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第1章 朝
ピリリリリリと無機質な機械音で目が覚める。
手探りでその音の原因を探し、少し乱暴に叩く。
時刻は7:05を指していた
「朝か…。」
寝ぼけ半分の頭でそう呟く。
重たい体を起こして、まだ寝ていたいという気持ちを振り払うため洗面所へと向かった。
洗面所で顔を洗い終えると、家の中が異様に静かなことに気がつく。
父と母は朝早くから仕事だからいないのは納得できるが、兄は朝食を作るため私よりも早く起きているはずだ。
「お兄ちゃーん?」
…………声をかけても返事が返ってこない。
「あれ?いないのかな?」
不思議に思いリビングへ向かうとテーブルの上に一人分の朝食がラップされて置いてあった。
そういえば、今日は生徒会の仕事があるから早めに出ると言っていたことを思い出す。
仕方がないので、今日は一人で朝食を食べる。
「ごちそうさまです。」
食べ終わったあと食器を片づけ、学校へ行く準備をした。