お手当て【詩】
ここで暮らしていくには
からだが重たくて重たくて
なかなかにしんどいの
だから引っ掻いてやったわ
そうしたら白い痕になって
半月ができたの、真昼の空に
お月さまの
傷になったところから
湯気がたったわ
雲につつまれて、わたしますます重たかった
見わたすかぎりの白だったわ
まわたのお布団
でもいつのまにか雲は尽きてしまったの
それでわたし、水にぬらしてラップをしたわ
ていねいに包んであげたら
きれいにもとどおりになった
けど夜になると月はしずんで
コップに落ちていった
お薬といっしょにぐいっと呑んだわ
そうして酔っぱらってねむってしまえば
朝がくるって、おへそのあたりで分かっているの
そうやってわたし耐えていたの
もちこたえていたの
2018年10月制作。