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第三十一話 私はNASAから向かった

-とあるNASAの会議室にて-



A「(コホン)では、今から新型スペースシャトル計画についての会議を開催する」


B「今日は定時で終わりますか、議長?」


C「静かにしろよ」


A「(コホン)まず、地上でも宇宙でも、人間にとって最も重要なあのことについて話し合いたいと思う」


B「どのことですか、議長?」


C「だから静かにしろよ! お前の大好きなあのことだよ!」


A「(コホン)そうだ、宇宙空間において必要不可欠だが危険極まりない行為、トイレについてだ」


B「ヒャッホゥ、今日は朝まで語り明かしましょうね、議長!」


C「定時に帰れよ!」


A「(コホン)話を続けるぞ。


 旧来のスペースシャトルでは、トイレの穴の大きさは、直径7㎝と定められていた。


 しかし、これはもう今の時代にはそぐわないのではないかという意見が医療スタッフより寄せられている」


B「そうですね、僕が個人的によく観賞する映像でも、7㎝ぐらいは余裕で入る人が多いですよ」


C「聞いてねえし!」


A「(コホン)確かに今の時代、以前よりも多くの人種が宇宙飛行士になっており、トイレ事情も大きく異なっている。


 それに、アポロ10号のような悲劇を繰り返してはならない」


B「悲劇じゃなくて喜劇の間違いじゃないですか、議長?」


C「……こればっかりはお前の言う通りかもしれん」


A「(コホン)そうだな、しかし当人達にとっては悲惨極まりなかったはずだ。


 あのアポロ10号の船内にう○こが漂った事件は、クルー達の和を乱し、お互いに責任をなすりつけ合う騒動になった。


 船長は『俺のはもう少しゆるいよ』なんて言って逃げるし、地球に帰還した時のインタビューは最悪で、『君は一週間トイレに閉じ込められた経験があるか?』とまで言いやがったんだぞ」


B「是非映画化して欲しいですね」


C「喜ぶのお前くらいだよ!」


A「(コホン)以上より、早急に現時点で、世界中で最も便の太い人間を探し出さねばならん」


B「ギネスに問い合わせましょうか?」


C「載ってねえよ!」


A「(コホン)まあ公式な記録は無いが、一般的には日本人は食物繊維を多く取る為、脂質を好む我々白人よりも便が太いと言われている」


B「ジャパニーズ・ウンタマロってやつですね!」


C「落ち着け!」


A「(コホン)そこでCIAに調査を依頼したところ、日本のX市にある精神科のクリニックで、毎朝トイレがつまってしまうというネタが報告された」


B「すげえなCIA!」


C「CIAってそんなことまで調べてくれるんだ……」


A「(コホン)我々も直接その情報を確かめる必要がある。


 というわけで、誰か現地へ行き、CIAと協力しながら真相を探り、もし極太う○こをする住人がいるなら、直接連れて来るか、その太さを計測して欲しい」


B「Oh,ミッション・インポッシブルってやつですね!」


C「トム・クルーズはう○この太さを測らねえよ!」


A「(コホン)誰か、適切だと思われる人物はいないか?」


B「残念ですが、僕は無理ですね。納豆アレルギーなんですよ」


C「食わなきゃいいだろ!」


A「(コホン)お前は心配だからむしろ行かせられん」


B「ハハ、ばれちゃいましたか。肛門を見ると抑えられませんからね」


C「もうやだこいつ! 


 お願いだからあっちに行って!」


A「(コホン)日本の事情に明るくて、隠密行動に長けていて、こんな汚れ仕事もやってくれそうな、そんなスタッフはいないか?」


B「あっ、一人だけうってつけな奴がいました! 


 あいつに行かせましょう、確かニッコーエドヴィレッジってところでNINJAの修行したっていうし、そんな日本の僻地じゃ宇宙飛行士の顔なんかろくに知らないだろうし、ミッション・スペシャリストだし丁度いいですよ!」


C「ミッションの意味違うだろ!」


A「(コホン)なるほど、あいつか……では、奴に一任するとしよう。


 異議はないか?」


B「異議なし」


C「なんか不安ですが、異議なし」


A「(コホン)よし、では次の議題に移るぞ……」


(アメイジング翻案・砂浜太郎)



「こんな怪文書みたいな議事録があるかあああああああ!」


 激怒した俺は、つい我を忘れて機密文書をビリビリに引き裂いた。

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