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第百五十三話 あのエロクイズ問題、確かは○たいら氏しか正解しませんでしたよね

 人は、ピンチに陥った時、どうやって切り抜けるのだろうか?


 例えば、「あァァァんまりだアアアア」と感情を露わにして号泣したり、自ら両目を潰したり、熟女の脚をウィンウィンと撫でたり(これは違うか)して、気分をスイッチングして気持ちを新たに切り替えるという手段を取る者達もいる。


 また、とある女神の聖闘士で、男性のくせに長髪なのでアニメーター達に忌み嫌われていたという気の毒な入れ墨男は、新たな敵に会うたびに、「そういえば、かつて老師に聞いたことがある……」と、非常に都合のいい助言を思い出すくせがあった(ちなみにかつて俺は、TSした彼が鋼鉄聖闘士どもに輪姦される同人誌を間違えて購入し、鬱になったトラウマがあるが、どうでもいいですね)。


 というわけで、迫り来る生命の危機に及んで、俺は、以前彼に倣って自らエンジェルズ・エプロンを解除した時のように、再び彼と同じ方法を取ることにした。


 つまり、老師……じゃなかった、師と呼ぶのもおぞましいが、一応俺の師匠であるア○ル探偵の、有り難い教えを急遽思い出したのである。



「コーホーコーホー」


「何言ってるかわからねえ!」


「コーホーコーホー(筆談で)『良いか太郎よ、故事に曰く、昔三人の男が、一般的に男性として重要なこと、即ち理想のおっぱいについて議論を交わした』」


「よくその文献焚書されなかったですね!」


「コーホーコーホー(筆談で)『一人目曰く、《俺はやっぱり王道のお椀型が大好きだぜ! ヤンマガで言うならこばやしひよこかな?》


 二人目曰く、《いやいや、そんな凡庸な乳では我輩は満足出来ませぬぞ! 我輩の好みはげげらっぱいの如き洋梨型ですな。パフィーニップルも良いものですぞ》


 而して三人目曰く、《皆さん贅沢だなあ。僕は柔らかければそれでいいや》


 さて太郎よ、この話の落ちはわかるか?』」


「欠片もわからねえよ!」


「コーホーコーホー(筆談で)『仕方がない奴だな。もっと脳みそを柔らかくしなければならんぞ。では、正解はCMの後で……』」


「ああ、待って! 勝手にフェードアウトしないでクソ師匠!」



 というわけで、勝手に強制終了した回想の中から、強引にヒントを割り出した俺は、胃の中で洗浄される間際のヘリコバクター・ピロリ菌の如き我が立場に立ち返った。


 今や赤黒い壁は四方から異物の俺を圧殺せんと寸前まで迫ってきており、一刻の猶予もなかった。


 俺は心を落ち着かせると、三度精神集中し、手のひらに気を集める。なんかだんだんコツがわかってきたのが自分でも怖いけど。


 ようやく顕現したその物体は、灰白色の、プリンのように柔らかな、ウネウネと入り組んだ溝が走るメロンパンサイズの物体……つまり、人間の脳みそだった。


 俺はそいつを崩さないようにそっと頭上に掲げると、「カレンデバイス(仮)!」と雄叫びを上げて目の前の壁面めがけて投げつけた。


 反応は速やかに現れた。壁を形成する赤と黒の渦が見る間に直線と化して動きが止まったかと思うと、凄まじい悲鳴のようなものがどこか遠くで響き、まるで地震計の記録図のように激しく波打ち始めた。


 ついに、待ち望んだビッグウェーブ・稲村ジェーンが到来したのだ。


 俺はホッと胸をなで下ろす。


 思えば単純明快な答えだった。


 司令の最大のトラウマは、尿道へのストロー挿入や地獄のサルミアッキなどではなく、もっと精神的なものだった、と言うわけだ。


「コーホーコーホー(筆談で)『ちなみに三人目が柔らかければいいと言ったわけは、《いろんな形になるから》じゃ。昔のクイズ番組はフリーダムで良かったのう、太郎よ……』」


「いや、もう割り込み回想は要らないから!」


「なにぶつくさほざいとるんや、太郎! とっとと飛び込まんかい!」


「は、そうだった。よくわからないけど、やってみます!」


 我に返った俺は、不格好ながらも、気持ち悪い色の波に向かってダイブした。

お久しぶりです!大変間が空いて申し訳ございません!すいませんが次回もいつかは未定ですが頑張ります!

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