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エルファーディア空戦録(仮称)   作者: もけみ〜
これから進むべき道
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これから進むべき道 そのろく

話の流れ上、「ミレーヌからの視点」を入れさせて頂きます。

 ~~ミレーヌからの視点~~



 僕はミレーヌ。ミレーヌ・ウッドブラス。高速浮空艇トルピード級『オーグル』勤務の何でも屋だよ。残念ながら『オーグル』は大破着底して放棄しちゃったけど・・・。


 僕が『オーグル』に乗る事になったキッカケは、僕の住んでた浮空島がにっくきトロルの『傭兵王ギガントス』に占拠されちゃって、命からがら逃げ出した事が発端ほったんなんだ。

 それまでは『浮空都市サルピヤ』で腕の良い魔導師まどうし父様とうさまと『サルピヤ』の守備隊長だった魔法士まほうし母様かあさまと仲良く暮らしてたんだ。

 家族や幼馴染はんな殺されちゃった・・・。父様とうさま母様かあさまは僕達非戦闘員を逃がす為に『ギガントス』に立ち向かって行った・・・後から聞いた話だと、歯向かった人達は皆殺しにされたらしい・・・。

 どんなに相手が強くても、やっぱりやられっぱなしってしゃくさわるじゃない?その時にお世話になってた『オーグル』で、浮空艇の保守要員を募集してたから飛びついたって訳なんだ。

 最初は復讐心に燃えてたけど、浮空艇はとっても楽しい遊び場だね。夜空は綺麗だし、空気は美味しいし、みんな楽しい人ばかりで毎日が飽きないや。


 一番飽きが来ないのは異世界人の『ジンちゃん』だけどね。

 彼の発想というか思考はとても斬新ざんしんで面白い。一度頭の中を覗いてみたいよねぇ・・・どうなってるんだろ?

 『れいふーき』や『おんぷうひーたー』なんて面白い組み合わせをするものだと心底思うよ。元々『灼熱武器ヒートウェポン』や『氷柱槍アイシクルエッジ』の単体使用はされてたんだけどね、『灼熱武器ヒートウェポン』は料理するときに重宝する魔法だし。でも、まさか『大気操作エアーコントロール』と組み合わせるとか・・・一本取られちゃったよ的な発想だよね。

 食器を洗うための道具『しょくせんき』の時も、まさかあの様な組み合わせをするとはねぇ・・・異世界の技術とか言ってたけど、あの様なのが溢れてるのなら一度行ってみたいと心から思うよ。


 『ジンちゃん』は初めて会った時、余り期待せずに「また来てね~」って言ったのに、脚繁あししげに通ってくれて、とても嬉しかったよなぁ。何か物を作るのが本当に楽しいみたいで、ようやく『仲間が出来た』って思ったもんね。『オーグル』の人達はんなガサツで直情径行過ぎて、壊すのは得意でも作るのは不得手な人達ばかりだったもんね。おかげで楽しい毎日だったよ。

 あの時も「新しい浮空艇の構想を思いついた!」と言ってから、暇な時に通ってくれて楽しい時間だったよなぁ。まさか、あの様な使い方をするとは・・・ホント、頭の中を開いて見てみたいよ。

 試行錯誤しながら何度も木片を削り模型の制作、少し削っては空力計算とかで甲板に出てまた削る・・・その繰り返し。艇長としての仕事をしながらだから大変だったろうにね。


 タンピヤに戻ってからが皇王様こうおうさまに掛けあって試作機の改造も手伝わされたっけ?アレはアレで楽しかったよね。テスト浮空でジンちゃんってば懲りずに大怪我してるし。ジンちゃんは工廠こうしょう出突でずりで忙しいから、僕にグラガンさんの工房で手伝う様に・・・って言われたっけ・・・。

 苦労の甲斐あって攻撃型試作艇が出来た時は二人で手を取り合って飛び跳ねたっけか。身長差があるから一方的に振り回されたけども。もう少しその辺りを配慮してくれても良いと思うんだけど?

 試作単座型浮空艇の名称を『飛翔艇ひしょうてい』としたのはその時だったっけ?浮空艇が『空に浮かぶ艇』なら、飛翔艇が『ける艇』。速度が段違いだから確かに合ってるかもね。

 そして『飛翔艇ひしょうてい』のお披露目の時、皇王様の前だというのに、緊張した様子も見せずに飛ばしてたのは凄かったよねぇ。図太いと言うか無神経と言うか。

 浮空石の力で浮き上がったと思ったら段々加速しアッという間に見えなくなった・・・いくら一人用の小型と言っても、帆船とかの速度じゃ有り得ないよね。


 試作艇に使用した攻撃用魔導筒は30サンチだったけど、直撃した瞬間、標的として置いてあるデストロイヤー級が少しひしゃげたように見えて、その後に反動で少し跳ね上がったもんね、何の変哲もない岩石球ロックバレットだったって言うのに威力の高さが伺えるってものさ。標的となった鹵獲ろかくしたデストロイヤー級の内部も凄い事になってたし・・・もし、中に人が居たら、粉々に砕けた岩石で人のミンチが出来上がってただろうね・・・1発で航行不能は間違いない威力だよ。


 あ、そうそう、この時が初めての体験だったよね。速度が上がり過ぎると音は後からやって来るって事が判ったのは。皇王様も侍従長様も余りの轟音に目を白黒してたもんねぇ。こんな事を言ったらいけないんだろうけど、面白かったなぁ。

 この『飛翔艇ひしょうてい』を大量生産して帝国に反撃に打って出るそうだね。確かにこんなのが大挙して押し寄せてきたら、僕なら白旗を挙げちゃうね。

 ジンちゃんは降りてくるなり皇王様にあらためて掛け合ってたよね、『飛翔艇ひしょうてい』の大量生産と『飛翔艇母艦ひしょうていぼかん』の建造を。この世界の常識が一気に替わる時だって熱く語ってた。まぁ、ドサクサに紛れて、新生『オーグル』の自主的建造の許可も取り付けてたのは中々図太い神経だと思うけども。本来、軍用浮空艇の個人所有は認められてないのにね。


 でも、こんなに急に情勢が変わり過ぎて良いのかな・・・?魔導筒が発明された時もその時の異世界人は殺されちゃったらしいけど・・・ジンちゃんもその様になりそうで少し心配だよ・・・。


次回の更新は来週末。

呼んで下さる方が居る限り、更新は続けますので宜しくお願い致します。

無名のまま、何処まで話数を伸ばせられるか・・・少々楽しみでもあります(笑

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