第百七十八話 カレー味のうんこの作り方 その2
前回までのあらすじ:昔々母親と二人暮らしの少年が外でこっそりア○ニーをしていた所を魔法使いを名乗る老人に見つかり女装喫茶にスカウトされる。悲しんだ母親は息子を取り戻す為店に行くもどれが息子かわからず美少年揃いなのでバブみとオネショタに目覚めすっかり入れ込み母乳も出てめでたしめでた
『違うわボケーっ!』
俺の叫びは自分の脳内にしか拡散せず、深淵へと消えて行った。
『コーホーコーホー(むう、すまん、これはワシが暇つぶしにグリム童話の「花に変えられた少年」を現代風にアレンジし、お前の脳内に一時保存しておいたものだった)』
『勝手に人の脳みそをゴミ箱扱いしないで! てか、もうちょっと詳しく説明してくれ!』
『コーホーコーホー(うむ、そういえば話の途中だったな。よかろう、心して聞くがよい)』
『……』
俺は心の口を引き結び、唾を飲み込んだ。
『コーホーコーホー(さて、人間の味覚というものは、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味のたった五種類しかないが、これはそれぞれに対応する味覚受容体で決定されるためだ。つまり受容体の種類が五つしかないため、味も同数しか存在しない)』
『……は?』
『コーホーコーホー(まあ、お前が疑問に思うのも無理はないが質問は今しばらく待て。人間は五種類どころか様々な物の味を区別でき、味わっているじゃないかと反論したいのだろう。しかしそれは、味覚以外の情報、つまり臭覚や触覚に由来するところが大きいのだ)』
『いや、あのですね……』
『コーホーコーホー(だから待てというに。実は臭覚受容体はヒトは396種類も存在し、しかもそれぞれが一つずつの匂いに反応するわけではなく、似たような構造のものに反応する。つまり膨大な臭いの違いこそが味の違いを決定していると言っていいかもしれん。だから風邪をひいた時は味がよくわからなくなるわけだな。つまり、これらのことを総合して考えると、カレー味のうんこを作るのは意外と簡単だということがお前にもわかるだろう。まず、肛門にカレー粉をなすりつけて臭いをよく付けた後、消化の悪い非常に辛い物を食べ……)』
『だーっ! おげえええええええーっ!』
俺は自分の脳内で激しい嘔気を覚えたが、当然のことながら物理的に吐くことは叶わなかった。
「太郎! ボケーッとしとらんと、とっとと司令を運んで外に出るぞ!いざ出陣や! やまやまちんちころうや!」
俺が悶絶している間に、高峰と名乗る、鬼を滅する漫画に出てきそうな猪突猛進のイノシシ頭の女性が何時の間にやら全裸の角刈り男の両腕をずりずりと引っ張り、廊下を後ろ向きで進んでいく。
記憶の中の俺は慌てて男の毛深い両脚を引っ掴み、彼女の手助けをした。
「おっ、サンキューな! 花音ちゃんは連結帯と座薬がハイエースの中にしまってあるんで、先に行って用意してきてくれんか?」
「アイアイサー!」
おかっぱ頭の女の子が脱兎の如く俺の脇をすり抜け、階下に向かって一段飛ばしで階段を駆け下りて行った。
話がほとんど進まずすいません!
次回も三週間後ぐらいに更新出来たらいいなと思います!では、また。




