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第百七十二話 閑話休題その11 幼稚園に行こう!(後編)

前回までのあらすじ:ついにボニュー特戦隊に揉みくちゃにされてしまったベ自慰タ!「もっとビシッとしたテクはないのか? ないんならそろそろオネショタしちゃうけどいいのか?」と優しく迫る人妻集団に対し「このオレがまるで赤ん坊扱いだ……バブバブ」と嘆くベ自慰タ! 果たしてバブみに目覚めるのか? オラなんだかワクワクしてき


「違うわボケーっ!」


「パパ、深呼吸! 吸気1に対し呼気2!」


「あら砂浜太郎様、花音ちゃん、お久しぶりでございます。つつがなくお過ごしでしたか?」


「ウガアアアアーッ!」


「くも膜下出血! クモノコチラス! プリプリマン!」


 なんと、突如俺たちの前に現れたのは、車椅子に座り、リアルな蜘蛛のマスクを頭に被った異形の存在だった。


 どう見ても、「オカマSMクラブ・触りパーク」の支配人にして羊女の義理の親こと、タランチェラ女に間違いない。


 彼女……じゃなかった彼は、なぜか普段の赤いドレスではなく、青い車掌の制服と制帽を身に纏い、空き地に停車している機関車の中からこちらを覗いていた。


 ちなみに機関車の後ろには古い車両も一台くっついており、異様な存在感を周囲に撒き散らしていた。


「ちなみに筒がないといってもオ○ホが必要ないという意味ではございませんことよ、ホホホホ」


「んなこたどーでもえーわ! てかなんであんたみたいな危険人物が白昼堂々こんな所にいるんだよ!? 俺はここに幼稚園があるっていうんで見学に来たんだよ!」


 ポルテから降り立った俺は、怪人物に向かって遠慮呵責なく吠え立てた。


「なんでと言われましても、ここも私の経営する物件の一つだからでございます。仰る通り、こちらはいわゆる幼稚園的な施設ですわよ」


「いやそれどう見ても汽車だよね!? そして何故あんたが幼稚園を経営してんだよ!?」


 そろそろ突っ込みが追い付かなくなってきた俺は、いささか過呼吸気味になった。


「あらあら、砂浜様は、かの有名な黒柳◯子様をご存知ないのですか?」


「えーっと確か『千と○尋の神隠し』に出ていたっけ?」


「あの婆は似ているけれど違います。これは彼女の著作の『窓◯わのトットちゃん』に出て来る話ですが、トットちゃんが入ったトモエ学園とは、廃車になった電車を利用した極めてユニークな学校だったんですのよ。私はそれを読んで感動し、機関車を再利用した施設を造った、というわけです。とりあえず、中に上がって下さい。一見は百聞に如かず、と申しますから」


「はあ……」


 流れるように滑らかなタランチェラ女の説明に、いつの間にやら無理矢理納得させられた俺は、機関車の屋根によじ登りそうになる愛娘を引きずりおろすと、誘導されるまま土足で客車にお邪魔した。


「今日はーって、ぎゃあああああああああああーっ!」


 俺は本日何回目になるかもはやわからない叫び声を上げた。


 セピア色で統一されたレトロ調の広い車内には、なぜか大の大人の男たちが、幼稚園児の着るような青いスモック(ただし大人サイズ)を着て黄色い帽子を被り、涎を垂らしながら思い思いの格好で座席にだらしなく寝転がっていた。


 何故か足元にはエロ本やエロ漫画が転がっている。


「なんなんだよ、こいつらは!?」


「だから言ったではありませんか。ここはいわゆる『幼稚園的な施設』だと。彼らはいわゆるおギャリに来た、当園の園児的存在でございます」


 あたかも次の停車駅でも述べるかのように、おぞましい車掌が淡々と解説を続ける。


「園児だったら、なんでエロ本なんか読んでんだよ!?」


「そろそろ食事の時間だからです」


「だから何故!?」


「いいですか、砂浜さん。先ほどの『窓ぎ◯のトットちゃん』に話を戻しますが、トモエ学園の園長先生は、児童たちの栄養が偏るのを心配され、昼食時間になると、子供たちのお弁当を覗いて回りました。そして、魚介類系のおかずが不足している子供には、『海!』と言って海産物を、また、野菜や肉類が足りない場合には、『山!』と言って陸上で捕れる物をわざわざ補ってくれたそうです。私もその方法を取り入れてみたのですよ」


「言っている意味が何一つわからない!」


「ですからそこでよく見ていてください」


 俺の理解を越えたモンスターは、一番近くの座席に座ってロリ系のエロ本にぼんやり目を落としている、脂ぎったデブオヤジに近寄ると、すぐさま、「山!」と一括した。


 すると、いつの間にか奴の傍らにいた、馬の頭を被り、保育士の格好をした男が、手に提げたエコバックから一冊の巨乳系エロ本を取り出し、ハンプティ・ダンプティに似たオヤジの足元に放り投げた。


「バブーッ!」と、おしゃぶりをくわえた、一時的に幼児退行したと思われるその生物は喃語を発すると、そのエロ本に飛びついた。


「どうです、画期的な教育法でございましょう? 不足している栄養素を、こうやって補充して差し上げるわけですのよ」


「おかずの意味が違うわあああああーっ!」


 俺の絶叫は、無限軌道の如く宇宙の果てまで響き渡った。

最近また足の状態が悪化しており、誠に申し訳ありませんが次回は一か月後の更新になります。すいません!では、また。

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