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天狗への答へ

作者: すみ いちろ




壱の答へ



万人救ふ

語彙は無し

救い救われ仲なれど

話せば傷つくこともあり

万人救ふ

語彙ありと

哀れ旅人裏切られ

いずれも諸刃の刄なり

刺して突きて殺すなら

悪人善人人なるぞ

表裏一体

なればこそ

区別のつかぬ

危ふさよ






弐の答へ



強業(ごうごう)

拷々(ごうごう)茹でられ

号泣す

こらへてくれと

阿鼻叫喚

地獄の遊びに

焦がれた身

骨も残らず滅却す

入滅したなら

めでたしと

どんどん描くぞと

天国へ







参の答へ



男逝(おとこい)

面を外して

納棺す

旅に顔ふす

荼毘に付す

最期に閉めた

扉から

どかどか何やら音がする

何事なのかと

駆けつけば

ドカバキドゴォーン!!と

大爆発

(すす)ムセ親族唖然とす

中から男が現れた

赤赤(アカアカ)ゴウゴウ火の中に

火男(ひょっとこ)

ひょこっと現れた

新し面をかぶっては

飄々(ひょうひょう)ようよう帰って来た

(ほむら)立つ中

火男(ひょっとこ)

ひょこひょこひょうひょう

舞い踊る

ひょうひょうひょこひょこ

舞い踊る

驚き親族

喜んで

ひょこひょこひょうひょう

舞い踊る

ひょうひょうひょこひょこ

舞い踊る

みんなで一緒に

踊り狂ふ

ひょこひょうひょこひょう

踊り狂ふ

地獄に仏たぁこのことよ

歓喜にわいて

ピーヒャララ~

みんなでわいて

ピーヒャララ~

笛ふき踊る

ピーヒャララ~

火男(ひょっとこ)火を吹き

ピーヒャララ~

火男(ひょっとこ)

黄泉(よみ)から

よみがえる

新し面つけ

踊り狂ふ

みなと一緒に

踊り狂ふ

踊り念仏

ありがたや~

ありがたや~と声合わせ

ありがたや~と合掌(がっしょう)

念仏なんざぁいらねぇと

男は見栄(ミエ)きり啖呵(タンカ)きる

短歌(タンカ)は詠めねぇ

火男(ひょっとこ)よ!

(イキ)なモンだね!!

イイ男!!!

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― 新着の感想 ―
[良い点] こんにちは。 先日は『天狗』の感想欄で、暴走してしまい失礼いたしました。 今度は冷静になるぞ、と時間を置いたのですが、また走り出してしまったら申し訳ございません。 「天狗への答へ」 やは…
[一言] 〉作品が、愛されるのと、作品の心、技の高さは、また違う問題…。 〉また、課題が、できました。 すみさんも、ソコに至りましたか。はっきり言って人それぞれ答えが違いますし、また、いち度出した…
[良い点] 見事な業前!脱帽です♪
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