表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
103/190

第百話 閑話休題その6 バス爺さん×2

ー6月某日、高峰クリニックにてー



「花音、早くベッドに来なさい! お泊まり会で楽しいのはわかるけどうるさいしもう寝るよ!」


「いやあ、花音ちゃんがよくお泊まりに来てくれるようになって、賑やかで嬉しいですよ、僕は」


「パパ! 昔話! ラブクラフト!」


「クトゥルーは昔話じゃないでしょ! ったく」


「じゃあ今日は、特別に僕が創作昔話をしてあげるよ、花音ちゃん!」


「ブラボー! どっとはらい! いちがさけた!」


「そりゃありがたいけど、出来るのか、竜胆君?」


「お任せください、こう見えても漫画家の端くれですよ、エロ漫画ですけど。


 昔々、鳥取県鳥取市に、心優しいお爺さんといじわるなお爺さんが隣同士で住んでいました。


 性格は正反対でしたが、二人とも年齢の割に性欲が旺盛だったので、性的にボノボな関係を保っていました」


「ペ○スフェンシング! ホカホカ! 新世界より!」


「既に意味がよくわからない!」


「ある日優しいお爺さんはグループホームのデイサービスがお休みで、日課の女性職員のお尻タッチが出来ず欲求不満になったので、砂丘温泉ふれあい会館に行って、ときたま入浴する幼女の裸でも拝もうと、『砂丘バス』に乗りました」


「そいつは本当に心優しいのかよ!?」


「バスに乗ったお爺さんは、白人男性が車掌に話しているところを目撃しました。


 どうやらその外人は、『ガイナックスハココデデキルンデスカー? ワタシキョジョダイスキデース! ツイデニモグナミモダイコウブツデース!』などとふざけたことを英語でぬかしていましたが、年老いた運転手さんには二重の意味でわかるわけもなく、困惑している模様でした」


「そもそも当時鳥取でリアルタイムで放送していなかっただろうしね……」


「そこでお爺さんは勇気と優しさを振り絞り、そのファンキーナードヤンキーに、『ガイナックスは確かに鳥取県米子市の方言で“大きい”を意味する“がいな”が名前の由来ですが、別に巨女とのセックスを表す隠語ではないんですよ、残念ですが。ちなみに私もコミックアンリアルを毎号購入しております』


 と英語で懇切丁寧に説明したところ、ようやく納得されたようで、手を振ってバスを降り、何を勘違いしたのか米子市方面に向けてヒッチハイクしていきました」


「……いい話、なのか?」


「なかよひ! MMD! ローマ兵!」


「さてお爺さんが温泉につかって幼女との出会いの物語が解放され、目的も果たして満足し家に帰ってシコって就寝したところ、トントンと戸口を叩く音が聞こえました。


 お爺さんの家は○HKの集金を恐れてインターホンを取り外してあったのです」


「……身につまされる話だ」


「というわけで寝たふりを決め込もうと思いましたが、そのうちノック音に、『ブッブー!』とクラクションまで混じり出したため、興味が出てきて飛び起き、ドアののぞき窓からそっと外を見ると、なんと昼間乗ったバスがそこにいたのです!」


「バスどうやってノックしたあああ!?」


「恐怖を感じたお爺さんでしたが、ドアを突き破って突入されても修理代が馬鹿にならないので、嫌々鍵を開けると、なんとバスが、『お爺さん、昼間はどうもありがとうございます。私もあの腐れヤンキーには辟易しておりました。お礼に私の処女を捧げます』と言ってきたのです」


「恩返しモノかよ! 運転手の方は来なくていいのかよ!? てか処女ってどういうこと!?」


「今まで鶏だの山羊だのエイだの、ありとあらゆる動物や、コンニャクだの心太だのカップ麺だのうどん玉だのスクイーズだの、ありとあらゆる無機物と逢瀬を重ねた性豪のお爺さんでしたが、さすがにバスといたしたことはなく、躊躇しました。


 しかしバスは、『いえ、大丈夫です。最近海外では車×ドラゴンが市民権を得ていると伝え聞きますし、私は凄いテクニシャンなんですよ。だって砂丘バス、つまりはサキュウバス=サキュバスってことですから!』と言い張りました」


「ちょっと無理があるよそのギャグ!」


「夢魔! 春野恵! 憂鬱くん!」


「それを聞いたお爺さんはつい納得し、バスとめくるめく一夜を体験し、すっかり精根尽き果ててしまいました。


 どうやったかは文献に残されてないので深く突っ込まないで下さい。多分マフラーあたりじゃないかと思いますけど。あそこってよく水垂れてますしね」


「別に突っ込まないから余計な推測すんなよ!」


「しかしあまりにも衰弱してしまったため、お爺さんはその日から寝込んでしまい、数日後にとうとう亡くなりました。


 でも、お見舞いに来てその話を聞いた隣のいじわる爺さんはとても羨ましくなり、自分も是非そんな体験がしたいと思い、バス停に向かいました」


「羨ましいのかよ! 勘弁してくれ!」


「もうちょっとで終わりますって。さて、お爺さんはバスに乗りましたが、それは砂丘バスではなく、京浜急行バスの東京行きバスでした。ちなみにキャメル号っていうんですけどね。


 お爺さんはたまに秋葉原に買い出しに行くのを老後の楽しみにしていたのです。


 そしてお爺さんは、高速バスで隣の席に寝ている女性にこっそりタッチするのも大好きでした」


「おい!(怒)」


「長い! 眠い! はよ終われ!」


「あと少しですって。さて、お爺さんが東京観光を堪能して鳥取に帰り、戦利品のエロフィギュアにぶっかけた後就寝しようとすると、トントンと戸口を叩く音とクラクションが聞こえました。お爺さんの家も○HKの集金を恐れて……」


「そこはわかったから次へ!」


「はいはい、お爺さんは玄関にダッシュしドアを開けたところ、案の定今日乗ったバスがそこにいました。


 そしてバスはお爺さんが何か言う前に、彼にのしかかってきて、こう叫びました。


『毎回毎回痴漢行為しやがってこの糞ジジイが! 今日は徹底的に犯してやるぜ! 俺は東京行きバス、つまりはイキバス=インキュバスってことだからな!』」


「すっっっっげえ無理があるよそのギャグ!」


「ZZZ……」

というわけで、記念すべき百話なので特別篇としましたが、誠にすいませんが、またもや一週間お休みさせて下さい。

次回は1月28日更新再開予定です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ