授業サバイバル
ある日、大学の授業中だった。
教授の話が淡々としたリズムで続くので、私を含む半数の生徒が睡魔との戦いを余儀なくされていた。
「ねみー」と、友人の田中浩があくびをかみ殺した。
「もうちょっとメリハリがついていたらいいんだけどね。ふわぁ」と、私もあくびがうつりながら答える。
いつものとおりこの苦行が時間一杯まで続くと思われた、そのとき。
教授が教壇の中をがさごそと探り、ジャキンと「それ」を構えた。
「こらー、寝るな!!」
何を隠そう、「それ」はライフル銃だった。
教授が寝るなと叫びながら、ライフル銃を乱射する。
ドヴァッ。
私たちの横にいた人に弾が当たり、血しぶきをあげた。
「ちょっと、大丈夫!?」
私たちはその人を助けようと近くに急いだ。
すると。
「いてて。何するんすか、教授!」
と、その人がふらふら立ち上がりながら口をきいた。
なんと、血だと思ったそれは赤色の塗料だった。
「人が一生懸命調べものをして、時間を割いて授業をしているのに、寝ているとは何事だ!」と、教授が叫ぶ。
「教授がそのつもりなら、こっちだってやるっす」
そのひとがベタッと教授に、自分に付いた血のりを「おすそわけ」した。
その後、私たちの授業は赤のペイント祭りとなった。