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第2章 静寂
学校へ行く支度を終え、玄関へ向かう。
「いってきまーす!」
挨拶をし外へと出ると、そこにはいつも通りの日常…ではなく、いつもとは違う少し異様な光景だった。
「え…なに…?」
静かすぎる。
人の気配が全くしないのだ。
いつもここの住宅街を散歩しているお爺さんや、ランニングしているお姉さんも今日はいない。
それに、虫の声や鳥の鳴き声すらも聞こえない。
自分の息遣いが聞こえるほど静かだ。
何かがおかしい…。
直感的にそう感じた。
恐怖で冷や汗がこぼれ落ちる。
ふと、兄の顔が頭に浮かぶ。
「そうだ、お兄ちゃん…学校に行ってみればお兄ちゃんがいるかも…!」
不安ながらも、走って学校へと向かった。