side-B 交わる心
あの後、私の満身創痍な姿に気付いた彼は慌てて着替えと食事を用意し、医者を連れてきた。
彼は私の為に空き部屋を用意すると、絶対安静を言い渡して工房に降りていった。
ふっと目を開けると、目の前には食事の準備した彼の姿があった。
どうやら私は寝ていたらしい。気付けば窓の外は暗くなっていた。
「相変わらず料理の腕は三流だな。」
そう言って微笑む私に「うるさい」と言って微笑み返すあなた。
食事も終わり、柔らかな時間が流れる中、あなたはそれを差し出した。
「その、なんだ。蹄鉄の返事だ。」
その小箱を開けてみると、中には銀色に輝く指輪が入っていた。
驚きのあまりに言葉も紡げない私に対して、あなたは真っ赤な顔を横に向けたまま言葉を続ける。
「その、あれだ。こんな俺で良ければ、だな。一緒に…」
そんな彼の言葉を聞き終える前に、私は彼の唇を防いだ。
驚く彼の首に腕を回すと、私は更に唇を押し付ける。
***
名残惜しい気持ちを抑えてあなたから離れると、私は念のために確認する。
種族が違うこと。
生まれが違うこと。
本当にそれでも構わないのかと問い掛けると、あなたは「お前が良いんだ」と言い切って顔を近付けてくる。
再び触れ合う唇。けれどそれはさっきよりも情熱的で。
気付けば私の背中に腕が回されていて、あなたの本気さが、温もりと共に伝わってきた。
二人の鼓動すら響き渡るような静かな夜の帳の中、二つの音が一つに重なる。




