魔の森に拠点を作るでござる!
【風魔光太郎視点】
魅了で誘惑してくる魔王軍の幹部でござるか。
厄介な存在でござるな……どうやって力を削いでやるべきか……手っ取り早いのは眷属となっている者の解放でござるが……そもそも国民を蔑ろにし国を傾かせるかもしれない情婦にコロっと支配されるような王を助けたところで、また利用されるのがオチなのは分かりきっているでござるからなぁ。
ならば、時点で向こうが嫌がることをするのが良いのでござるが……いっそのこと魔の森に拠点でも作ってやるのが……拙者今、良いこと言ったのではござらぬか……そうでござるよ!
「魔の森に拠点を作るでござるよ!」
「いやいやいや、光太郎ちゃん何言ってるの?魔王のお膝元に拠点を作るとか正気?」
「ウンディーネさんの懸念は理解できるでござるがだからこそ面白いと思わないでござるか?」
「流石、コウタロウ様です!私、シーラーもお側で拠点作りをお手伝いします!」
「流石、コウタロウはんや!どっかの無能な帝国人と違うで。そんな頼りにならん奴側に置くぐらいならウチを置いてや!」
ふむ。
シーラーとルミスがお互いを睨み合って、何を言ってるのか知らぬが……共に村を作る仲間……仲良くしてもらいたいものでござる。
「殿。魔王のお膝元に村を作るとして、一般人には荷が重い。ここは水の精霊様の言うように、別の場所に」
拙者のことを殿呼びするのは、元キングクレスト王国の暗部でアオバでござる。
「うんうん。アタシたちもだけど……戦える者たちも冒険者に片足突っ込んだレベルの人が多いし、流石に魔の森は危険じゃないかな」
アタシ呼びの弓を背負っている女性はフォレストガールズという狩人のリーダーナツでござる。
「皆様の言う通りですわ!ワタクシたちのレベルで魔の森なんて、死んでしまいますのよ!」
ちょっとお嬢様口調の女性は、家出した貴族の令嬢中心で魔法使い戦隊という冒険者パーティを組んでいるリーダーのローズでござる。
とここまでは反対派の面々の意見だ。
「魔の森に拠点を作るなんて……成功したら坊ちゃん。いや、クラッシュの名声が上がる。やるっきゃないね」
「待ってくれミランダ。俺のために危険な目に遭う必要はない。というかボス1人いりゃ。簡単に拠点作れそうだしな」
「ミランダ。アンタ、暴れん坊だった昔の血が騒いでるだけじゃ無いのかい。まぁ、アタイは惚れた男のためなら何処にでも行くさ。それに魔の森の奴らと戦えるなんて楽しそうだ」
拙者に会う度に求婚を求める戦闘狂のアシェリーやクラッシュ命のミランダ、それに拙者の能力を何故か高く買ってくれている弟子のクラッシュは、乗り気でござる。
「勿論、お主たちが魔の森で戦えるように今からレベリングでござる!タマ!マミィ!先ずは、近場の弱そうな奴からじゃんじゃんここに追い込むでござるよ!スラ吉は、皆んなの後方から援護」
「了解ニャン!」
「承知!」
「プルプル〜怖いけど〜。主〜の御命令通り、皆んなの背は守る〜」
「いやいやいや、そのやり方はコイツらにはダメだって!ってもういねぇのかよ!アイツら、魔物のくせにボスに調教されすぎだろ!」
間も無くして、人狼種のウェアウルフの大軍がタマに追い立てられる形でスタンピード状態に陥り、仮拠点に雪崩れ込んでくる。
「敵が来るでござるよ!魔法は実戦で身につけていくのでござるよ!」
「わ、わかったのですわ!アース!土魔法で壁を展開!ウェアウルフたちを受け止めるのですわ!」
「はわわわわ。あんなにたくさん無理だよ〜。ロックウォール!」
やれやれ、そんなに高い壁を出したら皆が戦えぬでござるよ。
「それでは、誰も戦えぬでござるよ!土魔法はこう使うでござるよ!土遁『土砦』の術からの木遁『櫓』の術からの土遁『落とし穴』の術でござる!フォレストガールズは直ぐに櫓に登って、落とし穴にハマった狼どもを仕留めるでござる!」
「は、はい!」
土壁がまるで積み上がり踏み固められたかのような城壁が現れ、その四方に高い櫓が形成される。
そして間髪入れずに落とし穴、タマに追いかけられて、我先に逃げ出したウェアウルフたちは、次々と落とし穴にハマり身動きができなくなっていく。
それをフォレストガールズたちが高さを利用した攻撃で仕留めていく。
「ホレ、何を見ているでござるか!火魔法は火を起こすだけでござるか!水魔法も水を出すだけでござるか!雷魔法を使えるのに何もしないのでござるか!風魔法は火の勢いを強くするだけでござるか!違うでござる!皆を守るために魔法は存在するのでござるよ!それを見せてやるでござるよ!火遁『火焔玉』の術からの風遁『暴風』の術からの水遁『水浸し』からの雷遁『落雷』の術でござる!」
落とし穴の1箇所に落ちたウェアウルフたちの1人に当たった炎が風の力で燃え広がり、水で消化されたところを雷が襲い、感電死していく光景を見て、唖然となる魔法使い戦隊の面々。
「幼女も何をしているでござるか?皆にバフをかけるでござる!」
そう言えばこの幼女は、まだ名前を知らなかったでござるな。
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第95話は、2月25日の水曜日のお昼の12時を予定しています。
それでは、次回もお楽しみに〜




