05
「ちなみにキャストって何人いるの?」
「十二人だよ。当たり前だろ、【十二星座】なんだから」
「ちょっとよくわかんないですね」
そうか。
キャスト的には当たり前なのか。
でもそれは・・・十二という数に意味があるのか、あるいは星座である事に意味があるのか。
いや、待った。
星座?
宇宙に輝いているあれ?
「あっ、宇宙人こっち?侵略者紗螺クンになっちゃったってコト?」
何を言っているのかわからない?
大丈夫。
俺もまったくわからない。
「いや、アタシ達は超能力者の方。見たらわかるだろ?」
「それどう答えてもいろんな所に角が立つやつじゃないですか」
いや紗螺がサイコパスか否かって聞かれた迷わず肯定するけどさ。
流石に初対面の人間に「お前サイコパスだろ。そう見えるもん」とは言えないわ。
・・・見えるけどさ。
「・・・じゃぁ、侵略者ってのは?それを倒せば紗螺はこのゲームから解放されてねこも戻ってくるのか?」
「倒せたときに”猫”の機嫌が良ければ戻ってくるんじゃないか?知らないけどさ」
「ア、アバウト・・・」
「あとなんだっけ?宇宙人か何かって?そんなの決まってるだろ。外宇宙の侵略者だよ」
「ハイよってきちゃう系なんです?」
太陽いわく燃えよカオス的な。
まっさかー、と思った――瞬間。
夜空を燃やすくらいの大きな火柱が背後で上がった。
えー。
「・・・むしろはいよってきたものを殺す系?」
「だいせいかーい!」
当たって欲しくなかったなー。
そうか。
そっち系か。
ホラーは夏場にやってくれよ(※現在冬真っ只中の1月)。
なに?
じゃぁホラーゲームは夏にしかやらないのかって?
普通に冬もやりますね?
・・・そういう事ですよ。
「夏場にあえて鍋食うみたいに冬場にあえてホラーやりたくなる事とかあるもんなぁ」
「大丈夫だって。労働じゃないから閑散期もないだ」
「何一つとして大丈夫じゃないな?」
有給を下さい。
夏休みくらい長い休みが欲しい。
「ん」
ぐわん、と左目の視界が歪む。
森が消え、目の前の少女も消え――見慣れた景色に切り変わる。
ここは・・・学校、の保健室か。
「どうした?」
「いや、アスプが――俺の愛猫が視界を共有してきた。なんだろ・・・戻りが遅いって怒ってんのかな?」
「・・・・・・へぇ?」
左右の視界が違うと普通に気持ち悪いので右目を手の平でふさぐ。
近くにいればなんとなく考えている事もわかるけど、これだけ離れているとそれも難しい。
・・・視界の共有も距離が離れれば難しいんだけど、アスプは簡単にこなしてみせる。
アスプさん、実は九つ目だったりしないかな。
ありそうだな。
あるいは百万回生きてるかも。
「猫はどこに?」
「学校の保健室。気絶した紗螺の傍に・・・」
そう。
ちょうど火柱が上がった方に、いる。
「やっぱり」
にゃーん、と。
もう一度、”ねこ”の声が聞こえた気がした。