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恋した瞬間、世界が終わる -地上の上から-  作者: hougen
第10部 書き残したシナリオ
74/101

70 ファミレス、午前0時の確かな音

2021年 8月27日 投稿開始

      9月 5日 毎日投稿開始

     10月 5日 毎日投稿終了。ほぼ毎月投稿に変更。

2023年12月19日 次回投稿予定。投稿時間は “午前11時” です ←




そうして君は、

 一つの印象から得たものを突き詰めてゆくーー





ーーファミレスの午前零時



 店内のBGMは、アストル・ピアソラ が夜の喧騒をドラマチックに表現し伝えたあと、THE BEATLESの“Now And Then”

時代の円環の終わりか、新たな時代のファンファーレを聴かせ始めました



わたしが今、対面しているのは、見覚えのある客の顔。

彼が、わたしの眼、【左眼】を捉えて離しません。

もう、彼の存在から眼を逸らすことの出来ないわたし。

彼は、テレパシーのように伝えたいことを訴え、響かせるのです。



 

 ことめいこさん


 伝え方は、様々だよ

 恋愛に掛けたり、教訓的にしたり、寓意的にしたり

 何を言いたいかは、暗示的にする

 そうした方が、うまくいく


 システムのことはあまり深く拘らないでいい

 何かが訪れるように通り道を作ること

 それに専念するんだよ


 詩を、物語を描くなら


 これは、シンボルを作る作業だよ


 これは、シンボルを作る作業だよ




わたし自身が真ん中で半分に裂けられてゆく感覚の中、その傍らで死につつあるわたしの“右眼”は、午前0時の喧騒に抗い闘う精神力を求められていました。

例えば、午前0時からの仕事にこれから行くとして、その前に仮眠してたなら、目覚まし時計の音で無理やり目が覚めて、でも中途半端な睡眠の質を感じて脳がシャキッとしない。身体も何だかポワッとしてる。なおかつ、日頃の疲労が蓄積して眠たい身体を引きずらないといけない。起き上がることが出来ない。

遅刻する、代わりはいない、起き上がりたくない、あと5分、ああ、もう少し眠れたなら……それなら、わたしは動けるのに!

そんな午前0時との闘い、どうやって勝つのでしょうか?

半側空間に急な気配を感じて、わたしの右眼が、神懸かりの状態になりつつあるあの娘の姿を映しました。

あの娘ーーわたしの代わりになってくれる人? でも…でも、わたしにはわたしの役目がある。わたしの代わりを作りたくない。

転送が始まり、皿洗いの先輩たちがいつの間にか周りを取り囲んで、悪魔崇拝になって取り憑かれたように仄暗い言葉で祝詞を唱え始めていました。

儀式が始まっていることに気づいたわたしは、どうにかしてあの娘を助けたいという気持ちーー気持ちが、わたしのCOREを、本能のわたしにアクセスして目覚めさせ、身体を動かし、午前0時の重たい空気をついに突き破り、あの娘に駆け寄ることを選んだのです! わたしは絶対、遅刻しない! 仕事に遅刻したことはないの! シフトは、守ります!  

そのとき、左眼に、幻覚のような痛みが走りました。

山盛りポテトフライと150gのサーロインステーキを頼んだ総摂取カロリー上昇中のあの客が、わたしをナイフで切りつけたのです。

男の手には、見たことのない黒い石のようなナイフがあり、先端が赤く光って、血を垂らしています。

そのナイフは、わたしの喉元を目掛けて切りつけたようですが、わたしはとっさに避けて…いやいや、左眼のまぶたをかすめて傷つけましたよ!





ーーその頃、あのタクシーの車内



街灯、静けさ、方向指示器の点滅。

これまでに何度も見て、見飽きたような夜。

ただ、それでも見たことのない闇夜に隠された部分。

今日は、夜のまとまりが巨大な塊になって見える。

そこに目を向けてしまうと、その隅や、縁。 暗く薄暗い部分について、何があるのか?と人を誘う。

それは危険を秘めているのかもしれないが、そこにこれから向かう。


夜が来て、穏やかな時間は終わった。

僕はこれからに備えて、タバコを灰皿に押し付ける。


「ところで、その広告の22時から0時、エネルギーの消費を抑える為、低速な行動要請を敢行するっていうのは、0時を過ぎたら、スピードを出して運転してくれるということかい? もう0時になるけど」


車内の暗がりと、運転席の真摯なドライバーの姿。

法定速度を守る、静かな運転手。


「…お客さん」


「はい?」


「…スピード出しちゃっていいんですね?」


「ああ、いいけど…?」


車内のラジオが、0時の時報音を鳴らすーー


「こうしますね」



 “ガコン”



振動を伴った何かの切り替えの音が聞こえた。

身体をシートベルトがギュッと締めつけたあと、座席がマッサージチェアのように身体を包んで固定していった。


「少し、飛ばしますね、いいですか?」


あー…待って、僕の荷物…ああ、こうなって、そうなって、こう?





ーーその頃、ファミレス



床に垂れる血、【左眼】を押さえるわたし。

総摂取カロリー上昇中の男に、不味いことをしてくれたなと厳しい眼を向ける、見覚えのある顔の客。

左眼を傷つけそうになったことが不味かったようです。

おかげで、わたしが巻き込まれそうになった儀式は中断になったようです。

あの娘は我に返って、わたしの表情と流れでる血を見てあたふたしてる。

でも、この先どうしたら良いの? 血が出てるのよ? 血が! 痛いし!

それよりも、冷たい目で見られている総摂取カロリーの男が、あはれ、かも。

ーーなんて心配してたら轟音が聞こえて、スローモーションで店内の窓ガラスが割れて崩れていったの。崩れてゆくガラスの一面一面に光が乱反射して、何処かに巣食っていた悪霊たちの魂が悶えて苦しんでいる姿が見えたの。んー何だか見たことがあるのよね? こういうアトラクション。あーそうそう、あのタクシーよ。ほら、あの軟弱な顔、あの運転手だわ。あらら、後ろの席に座っている人、キョトンとしちゃってるんじゃない? 戸惑ってるんじゃないの? 人に迷惑かけちゃダメよ? それと、よく見てね。店内の吹き抜けになっている空間には、大きな窓があったの。全部割れちゃったんじゃないの? ほら、あなたのタクシーのボンネットが、店内まで入って来ちゃってるわよ? あなた大胆なことしてくれたわね? 皿洗いの先輩、飛んで行って割れた皿の枚数をどうにかして数え始めているわよ? あら? あらら……大きな窓の前にいた見覚えのある顔のお客さんは壁の方まで吹き飛んでいるわ……総摂取カロリーの人は助かったのね。ん? 乗ってけって? え? あの娘も? そう、

細かいこと考えちゃダメよね!




ーーわたしが行ったのは、改竄かいざんではありません



ココとの共同生活の時、ココの漫画にこっそりと手を加えたように

わたしの“声”をただ、入れただけです


それは、こんな漫画の脚本でしたーー



 「名前もつけなかった犬(記憶の宝石より)」



 で、どう見つけたの?


 飼い主を探している犬がいるって

 誘われて行ったの

 

 遠くはないけど、普段は足も運ばない距離で

 

 こんな路地裏があったの

 ここまで進むと、こんな街並みで

 知らない人ばかり

 出会ったことのない人ばかり

 そんな新鮮さがあったの

 

 近所の親しい友達に付き添って行ったの

 誰だったかは…思い出せないの

 

 確か、マンション

 マンションの一室だったの

 子犬を抱きかかえた人物が見えた

 

 家の車庫で、1日だけ預かったの

 餌は…あまり思い出せないけど、牛乳とかあげたと思う

 ダンボールに何匹か詰め合わせて

 

  記憶


 どこまでが正確かなんて、もう

 分からないの

 だから、それを大切にするかどうかだと 

 思うの





 

次回の投稿時間は、


 2023年12月19日で、【AM11時】の投稿です。



村上春樹の新作読書の途中経過→4分の3は読んだ

今年中に読み終えれるのかな?



いいね・感想・評価・ブックマークなどなどお待ちしております!

たまーに短編として「執筆」「なろう(異世界)系」小説の研究を投稿しています。


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