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五大国会議に向けてでござる!

【エンパイア帝国】


 息子を殺したのが勇者で、それを派遣したのがキングクレスト王国だった。

 そう聞き、ワシはキングクレスト王国の討伐を決定したが、真実は人の言葉を理解し、人の言葉を巧みに操る魔族の仕業だった。

 大魔王が復活して魔族の勢力も増強しているとは……これも長らく平和な時を過ごし、お互いの国同士が牽制しあってきた結果かも知れぬ。

 キングクレスト王の子の1人が勇者に選ばれたと聞き、嫉妬していたのやも知れぬな。


「陛下!シドの遺体が忽然と消えました!」


 やはりか。

 あれが敵の罠だったのならシドの存在そのものが計画であったことは間違いない。

 騙されたことは今更何を言おうが仕方のないことだがあれだけの軍勢を向かわせたにも関わらず風の極大魔法を使いこなすキングホークを相手に犠牲者が1人も出なかったことは、女神様による奇跡であろう。


「うむ。確認御苦労であった。余が頼んだもう一つの方はどうじゃ?」


「はっ!ホースメン騎馬国家とパンツァー共和国と漣国へ連絡したところ水晶を用いた遠隔通信で良ければ五大国会議に参加するとのことです」


「そうか!でかした!この未曾有の事態に、お互いが牽制しあっている場合ではない。魔族が勢力を増すと言うのなら我ら人間も一致団結せねばなるまい」


「もう2度と犠牲を出さぬために我らもより一層気を引き締めて陛下にお仕えいたします!」


 次代を期待された息子が殺されたことによる損失は大きい。

 だが、我がエンパイア帝国は大丈夫だ。

 頼りになる臣下たちと力を合わせて、必ずや魔族どもを駆逐してくれる!


【ホースメン騎馬国家】


 この俺様が魔族どもに誑かされるとは!

 クソッタレが!

 いかんいかん。

 王について、野蛮さはすっかり鳴りを潜めたというのに、俺のことを補佐してくれていた息子を殺されて、頭に血が上り過ぎてしまっていたようだ。


「ホースメン陛下!エンパイア帝国より五大国会議を開きたいと連絡が来ておりますが如何いたしますか?」


 ほぉ。

 あの狸も魔族に騙されたと聞いた。

 腑が煮え繰り返っているのだろうな。

 こういう時の狸は役に立つ。

 しかし、身内に裏切り者を抱えて五大国会議に参加するわけには……。


「陛下!失礼致します!バルガスは、もう既にこの地を去りました。どうやってこちらの動きを見抜いたのか。申し訳ございませぬ」


「そうか」


 まぁ、アヤツが魔族に情報を売っていたか若しくは魔族が乗っ取ったかだ。

 仕方あるまい。

 俺様の大事な跡取りを殺しておいて、逃げられたのはかなりムカつくがな。


「さっきの話だが、エンパイア帝国に水晶を用いての遠隔通信で良ければ参加すると伝えよ!」


「はっ!」


 俺様のホースメン騎馬国家を謀った罪、その身で償ってもらうぞ魔族ども!


【漣国】


 四方を天然の要害に囲まれ、周りを海に囲まれた小さな島国、男はちょんまげに腰元に刀を差し、顔を隠した真っ黒な装束の者たちが外海の情報を管理し、屈強な海の男たちが船を使って、外敵を排除する。

 これが漣国である。


「殿!」


「少し静かにせよお蘭」


「す、すみませぬ!」


 謎のゴブリンが現れたと時を同じくして、水の精霊ウンディーネ様の復活か。

 やれやれ女神様もとんでもない試練をお与えになるものだ。

 ゴブリンの身では、全ての精霊を復活させるだけでも一苦労であろうな。

 それにしても大魔王は復活と同時に四天王一厄介な存在である魅惑のマリアンヌを蘇らせるとは。

 一子相伝の技によって、昔から記憶を引き継いできたコウズノスケの一族の当代当主であるワシの時代にこのようなことになるとはな。


「御前様」


「ええぃ。静かにせよお蘭!」


「私はお蘭ではありませんよ。お蘭が御前様がずっと考え事をしていて話を聞いてくれないと言いにきましたのよ。エンパイア帝国から五大国会議に参加して欲しいとのことですが如何なさいますか御前様?」


「であるか。今、この場を離れるのは得策ではない。大地の精霊様の動きが活発なのでな。水晶を用いてでの遠隔通信でも良ければ参加すると伝えるが良い」


「はいはい。皆のことを想い考えるのは良いことですがこの子のためにも身体を壊しなさいませぬように」


「ふむ」


「これはダメかも知れませんね。お蘭!お蘭!御前様から参加すると伝えるようにとの事です」


「しょ、承知しました奥方様!」


 大地の精霊様以外の精霊様たちが活動を止め、水の精霊様が復活なされたと同時にこうも動き出すとは。

 漣国の統治者として、ワシにできることをやるしかないな。


【パンツァー共和国】


 街中を戦車が動き、迷彩服に身を包んだ兵たちが手にするのは近代兵器最強の銃。

 機械によって、豊かな暮らしを送るのと引き換えに空気汚染によって、外に出る時は防護マスクの着用が必須となった国がパンツァー共和国である。


「おじじ様ー!エンパイア帝国とホースメン騎馬国家がキングクレスト王国に攻め込んだらしいです!」


 ガハハハハ。

 エンパイア帝国もホースメン騎馬国家も野心を隠しきれんとは、実に面白いわい!


「ほうかほうか。目先の利益にしか目がいかん凡人どものことなど放っておけい!して、火の精霊様の様子はどうじゃ?」


「依然、どこにおられるかもわからない状態です」


「そうか」


 ふむぅ。

 ワシらにとっては、鍛治ができぬ方が死活問題じゃな。

 一体、どこへ行ってしまわれたのじゃ火の精霊様は。


「おじじ様〜!エンパイア帝国から五大国会議に参加して欲しいと連絡が来ました!」


 ん?

 奴らは何を考えとるのじゃ?

 もしやワシらの軍備を頼りにか。


「戦争中の馬鹿どもに協力するつもりなど」


「その戦争っていつの話ですかおじじ様!あれは、魔族が謀ったことだったみたいで、そのことについて協力して欲しいとの事みたいですよ!」


 まさかノロンの奴。

 ワシに数ヶ月も前の話をさも今やってるかのように語りよったな。

 やれやれ。


「ならば遠隔通信で良ければ参加すると伝えるのじゃ」


「了解ですおじじ様」


 やれやれ、この歳になっても未だに孫たちに頼りにされるとは、ワシは物だけ作っていたいのじゃがなぁ。

 ここまでお読みくださり、ありがとうございます。

 少しでも楽しい・面白い・続きが見たいと思って頂けましたら、下にある⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎から評価してくださいますと執筆活動の励みとなります。

 第93話は、2月20日の金曜日のお昼の12時を予定しています。

 それでは、次回もお楽しみに〜

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