第4章 腕
「……何?奴らって…。」
何かは、はっきり分からないが嫌な予感がする。
こういう時の嫌な予感ほど当たるものだ。
背中に汗が伝うのが分かる。
スマートフォンを閉じて私はコンビニから出ると、急いで学校へと向かった。
しばらく走り続けて、やっと学校へ着いた。
いつもより、通学路が長く感じた。
やはり、学校も異様なほど静かだ…。
どこを見渡しても人影すら見えない。
兄は学校にいると言っていたが、本当なのかと心配になってくるが、とりあえず校内を探してみるしかない。
土足のまま校内へと入る。
「とりあえず、1階から探してみるか…。」
平日だというのに、校内は休日かのような静けさだ。
コツ、コツと廊下には自分の足音だけが響く。
これは、夜の学校より不気味に思えた。
しばらく進んでみる。
すると、足元に違和感を抱く。
なにか柔らかいものを踏んだような感触だ。
「……ん?」
ふと、足元に目を向けると、そこには
「きゃああああ!!!」
人間の右腕が落ちていた。
その場にへたり込み、腕を見つめた。
腕の切り口からは、おびただしい量の赤黒い血が出ている。
時間が経っているのか、血は固まっている。
その右腕は何かに噛まれたような痕がくっきりと残っていた。
「な、な、なん…」
上手く声が出ない。
一刻もその場から立ち去りたいが腰が抜けて立つことすらままならない。
すると、少し遠くの教室から人影が出てきた。
その人影はフラフラとこちらへ向かってきた。
人がいたんだ…!!よかった、助かった…。
そう思った。