第百六十六話 星の…… その5
「うーん、確かに前よりはだいぶマシになったけれど、このカリ部分がエラが立ち過ぎて、ちょっと気持ち悪いんだよねー、ボツ!」
「こんなに尖っていたら、これじゃネコ科の動物のドリルち〇こだよ! すっごく痛いよ、これ! ボツ!」
「こんなクェス・パ◯ヤのおち〇こ、僕舐めないよ! ボツ!」
傲慢極まる少女の口からは時々どこぞの監督のような罵声まで飛び出す始末で、まったく進展がなかった。
俺の禿げと胃痛と頭痛は、慢性的な暑さのせいもあって、加速度的に悪化してきた。
「っていうかこれ以上どうしろっつーんだよ!? スケッチブックの残りページもそんなにないぞ!」
「そうだね、それじゃ砂漠の上に直に描いてみるっていうのはどお?」
「嫌だよそんなナスカの地上絵!」
「大丈夫大丈夫、巻き糞をしている人の地上絵だってあったんだから」
「それベンキマンのエピソードに出てきた無理矢理トンでも古代仮説だろーが!」
ヒートアップしてきた俺は、思わず絵筆を地上に叩きつけそうになった。
しかしいったいどうすれば、このボツボツボツボツボツリヌス菌地獄から解放されるというのだ!?
ち◯こが時計の文字盤のごとく12方向から突き出してBUKKAKEている絵や、ち◯こフェンシングしている絵や、オネショタでショタのち◯こがやけにでっかい絵など、いろいろと創意工夫を凝らしてみたのだが、未だにゴーサインが出ないところから鑑みるに、斜め上方向の、別のアプローチから攻略する必要があるのかもしれない。
助けてえろい人!
「コーホーコーホー」
「相変わらず何言ってるかわからねえ! てかこれ以上出てこないで!」
「コーホーコーホー(筆談で)『良いか太郎よ、弘法筆を選ばずということわざがあるが、かの弘法大師こと空海は、唐の国から日本に男色を持ち込んだ人物ともいわれており、この二つのことを混ぜ合わせると、非常に恐ろしい結論が導き出せると思わんか?』」
「もうやめて、お願いだから!」
「コーホーコーホー(筆談で)『更に、弘法も筆の誤りということわざもあるが、ハードゲイも真っ青の彼も、時には……』」
「もうええっちゅうねん!」
「コーホーコーホー(筆談で)『ここからが肝心なのだ、太郎よ。こういう生命の危険も顧みない蛮勇溢れる行為に及ぶ時、未然に様々な業病の感染を予防するためには、どうすれば良い? よく考えてみるのだ。では、さらばじゃ……』」
「ぐがあああああーっ! 悪霊退散ーっ! インドの蕎麦屋ーっ!」
「さっきから何を一人で絶叫しているのさ、穴が血おじさん?」
邪悪な幻覚(?)に苦しみうめく俺に、ホシノが冷静に突っ込みを入れてくる。
元はと言えば、こいつのクソ依頼のせいだというのに……。
ん!?
「そ、そうか!」
俺は突如、素晴らしい解決策に思い至った。