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嘆く者でござる!

【マリアンヌ視点】


「ムノン様。アイスが落ちちゃった」


「アンナ。お前という奴は俺を誘って悪い子猫ちゃんだ」


 ムノンがアンナの谷間に落ちたアイスを舐め取る。


「うぐっ。ハァハァハァ」


「ムノン様〜私の声が聞こえますかぁ?私のお陰でムノン様は王になれたんですよぉ〜。今から貴方がキングクレスト王国の王です」


 ムノンは頭を抑えてマリアンヌに言われたことを繰り返す。


「アンナのお陰で俺が王に。アンナのお陰で俺が王に」


 妖艶な笑みを浮かべる姿形は、アンナだが既にその中身は魔王軍四天王マリアンヌである。


「そうです。ムノン様は良い子ですね〜。勇者のせいで、迫り来るホースメン騎馬国家とエンパイア帝国の軍勢を迎え撃ってくださいね〜」


 ムノンの目は虚で、マリアンヌの言葉を反芻する。


「馬鹿な兄貴のせいで国が滅ぶ。馬鹿な兄貴のせいで国が滅ぶ。俺が何とかしないと。俺が何とかしないと」


 そこまでムノンが言った後、マリアンヌはトドメとばかりにムノンの唇を奪い、何かを流し込む。


「さぁ。ムノン様、受け入れてください。案ずることはありません。その口一杯の液体を飲み込めば、強靭な肉体が手に入ります」


「ゴクン。アァァァァァァァァァァァ。身体が身体が燃えるように熱いぃぃぃぃぃぃ。力が力が溢れてくるぅぅぅぅぅぅぅ」


 ムノンが変わっていく様を縛られながら見ていた魔法使いのミリエルと盗賊のシーナ。


「アンナ、貴方どうしちゃったのよ!一緒にムノン様をお支えするって誓ったじゃない!」


「ふふっアハッ。ミリエル、幼馴染なのに全く気付かないの?」


 アンナの身体から真っ黒な翼と尻尾が出てくる。


「そんな。魔族!?アンタ誰なのよ!アンナの中から出ていきなさいよ!」


「ふふっアハッ。うーん。そうね〜。私だって出ていけるのなら出ていきたいのよ。だって、こ〜んな真面目ちゃんの見た目じゃ男喰えないし〜。眷属増やせないのよね〜。あ!そうそう、ミリエルの想い人はこの通り私の眷属になっちゃったから、ごめんね〜。あ!何ならミリエルもシーナも私の眷属になる?そしたら、ずーっと大好きな人と一緒に居られるわよ〜」


「アンナっち、本気で言ってるんすか?魔族に身体を奪われるなんてアンナっちらしくないっしょ!抗うっしょ!抗うしかないっしょ!」


「ふふっ。ほーんとこの真面目ちゃんには感謝してるのよ〜。ちょっとこの馬鹿王子と恋愛できる手助けをしてあげるって言ったらホイホイ身体を預けてくれて。まぁ願いは叶ったわけだし〜。本人はこの馬鹿王子と素敵な夢の中。くくっアーハッハッハ」


「こんのぉー爆ぜなさい『バーニング』!」


 ミリエルの口から飛んできた炎がマリアンヌに当たると大爆発して、その爆風で縛られていた紐に焼け傷が付いて、逃れた。


「シーナ!ムノン様をお願い!あれが呪いの類なら解呪方法も必ずあるはず!」


「ミリエルっち、何言ってるっすか!囮になるつもりっすか!?」


「えぇ。魔法しか使えないアタシだと足手纏いになる。その点シーナなら、ムノン様を安全な場所に………んぐっ。アンタ、あの爆風を受けて、うぐぐっ。な、何をアタシに飲ませた、の」


「ふふっ。私と同じサキュバスになるお薬よん。バフォメットがね〜とうとう完成させたのよ〜。人を魔族にか・え・る・お・く・す・り。あー、自我は失わないわよ〜。でも魔族になった貴方の話なんて誰が聞いてくれるのかしらね〜」


「ハァ。ハァ。この外道!」


「貴方に言われたくないわよ〜。あの馬鹿王子のために国すら敵に回そうとしてた癖に〜仲良く一緒に魔族として、人間を滅ぼしちゃいましょう〜」


「シーナ!早く逃げなさい!この事を!師匠に!師匠なら。アァァァァァァァァァァァ。身体が熱いィィィィィ」


「ミリエルっち、了解したっす!ムノン様、もう暫くの……んぐっ。こんな時に何を考えて。カハッ。ゴホッゴホッ」


「シーナ、お前は馬鹿な女だ。マリアンヌ様の素晴らしさが分からないとは。あぁ。マリアンヌ様。このムノン、国の全てをマリアンヌ様にお捧げし、王妃としてお迎えいたします。共に馬鹿な人間どもを尊き大魔王様が統べる世界の家畜に致しましょう」


「ありがとうムノン。あ!シーナもこれからよろしくね。ムノンが貴方に飲ませたのは、偵察に優れるウェアウルフになるお薬だから、ふふっ。アーハッハッハ」


「こんなの……己の自我のまま魔物になるなんて……あり得ないっしょ。アァァァァァァァァァァァ。身体が熱いィィィィィ」


「マリアンヌ様」


「あら、インティア。戻ってくるのが早いわね。どうしたの?何か問題でもあった?」


「はい。所属不明のキマイラとキングホークの攻撃を受け、作戦は失敗に終わりました」


「そう。よくや……えっ!?失敗!今、失敗って言った!?」


「はい」


「そう。失敗したのね。ハァ。って所属不明のキマイラとキングホークですって!?また、あのゴブリンなの!ふざけるんじゃないわよ!頭がいいのは魔族、洗脳していう事を聞かせて無いと動かない魔物と違う癖に、何してくれちゃってんのよ!魔族は、全員生み出してくれた大魔王様に仕えるものでしょうが!ハァ。一度、私直々に赴かないといけないかもしれないわね。インティア!次は無いから」


「はっ!肝に銘じます」


「それにしても魔族の癖に勇者とつるんで、勇者を悪者にする協力をしてくれてると期待したのに、本気で勇者とつるんで、こちらの邪魔をしてくるなんて、本当に目障りね。常に監視しておきなさい。こちらの手が空いたら狩りに行くから」


「御意。マリアンヌ様の御心のままに」


 マリアンヌはブツブツと言うとキングクレスト王国の新たな王となったムノンの支配を強めに戻るのだった。

 ここまでお読みくださり、ありがとうございます。

 少しでも楽しい・面白い・続きが見たいと思って頂けましたら、下にある⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎から評価してくださいますと執筆活動の励みとなります。

 第92話は、2月18日の水曜日のお昼の12時を予定しています。

 それでは、次回もお楽しみに〜

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