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泣くな!僕と変な仲間たち  作者: やまわさび
2/2

俺に味方はいない。

「おい遅刻だぞ。もう入学式終わってるぞ。」

「すみません、警察の人たちと楽しいお話をしていたら遅れてしまいました。」

僕はズボンを履かず道のど真ん中にいたため、警察の人とそれは涙が出るほど楽しいお話をした。

「あの人道の真ん中で変な格好してた人じゃない?」

くそっ、やっぱりクラスの人に見られていたか。

「あー知ってる知ってる。道で裸になってどじょうすくいをしながら明石家さくまのモノマネしてたんだってー。」

「いや、してないよー。僕のモノマネのレパートリーの中にはビートたけじと福川雅治しかないんだよ。」

「その前に裸じゃなかったことを否定しないと。」

そうだそうだ、忘れてた・・・

!?

この声はまさか!

「一緒のクラスになったね。拓也。」

この甘いイケメンボイスにいい匂い、そして、

「きゃーーこっち向いテーー。」

「私と付き合ってーーー。」

「ハァハァー、こっちに来なーい、一緒に遊びましょー。」

この黄色い声援。

「浦島 桃太郎!」

「フルネームで呼ぶのはやめてとあれだけ行ったのに、わざとなの?ねぇわざとなの?」

おっと、ついつい口が滑ってしまった。決して黄色い声援が羨ましかったわけでわないんだよ。本当に。

「おいいつまでしゃべってんた。早く座れ有馬。」

ちなみに有馬は僕の苗字です。

「それじゃ、全員揃ったので自己紹介から始める。まずは名前と出身中学とあとは何個か自分を紹介できることを言ってくれ。最初は有馬から。」

早速僕の番からか。

著しく好感度が下がったから、この自己紹介でなんとかクラスのみんなからの好感度を上げないと。

だが僕にはみんなの好感度を上げる策がある。

フフフ、みとけよ。

「みんな、僕は有馬 拓也。高砂中出身です。みんなは少し僕に悪いイメージを持っているかもしれないけどそれは間違いなんだ。僕は泣いている女子小学生を慰めたり、遊園地で迷子になっている女子小学生の親を一緒に探したり、怪我をしていた女子小学生の手当てをしたりしている紳士なんだ。何か困っていることがあったらなんでも言ってね。」

決まった。

これで《拓也くんって優しいのね。見直しちゃったー》となり好感度はうなぎ登り。女子にはモテモテ。

これでバラ色の高校生活が・・・

「いやー、ロリコンよロリコン。」

「みんなこいつに近づくな!ロリコンになっちまうぞ、。」

「こ、こいつはあの何人もの小学生をパックンチョしたと言われる《ロリ大魔神》ではないか!?」

誰がロリ大魔神だ。

なんでこうなるの?

もうだめだ。あはは、僕の高校生活が終わったなー。

明日から毎日スポッチャに行こう・・・一人で。

そのときだった。

「みんなそれは違う。拓也はそんなやつじゃない。」

もっ桃太郎。

お前はなんていいやつなんだ。

中学のときも優しかったしなー。

「拓也はいつも女子小学生を見てニヤついているし、コンビニのエロ本コーナーに5時間もいたり、中学校の女子全員のスリーサイズをメモしてたりしているけどこいつはなんかいいやつだと思うんだよ。・・・多分。」

「待て待てー、それだとただの変態ロリ大魔人じゃないか。」

そういえばこいつが「拓也はロリコンじゃない!女だったら誰でもいいんだ!」と言ったせいで、中学のときほとんどの女子から嫌われてしまった。その代わりこいつの人気が高まったんだ。

「もうどうにでもなれ。僕の好感度はこれ以上下がらない。ということは何をやってもいいってことだね。ヒャッハーーーー」

僕は飛んだ。

僕の好感度を下げた桃太郎に襲いかかるため。

はぁー楽しい高校生活を夢見ていたのに。

友達と一緒にカラオケ行ったり、

彼女を作っていちゃいちゃしたかったなー。

イチャイチャシタカッタ。

イチャイチャ・・・

いや、今は桃太郎の息の根を止めるのに集中だ。

僕は正確にシャーペンの先を桃太郎の首元にとらえた。

いける。

「フッ無理だな。」

何を余裕でいるんだ桃太郎。お前の命はあと数秒だぞ。

「あっ、あそこにスカートがめくれている女の子が。」

なにっ、

「なんだと。」

「どのこだ!」

クラスの全員の男子が振り向いた。

だが、そこにいたのはもうすぐ還暦を迎えそうなおばあちゃん先生が風でなびいたスカートを抑えていた。

「クソババァーじゃないかー。あんなのみせやがってゆるさない・・・!」

「うわー、目がメガーー」

「茶色パンツが頭から離れない。」

「誰か、代わりにパンツを見せてくれないか!」

くそっ、騙された。

「よそ見はだめだよ。」

しまった。

僕の首元にはボールペンが突きつけられていた。

「フッ、僕の負けだ。」

やっぱりすごいな桃太郎は。

「また戦おう!」

僕たちは固い握手をした。

友情って素晴らしい。

「拓也、左手にカッターを持つなはやめないか?」

友情は素晴らしい。だが桃太郎は友ではない。

ただの敵。

「お前たちは仲がいいな。」

そういうと先生が僕たちの頭を掴み、

「二人一緒に生徒指導室で楽しいお話をしようか。」

「「お断りします。」」

「遠慮はいらないぞ。」


そのあとの記憶はなかったが近くに倒れていた桃太郎の耳元で《おばちゃんの茶色いパンツ》と言い続けた。

存分に苦しむがいい。

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