経過は、上巻の中盤です!

だんだんと面白くなってきました!



いいね・感想・評価・ブックマークなどなどお待ちしております!

たまーに短編として「執筆」「なろう(異世界)系」小説の研究を投稿しています。


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