03
課金は計画的に家賃まで!
それでも足りない場合?
お引越しするしかないね!
以上ありがたい廃人ゲーマーのお言葉でした。
いやー、最後まで歪みないな先生。
「そんなんだから紗螺君起きないんだよね」
現在時刻8時15分。
つまり俺とアスプはここで2時間近く待ってるって事です。
なんてこった。
何してたかって?
「・・・・・・・・・・・・」
ビタンッ、と不機嫌そうにアスプがベットをシッポで叩く。
ご機嫌ナナメどころか氷点下って感じ。
アスプと俺は繋がっているからそんな全身で不満を訴えなくたって理解りすぎるくらい理解る訳なんだけれども。
『それはどうゆう感覚なの?』
ふと知り合って少し経ったくらいの頃の紗螺に言われた台詞を思い出す。
どうゆう感覚もなにも俺は【そういう感覚】しか知らないから逆にねこがいなくても平気な紗螺の方がわからない。
アスプは俺で、俺はアスプだ。
肉体も精神も繋がっている。
それが当たり前でーーそれ以外なんてない。
とはいえ、だ。
解るからと言って、それら全てを聞き入れるかっていうのはまた別の話です。
「凄かったなー、女郎花先生の聖域。いやどっちかって言うと腐海ってカンジだったけど」
あれには王蟲も真っ青だ。
いや、王蟲の血(体液?)は元々青いんだっけか?
現実逃避?
したくもなるって。
なーに、アスプ?
だから言ったじゃんか、って?
そんな正論が聞きたいんじゃない。
なんだアレ。
もうあの簡易キッチンは駄目だ。
人間が住める場所じゃないよ。
「あんな所で錬成されたものを一気飲みして気絶するだけで済んでる紗螺逆にやばいな」
「にゃん」
「これはもう用意するべきは胃薬じゃなくて吐かせるための洗面器だったのでは・・・?」
「にゃにゃう」
「おっ、あそこにあった?ドコ?茶色い棚の2段目?」
心の中のイマジナリーオミ先生に許可をもらって棚を漁る。
途中見つけたゲームの攻略本は見なかった事にして――イマジナリーオミさんは凄く残念そうにしてたが――洗面器を無事に確保する。
あったあった。
後は寝てる間に胃(の中)のケアをして・・・。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・ど、ドロボウ・・・?」
「チェスト!!」
「うっ・・・!」
君は何も見なかった。
いいね?
Q何した?
Aみぞおち殴って気絶させました。
胃の(中の)ケア(物理)になったんじゃない?
駄目?
「にゃう」
セウト、とアスプがどうしようもないものを見るような目で言った。
・・・結果オーライ!(タブーンネ)
まぁ、何も出てこなかったワケですが。
「液体(仮)だから2時間経ったら吸収されるのかな」
どうだろう。
人体の仕組みはそこまで詳しくないからな。
どう思う?とアスプに聞いてみるが返ってきたのは「どうでもいい」というにべもない返事だった。
うーん、塩対応。
「・・・っていうか紗螺また眠っちゃたし」
誰のせいかとかは考えちゃいけない。
悪いのは女郎花先生。
いいね。
「ん」
なんだ・・・猫の声?
ちらりとアスプを見ればアスプも同じ方を見ていた。
気のせいじゃないらしい。
猫・・・ねこ、か?
「・・・・・・アスプ、紗螺といて。俺ちょっと見てくるよ」
「・・・・・・・・・」
シターン!とあから様に不満そうにアスプがシッポで地面を叩く。
ごめんて。
良い時間だもんな。
お前もお腹すくよな。
「すぐ戻ってくるからさ」
そういう事じゃないと言いたげなアスプの態度は申し訳ないけれど気付かないフリをした。