第百四十五話 金◯駅に行って浅野川線を見ると天野めぐみを思い出して興奮しますね
『あ~ら、あれが噂のリンちゃんの彼女の蘭布ちゃんね。やっぱ若いと内臓まで色艶良くってつやつたね~。頬擦りしたいくらいよ』
ガラスドームの上空に鎮座しながら不動の状態の子宮に対し、カマ羊が狂った発言をする。
「サイコ的感想はいいから、とっととウロ・シュートを決めろ! あまり動き回っていない今がチャンスだ!」
『でもリンちゃん、本当にやっちゃっていいの?』
傍若無人な畜生が、珍しく仲間を気遣うコメントを発する。
『……正直言うと複雑な気分ですが、事ここに至っては致し方ありません。
出来ることなら僕自身がぶっかけてあげたいのですが、早いもの勝ちですし、潔くやっちゃってください』
『わかったわ! とっくに準備済みよ! それいけ、ウロ・シュート!』
いつの間に挿入していたのか、OTに突き刺さったゴムの管を銃の如く構えた羊女が、筒先をこちらに気付いている様子のない蘭布ちゃんに向ける。
途端に毎度おなじみゴールデンシャワーが慈雨の如くむき出しの子宮に降り注ぐ。
いつも思うが本当にひどい絵面だ。特に今回はシャワーの先に会長の下半身まであるのが輪をかけて地獄絵図だ。もう少しなんとかならないもんだろうか?
「ま、いろいろあったけれど、とにかくこれで一件落着だな。安らかに眠れよ……ん!?」
脳裏に去来する様々なハーブな出来事を思い返しながら羊女と同調させた視線で眺めていた俺は、ただならぬ異常事態に気づき、思わず目を見張った。
いつもだったら「jgたysるあrbきyfj」などとよくわからん呻き声を上げてたちどころに消失していくはずのエロンゲーションが、今日に限って全くそんな素振りを見せず、平気で空中に浮かんだままなのだ。
おかしい。明らかにウロ・シュートは命中していたが……なんか違うものでも発射しちゃったわけじゃあるまいな? でも色はちゃんと黄色だったし……。
『太郎ちゃん! ドラアイアイになるくらい目ん玉かっぽじって蘭布ちゃんをよーっく見て!』
「ん、どうした羊女? 言われなくてもさっきからずーっと見つめているけど……」
『表面よ、表面!』
バカ羊に耳元でガンガンうるさく怒鳴られたため、俺はしぶしぶ画面を拡大モードにしてみる。
さて、よくよく目を凝らすと、なんと子宮の表面全体に滝のように粘液が流れており、まるで薄い水の膜を張ったようになっていた。
確かにこれは倍率を上げないとわかりにくいだろう。卵管かどこかから流出しているのかもしれない。
「な、なんだこりゃ?」
『この水流のせいで、せっかくあたしのBUKKAKEたお小便が皆流れ落ちちゃってんのよ! 小便臭い小娘かと侮っていたら意外とやるわね! 小便漏らしちゃうかと思ったわ!』
「小便小便うるさいわこの汚言羊め! しかしよくわかったな」
罵倒しつつも一応褒めてやる。これぞ部下を上手く使う方法だ。
『あたしってば目と声は良いのよ〜って、きゃあっ!』
「ど、どうした小便羊!?」
何か思いもよらぬ出来事が生じた模様だ。俺は慌てて画面を縮小させ、元に戻す。
なんと、蘭布ちゃんの卵管のうちの一本がまるで植物の蔓のように羊女とOBSに絡みついており、ギリギリと締め上げていた。画面が地震のように縦や横に揺れ動き、俺の吐き気が増悪する。
蘭布ちゃん(羊曰く小便臭い小娘)の表面は心なしか赤味が増しており、俺にはまるで彼女が激怒しているかのように思われた。
「おい、早く脱出しろ!」
『力が強すぎて無理よ! エンジェルズ・エプロンは展開しているんだけど、このまま締め付けがじわじわとくるとちょっとヤバいわね。
あたしってば、縛るのは好きだけど縛られるのは慣れてないのよ!』
「聞いてねえ! とにかく自力でなんとかせい!」
『出来ないわよ! プリンセス・チンコーに変身でもしない限り!』
「どんなふたなり姫だよそいつは!」
『ゲボオっ!』
バカなことばかり交信している最中、突如視界の振動が激しさを増し、ノイズが入り乱れ、雨が降ったみたいにジャミジャミになった。
「なんだこりゃ!? 電波障害か!?」
テレビよろしくヘルメットの頭頂部を上からコンコン叩くも欠片も直らない、って当たり前か。
『ら、蘭布ちゃんの卵子爆弾を超至近距離であたしとOBSの肛門に直打ち連打されちゃったの……ああああああんっ!』
「はああああ!?」
羊女の悲鳴とも嬌声ともなんとも言い難い呻き声がフルヘルメット内を蹂躙する。
俺は、就任早々司令を辞めたくなってきた。