戦闘開始 そのご
先ずは本隊の位置を掴まないとな。
「スカイ!主戦場は何処だ!?」
「1時の方向である。距離は約9000であるな」
主戦場の位置が予想よりもずれてるな。かなり押し込まれてるのか?
「『スレイプル』と『コブラン』に発念!高度を8000に保ち敵の情勢を伺う!以上だ」
その時、スカイから報告があった。
「敵と味方の陣容が確認出来たである。敵バトルシップ級 3 クルーザー級1 デストロイヤー級は見えないようである。対し友軍はバトルシップ級 1 クルーザー級 4 デストロイヤー級 4 トルピード級 5 の様であるな」
トルピード級もかなりやられたな・・・。アーマード級は落とせたが、バトルシップとクルーザーが残ってるから油断は出来んな。指揮系統はどうなってるんだ?
「旗艦に発念!此方はトルピード級『オーグル』だ。戦況は如何や?当方はトルピード級が3艇が健在!」
数の上では有利だが、バトルシップが目障りだな。制圧部隊も乗ってるだろうし。
「旗艦の応答ありませんわ」
沈んだか?
「発念を友軍に切り替える。応答してくる艇はあるか?」
「やってみますわ」
今の状況が判らん、クソ親父も流石にくたばったか?
「入念ありましたわ!『旗艦『ノイアーツ』は沈んだ。代理で采配を振っている『リングアル』艇長ローラル・アナピヤだ。『オーグル』麾下3艇の無事を嬉しく思う。現在、劣勢に立たされており我々は敵に・・・』っ!?」
「どうした?」
「『リングアル』からの入念途絶えましたわ!」
その時、スカイからの報告があった。
「友軍のバトルシップ級が炎に包まれたである!奮戦を讃えたいであるっ!」
・・・間に合わなかったか。どちらを優先すべきだったんだ?クソッ!
「『スレイプル』及び『コブラン』に発念!このまま敵バトルシップ級のケツに喰らい付くぞ!以上だ!スカイ、風向きはどうなってる?」
「2時の方向から吹いているである。向かい風であるな」
「『スレイプル』と『コブラン』に伝えろ!各艇、高度10000で進撃開始。1艇で敵バトルシップ級を喰らい尽くすぞ!受け持ちは敵1番艇を『オーグル』2番を『スレイプル』3番を『コブラン』だ。魔方陣は『岩石弾』皇国の意地を見せてやるぞ!各艇の奮闘を期待する!」
「了解ですわ」
「ミレーヌ!艇体の修理状況はどうなってる?」
「現状3割くらい。内部からの修理だけじゃ無理があるよ。キチンと修理するなら一度艇を泊めてからゆっくりしないと無理。あ、また無茶をするつもりでしょ?次はバラバラになっちゃうかもよ?」
「どれ位なら持つと思う?」
「降下角45°位まで、それ以上は無理だと思う。急激な引き起こしも厳禁だから早めに減速をね?下甲板がソックリ抜けちゃ可能性もあるから、上に避難しておいても良いかな?」
「その辺りの判断は任せる!もう一戦やれるにはやれるんだな?」
「保証はしないけどね。出来ればやらないほうが良い。でも、ど~せ聞かないんでしょ?」
「良く分かってるじゃないか!」
何とか行けそうだな。しかし急降下爆撃は無理か・・・せいぜい緩降下爆撃ってとこか。命中率は良くて4割も出せれば良いとこだな。その分、数で補う他はないな。
「操帆室!縮帆し突入に備えろ!医務室!ありったけの治療符を持って指揮所で待機!手の空いてる者も中甲板にて待機だ!」
出来るだけの手は打たないとな。
「このまま雲に隠れつつ進むぞ!スカイ!敵バトルシップ級との距離が6000になったら報告を!突っ込むぞ!」
敵も動くだろうから、それくらいの距離なら修正が利く筈だ。
このまま気づかずに喰らってくれよ~・・・クルーザー級じゃバトルシップ級の相手はキツイだろうからな。少しでも減らせれば良いが。
突入ポイントまで気付かれない事を祈りつつ、やきもきしながら待ってると、スカイから待望の報告が来た。
「敵との距離約6000である!」
「ユーリス!降下開始だ。降下角度は40°!1000毎に読み上げろ!法撃手、合図有るまで待機!心行くまで叩き込め!」
「り、り了解」
「ハッ!望む所よっ!」
「アタシ達に任せな!」
正面の『魔法投影』により、敵の姿がハッキリ見える。バトルシップ級は大きいな。有効打と成りそうなのは舵と帆と指揮所周辺か。
ま、当たれば運が良いと言った所だな。もう少し突入角度を深くとれれば狙えるんだが・・・。
その間にも『高度9000』『高度8000』と読み上げられて行く。加速度もついてきたしソロソロか?空気抵抗で失速する分を考えたら高度7000位で仕掛けるべきか?
「スカイ、他の2艇はどうなってる?」
「他の2艇であるか?・・・今、突入開始をしたである。突入推定角度は60°である」
うぬ。無茶をする!だが、それくらいしないと倒せないって事か。
「ポーラ!軸線合わせを抜かるなよ!」
「あら、誰にモノを言ってるのかちら?アタチの腕を見せてあげるのね!」
「頼りにしてるぞ!」
その時、ユーリスから待ち望んだ報告があった。
「高度7000」
「良し!法撃開始だ!」
「フンッ!了解だっ!」
「任せなっ!」
今度は暴走するなよ・・・頼むぜ?
さぁ、敵さんをケツから喰い破ってやるとするか!