特級<撫で師>の信条
「おはようございます、旦那様」
鈴の鳴る声。私は意識を覚醒させる。
側に立っていたメイド長である彼女――篠崎灯里に挨拶を返しながらベッドを降りる。
ガウンの裾を引きながら洗面所に行き顔を洗う。
灯里を引き連れて食堂へ行くとメイドたちが私のことを待っていた。
私は椅子に座り、ジャマイカ産のコーヒーの香りを楽しみながら新聞をめくる。
出されたトーストや生ハムなどを完食し、席を立ち、衣服部屋へと行く。
灯里を筆頭にメイドたちが私のガウンを脱がせ服を着せていく。
ラルフローレンのスーツに袖を通し、最後にシルクハットを頭にのせる。
「「「行ってらっしゃいませ、旦那様」」」
勢揃いしたメイドたちに見送られながら私は屋敷を出る。
リムジンに乗り込み、灯里も続いて乗り込んでくる。
リムジンは加速を感じさせない滑らかな走りで出発した。
「旦那様。今日のご予定は午前中に二件、午後に一件となっております」
そらんじる灯里に頷いて先を促す。
「まずは9時10分より私立桜花大学にて講義、続いて11時15分より朱雀神社の御神木の治癒、最後に15時より県警本部にて捜査協力――以上となります」
今日は比較的に穏やかなスケジュールのようだ。
春となり生き生きとした新緑を窓の外に見ながらそう思う。
私は神山誠二郎、42才、独身。職業は特級<撫で師>である。
………
……
…
私立桜花大学に来た私は講義室で講義の真っ最中だった。
私はここの客員教授の肩書を持っている。他にも14の私立、国立大学で教授待遇に迎え入れてもらっている。
そして今回は新入生に対するガイダンスとして「<撫で師>とは?」という題目で一般常識に毛が生えた程度のことを話していた。
学生たちは誰も彼も熱心に耳を傾けており、こちらとしても熱が入る。
<撫で師>は古くは平安時代に始まり江戸の鎖国時に大いに発展を遂げた我が国固有の職業である。近年では海外でも認知され、<NADESHI>の単語ができて早数十年、現在ではむしろ海外の方が<撫で師>の質・量共に高い。我が国の国家資格よりも国際ライセンスの方が重用されているのが現状だ。
国際ライセンスは下からC級、B級、A級の順となっており、さらに優れた一握りの者だけが特級を名乗ることができる。特級<撫で師>は世界で11人いて、我が国の特級は一人のみ。それが私、神山誠二郎である。
さて、<撫で師>というのは簡単に言ってしまえば、「撫でる」行為によって対象の喜怒哀楽の感情を操る者、またはその職業を指す。「撫でる」行為は主に3つの数値に科学的に分解される。手で加える圧力<プレス値>、手の平行移動幅<ストローク値>、秒間に撫でる回数<サイクル値>。これら3つの組み合わせによって喜怒哀楽、様々な効果が生まれる。
効果自体も数値的に定義され、例えを上げると、J40(「J」は「喜」、JOY)、A55(「A」は「怒」、ANGER)、S61(「S」は「哀」、SADNESS)、H33(「H」は「楽」、HAPPINESS)という具合である。そして、それぞれの絶対値(例えでは、40、55、61、33)を<撫で力>と呼び、対象への干渉の強さを表す指標となる。
この講義も終盤に差し掛かっている。
<撫で師>の効力は実際に体感してみるのが一番だと常々思っている。
そこで私は今も熱心な聴講者である彼ら一人一人に対して「撫でる」事を告げた。
「「「うぉおおおおおおおおおおおおおおお!」」」
講義室が歓喜の渦に包まれる。
私が言うのも何だが、多くの人にとって特級<撫で師>に撫でられる機会は一生に一度もないだろう。
灯里に手伝ってもらい学生を整列させる。
彼らは目に見えて興奮しているので、操る感情は「哀(SADNESS)」、それと<撫で力>は人間が認知可能な最低値20――つまり、S20を撫で与えることに決めた。
私が頭に手をのせ「撫でる」行為を行うと皆一様に「哀」の情を理解した顔になる。
そして感動に打ち震えて礼を言っていく。
一人の娘などは感極まり「この頭、一生洗いません!」と宣言する程だ。
彼女の衛生面を心配した私は洗うように厳命し、その代わり彼女が大事に胸に抱いていた本にサインしてあげた。
この本は私の処女作であり全世界で一億万部を売り上げ、今年のノーベル文学賞最有力候補とまで言われている。
非才の身で恥ずかしい限りだが、本を受け取った彼女が「家宝にします!」と大喜びしてくれるのだから私も満更ではない。
私は神山誠二郎、42才、独身。職業は特級<撫で師>である。
………
……
…
大学の講義は万来の拍手で終わり、私は次の目的地である朱雀神社へと行く。
朱雀神社では神主と氏子たちが私の到着を待っていた。
私は社交辞令を早々に切り上げ、依頼にあった御神木を見に行く。
案内された先は本殿の中庭。御神木が堂々と鎮座していた。
しかし、その有様を目の当たりにして私は顔をしかめる。大半の葉は抜け落ちていて、残っている葉も茶色に枯れており、幹の樹皮は剥がれ落ちる程に乾いていたのである。
「三年前からです。私共も八方手を尽くしました。害虫、害鳥、鹿、猪、土壌汚染、悪意によるもの……あらゆる可能性を考え対策を講じました。ですが、駄目でした。お願いします、神山様。私共の御神木をお救いください」
特級<撫で師>とA級<撫で師>の最大の違いは何か――。
A級<撫で師>は「撫でる」対象が人間に限定されているが、特級<撫で師>はそれがない。つまり、人間以外の動物であっても、例えそれが鳥でも魚でも昆虫でも、果ては植物でさえも「撫でる」事が可能なのである。
私は深々とお辞儀をする神主を励ますため力強く頷く。
そして御神木に近づき幹に手を伸ばす。
御神木に触れた瞬間、私は神主に期待を持たせたことに後悔した。
どうにも出来ない予感に苛まれつつも<撫で師>としての職を全うする。
「撫でる」効力を意味する<撫で力>、その数値は医学および生命倫理上の観点から国際法で最高値が定められている。なぜかと言えばあまりにも<撫で力>が強いと副作用として精神障害が起きるからである。対象が人間の場合は、<撫で力>51.5が最高値となる。動物や昆虫にも最高値があり、しかし唯一、植物だけが最高値が定められておらず制限がない。
故に今、私は全神経を集中させ全力で「撫でる」事を行っている。
ひと撫でひと撫でするごとに玉のような汗が額に浮かぶ。側に控える灯里がシルクのハンカチで拭ってくれている。
与える感情は「喜び(JOY)」。
私は出し惜しみせず体力が許す限り<撫で力>を引き上げていく。
J90、J100、J110、J120、J130……。
くっ。体力の許容限界を超えたため思わずふらついてしまった。
「「「旦那様(神山様)――!」」」
駆け寄る灯里や神主、氏子たちを大丈夫だと手で制する。
やはり御神木に快癒の兆しは見られないか……。
私たち<撫で師>には治癒能力があることはすでに学会で定説となっている。
しかし、「撫でる」行為は病の根本を断つものではなく、漢方薬のような、自身の持つ生命力を活性化させるものである。
必然、生命力が微々たるものであったらどうしようも出来ない。
つまり、御神木の症状が正にそれであり、一言でいえば「老い」だ。
私は神主にそのことを告げた。
「そうですか……。神山様がそうおっしゃるなら諦める他ないのでしょう。もはや御神木をお救いできるのは御神のみ――いやはや、栓無きことを言いましたな。神山様、この度は御足労いただき有難うございました」
神主の憂いた顔を見た私はおせっかいを申し出る。
御神木の枝を頂戴したいと願い、普通ならば許されざることだろうが、私であるから特別にと神主は50センチ程を切ってくれた。
私はその枝に手のひらをあてがい「撫でる」。
J100の<撫で力>を込めて命を吹き込む。
すると、寒々しかった枝には青々と瑞々しい新芽が一つ二つ三つと芽生えた。
私は唖然とする神主にその枝を手渡し、接ぎ木をすれば百年後には新たな御神木となるだろうと断言を避けて言う。
「ああ、何というお方だ、神山様――」
「神山様、万歳――!」、「神山様、万歳――!」「神山様、万歳――!」、「神、様、万歳――!」、「神様、万歳――!」、「神様、万歳――!」、「神様、万歳――!」、「神様、万歳――!」
神主や氏子たちが崇拝の念でそう言いだしたが、まかり間違っても神ではない。
私は神山誠二郎、42才、独身。職業は特級<撫で師>である。
………
……
…
祈りと供物を捧げられ始めた私は朱雀神社を丁重に辞しリムジンに乗り込む。
「旦那様、午前のお仕事お疲れさまでした」
次の目的地まで時間と距離があるので昼食を取ることにする。
リムジンの後部にあるテーブルに灯里が手際よく準備していく。
マイセンの食器にサンドウィッチとビシソワーズがよく映える。
美味い、素直にそう思った。
食後、私はアールグレイの紅茶を堪能しながら考えに耽る。
食事についてである。
こんなにも美味い食事を出してくれるメイドたちがいる私は世界一の果報者であり、そこで、何らかの形で感謝したくなった。
給金を上げるか――メイド長である灯里に相談してみる。
「私達はすでに十分過ぎる程に頂いております。これ以上の給金は望みません」
そう静かに首を振られてしまった。
しかし、私は感謝したくて堪らないのである。
「旦那様のそのお言葉だけで料理担当の佐々木、以下一同、感激に涙を流すでしょう。それでもなお、旦那様が何かをすることを望むのであれば、撫でてくださるのが一番かと。私達は過去、旦那様に撫でられ救われた身です。その恩を返すため旦那様にお仕えしております。ですから多くは望みません。ですが、皆、心の内では旦那様に少しでもいいから撫でられたいと思っているのです。……私もその一人です」
最後の方は小声で早口だったため聞き逃してしまった。
灯里の助言について今一度考えてみる。
私は私事では「撫でる」事を自ら禁じている。
特級<撫で師>という大きな力を無秩序に使い、力に溺れることを恐れているのだ。
だから彼女たちに対して「撫でる」事はもうないだろう。
できる事と言えばどこにでもいるアラフォー男の撫でであり、しかしそれで彼女たちが満足してくれるだろうか。
私の感謝の思いは伝わるだろうか。
私はふと灯里と視線が合う。
灯里とはもう長い。私がC級<撫で師>だった頃からずっと支えてもらっている。
感謝を示すならまず彼女からだろう。
私は灯里の頭に手をのせ、ただ純粋に撫でた。
「ふぇ、だ、旦那様っ、あの、その、あわわ……」
日頃、冷静沈着な灯里にしては珍しく狼狽を隠せていない。
エプロンスカートの裾をきゅっと掴み、為されるがままである。
俯いてしまっているから顔が見えない。耳は赤いようだが。
私はなおも撫でながら感謝が伝わっているか灯里の顔を覗き込もうとする。
「み、みないで、見ないでください、旦那様。私の今の顔を見ちゃ、だめぇ……」
私は神山誠二郎、42才、独身。職業は特級<撫で師>である。
………
……
…
私は最後の目的地である警察本部に到着した。
後ろには何故か息も絶え絶えな灯里がついて来ている。
捜査一課係長によって個室に案内された。
そこの覗き穴から隣の取調室の様子を見る。
一人の青年が刑事の尋問をのらりくらりとかわしていた。
彼には強盗放火殺人の嫌疑がかかっているらしい。
状況的にはまず間違いないく黒だが、決定的な証拠はない。あの様子では単なる尋問では自白も引き出せないだろう。
私の力が必要というわけだ。<撫で師>の捜査協力は法廷でも認められている。
私は灯里を残し悠然と取調室に入った。
「けけけ、お次はあんたか?俺はなーんにもやってないぜ」
こんな輩に遠慮は不要である。
私は青年の頭に手をのせると、初手から人間に対して国際法で定められた最高値、<撫で力>51.5をお見舞いする。
しかも単一の感情ではない。
「哀(SADNESS)」と「楽(HAPPINESS)」の合わせ技である。
つまり、S51.5とH51.5を同時に撫で与えることで強力な自白作用を促す。
一つの「撫でる」行為で二つの感情を操るとこれまでにない効果が出ることを私は発見し、論文で発表した。論文は科学雑誌「Nature」に掲載され「神山方式」として多くの反響を呼んだ。
しかし、二つの感情を操るには<プレス値>、<ストローク値>、<サイクル値>をコンマ二桁の精度でシビアに設定して「撫でる」事を行わなければならず、それは例え特級<撫で師>の実力があっても困難を極める。
現在、成功者は私を除き世界で片手で数える程しかいない。
さて、くだんの青年であるが、あっさり落ちた。
「俺がやりました――!奪いました――!燃やしました――!殺しました――!」
後は本職の出番である。
青年の自白をもとに容赦なく証拠固めをやってくれるだろう。
私は青年の慟哭を背中で聞きながら取調室を後にする。
私は神山誠二郎、42才、独身。職業は特級<撫で師>である。
………
……
…
今日最後の仕事を終えた私は県警本部のエントランスに降りてきていた。
何やら騒がしい。
どうやら一人の女が窓口の女性警官に詰め寄っていた。
そこを通り過ぎながら見送りの捜査一課係長が話しかけてくる。
「いやあ~助かりました。さすがは<撫で師>様様ですな!ガハハハハハハ!」
「……<撫で師>ですって」
呟き声に振り返ってみれば先の女がツカツカとこちらへやって来る。
剣呑に睨みつけられた直後、私の頬は彼女の手のひらでビンタされていた。
「あんたみたいな<撫で師>がいるから――!うちの娘は!うちの娘はっ!」
唇が切れたらしい。鉄の味がする。
すかさず灯里がシルクのハンカチで押さえてくれる。
私が事態を把握するより先に捜査一課係長が肩を怒らせ私の前に歩みで出た。
「何のつもりですかな、奥さん。事の次第じゃ、オハナシ聞くことになりますが」
「なんで警察が<撫で師>みたいな屑を庇うのよ!こいつだって、ニセモノじゃない!」
「偽物?勘違いじゃありませんか?この方は神山誠二郎様。日本でただ一人の特級<撫で師>ですぜ」
「神山誠二郎……特級<撫で師>……嘘、あの神山様……?ああああ、私ってば――」
先程までの剣呑さが嘘のように彼女はガクガクと震え出す。
膝から崩れ落ち、額を床にこすりつけ謝罪してくる。
私は謝罪を受け入れた旨を伝える。
なおも謝り続ける彼女を立たせ、ここでは目立つからと警察本部から連れ出し、成り行きで家に送り届けることにする。
リムジンの中で恐縮する彼女が少し落ち着いたところで事情を聞く。
彼女、音無水穂の一人娘、音無静香が偽<撫で師>詐欺にあったらしい。
手口自体はよくある話である。
昨年、高校受験をひかえた静香ちゃんはストレスから不眠症をわずらっていたそうだ。心療内科も効果がなく、すがる思いで<撫で師>の治療を受けたが、それを両親に黙って決めた事とライセンスの有無の確認を怠った事が良くなかった。その<撫で師>は治療と称し彼女に性的被害を加えた。
当の静香ちゃんは高校受験に失敗し、現在、家に引きこもっていると言う。そして偽<撫で師>は五か月経ってもいまだ捕まっておらず、それ故に水穂さんは警察に乗り込み、行き場のない怒りを私にぶつけたというわけである。
真の<撫で師>として何か役に立てるかもしれない――そう思った私は音無家を訪問した。
ちょうど父親の佑さんも在宅中であった。
自己紹介と名刺交換をした後、私一人で静香ちゃんの部屋の前に立つ。
ノックと呼びかけを行うが返答はなく、悪いと思うが勝手に入らせてもらう。
カーテンは閉め切られており薄暗い。
そんな中、静香ちゃんはパジャマ姿でベッドの隅に膝を抱えていた。
艶がなく乱れた髪、虚ろな瞳、痩せこけた頬。全く身動きが見られず、本当に生きているか判別できない程である。
下衆が――っ!
私はこの娘をいたぶった糞野郎に怒りを燃やす。
しかし、ただ今はその怒りを押し殺してベッドに近づいていく。
私は床に膝立ちしながら静香ちゃんの名を呼び、事情を説明してから、何の反応もない彼女の頭に手をのせる。
「楽(HAPPINESS)」の感情をのせて「撫でる」事を行う。
人の認識可能な最低値であるH20から始め、少しずつ<撫で力>を大きくしていくが、変化が見られないまま国際法が定める最高値、H51.5に到達する。
しかし、私はまだ<撫で力>を上げ続ける。
一般的な方法では精神障害の副作用は免れないが、世界でただ一人、私だけが使える神技<限界突破>により<撫で力>が上がっても副作用を最小限に抑えることができる。
神技<限界突破>は私の代名詞であり、国際法の特記事項として使用を認められている。
H90を過ぎてようやく体にぴくりと反応があり、H110で瞳に光が灯り、H122に達した時、静香ちゃんの頬を一筋の涙が伝った。
彼女の焦点がしっかりと私を捉えている。
ここから<撫で力>を抑えていきクールダウンしていく。
感情の戻った静香ちゃんの目には涙が溢れ出し、嗚咽し、私の胸にしがみつき泣き叫ぶ。
ラルフローレンのスーツが汚れるが、一着や二着、彼女の涙と比べれば安いものである。
再びH20まで戻ってきたところで「撫でる」行為を終える。
すると、静香ちゃんに袖を引かれた。
「もっと……おじ様、もっと撫でて……」
やはりこうなるか。
神技<限界突破>は副作用を最小限に抑えるものの、軽度の依存性を発症する。
灯里を含め屋敷のメイドたちも同様であったことを思い返す。
とりあえず継続的な治療が必要であるからご両親の許可を取らなければならない。
私は熱っぽい視線の静香ちゃんをお姫様抱っこすると一緒に部屋を出る。
私たちが現れると佑さんと水穂さんが駆け寄ってくる。
まだ二言三言ながら意思疎通する娘の姿を見た二人に何度も感謝された。
それから治療のため静香ちゃんを私の屋敷に連れて行く許可を求める。また、屋敷には似た境遇の女性たちがおり力になってくれるはずだと話す。
二人には「娘を幸せにしてやってください」と言われ、私も特級<撫で師>としての矜持があるから力強く頷き安心させる。
ん?灯里の視線が少々痛いのはなぜだろうか。
治療費については取らなくても構わないのだが、相手が恐縮する場合が多い。
だから灯里に常識的な範囲での受け取りを任せ先にリムジンに乗り込む。
微かな寝息が聞こえ下を見る。
胸元で眠る静香ちゃんに頬を緩めると同時に糞野郎へのあらん限りの制裁を約束する。
私は神山誠二郎、42才、独身。職業は特級<撫で師>である。