1/2
間宮とA-1
だれ?
あなたわだれですか?
「できた!」
間宮博士は大きな声をあげた。
「やっと完成したわ!一番初めの成功作だからあなたはA-1!」
A-1?
インプットしますか?
目を閉じたA-1を見て、慌てて間宮が手を振る。
「ああ!駄目よ!型の名前であって貴方の名前じゃないんだから!
名前はもっといいのをつけてあげる!」
駄目、名前、貴方・・・・
「我ながら完璧な仕上がりだわ!あっ・・・ まだメモリーを入れてないんだった。
どうりで話さないはずね。」
間宮博士はデスクに無造作に置かれていたメモリーカードを手に取った。
それをA-1の胸元の挿入口に差し込む。
「・・・・間宮、博士?」
「そう。私が間宮よ。貴方を作ったお母さん!」
「お母さん・・・・」
間宮はA-1の声をきいて微笑む
「ふふっ。沢山おしえることがあるわ!少しだけここで待ってて!
重要なことをカードに入れ忘れちゃったの!カード編集のPC持ってくるから。」
間宮が自動ドアを抜けて部屋を出て行った。
A-1がドアに近づく。
特定の人間にしか反応しない特殊なドアだ。
「間宮博士。」
ドンッ。
という振動がした。