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トラブルでござる!

 前回のあらすじ。

 夢中で棒手裏剣を作成していた風魔光太郎は、ウンディーネのことをすっかりと忘れていた。

 風魔光太郎が思い出して、戻るとウンディーネから説教される。

 そして、この森についての説明を受けるのだった。

 この森の名前は、始まりの森と言い、本来弱い魔物しか生息してない森であった。

 大魔王の復活に伴い地脈が乱れ、精霊が姿を保つことが難しくなったと説明を受け、風魔光太郎はつい最近やったゲームに酷似していると推測した。

 その答えにウンディーネが満足した矢先、風魔光太郎はある問題を未だに抱え続けていたことに思い至る。

 それは、ゴブリンという種族は、女を見れば誰から構わず下半身が反応してしまうことだった。

 これを解決する術が遁術スキルの中にあったことを思い出した風魔光太郎は、自身の姿を老人・女・男と変えた後、老人へと戻した。

 ウンディーネさんの若い男の姿が良かったという心の叫びを聞きながら、これで街に問題なく入れることに安堵する風魔光太郎。

 その矢先、若い女性の悲鳴に似たような声が聞こえてきたのだった。

 新たなトラブルに見舞われる風魔光太郎は、無事に切り抜けることができるのだろうか。

 ここは、始まりの森近くにある城塞都市レイクウォール。

 そこの一角にある冒険者ギルドでは、近年魔物の生息が大幅に変わり、危険地帯と化した始まりの森を正確に把握するため、Aランク以上の冒険者たちを中心に調査を依頼していた。

 それを無謀にも名を上げるチャンスだと受けるまだ若い冒険者の一団がいた。

 彼らは、Cランクパーティー『飛翔する翼』の面々である。

 彼らは半ば黙らすようなやり方で、Aランクの冒険者を巻き込むことに成功する。

 そう、これは依頼を受けられるのがAランクの冒険者を対象にしているだけで、パーティーランクについては、正確な明記が為されていなかったのである。

 つまりは、1人でいるAランク冒険者をどのような形でも良いから巻き込めば、どうとでもなる。

 Cランクパーティーの『飛翔する翼』の面々は、そこに目を付け、始まりの森の魔物が凶暴化したところで、大したことないとたかを括っていたのである。

 ここで、少し冒険者について説明しておこう。

 冒険者とは、国の兵とは別に魔物などを自由に狩って、生計を立てている者たちのことである。

 国は、自国の兵を魔物の討伐に出さずに済み、冒険者ギルドは、魔物の素材を独占できるお互いにとってウィンウィンの関係であった。

 この冒険者にはランクがあり、Gランクからスタートする。

 冒険者ランクとは、上からSSS・SS・S・A・B・C・D・E・F・Gと10段階に分けられており、Cランクとは、上から数えて6番目、中級冒険者程度の実力である。

 これは、まぁ風魔光太郎が意図せず倒したレッドボアやキングホークにすら勝てないレベルである。

 そんな奴らが始まりの森に無謀にも挑戦するために巻き込まれた悲しいAランク冒険者が。


「はわわ〜。本当に私と組んでくれるですかぁ!嬉しいですぅ」


「おぅ。いつも1人でいるだろ?寂しいんじゃねぇかと思ってな。で、早速だけどよ。始まりの村の調査依頼を受けてからねぇか?」


「う、うぅ。私の気持ちに気付いてくれる存在がやっと現れたことに涙が止まらないですよぉ。初めてのパーティーでの共同参戦、頑張るですよぉ〜」


 この、のほほんとしたドジっ子感溢れる長耳の少女である。

 彼女の種族は、森林エルフと呼ばれ、弓と魔法に優れた長耳の亜人である。

 亜人とは、人ならざるものと呼ばれ、忌み嫌われ敬遠されることから、何の規則も縛りもない冒険者ギルドに身を置いている者が多い。

 彼女も例外ではなく、冒険者ギルドに身を置いていたのだが、このようなのほほんとしたマイペースさが災いしてか、足を引っ張られるのではと、パーティーへの誘いはなく、敬遠されていた。

 そんな彼女もやはり人の子であり、1人でいることに寂しさを感じていた。

 そんな時に、話しかけられたものだから舞い上がって、二つ返事で引き受けてしまったのである。

 何とも哀れな幼き少女であろうか。

 そして、話は始まりの森の調査を始めて、数時間後のことである。


「おいおい。大したことねぇな。スライムにゴブリンにワーウルフかよ。こんな奴らの調査で、ランクが上がるならAランク以上とか縛りを設けるなってんだよなぁ」


「ほんと、そう。ただでさえ、冒険者ランク上げらのに苦労するのに。それよりもムノン?アイツのことはどうすんの?」


「おいおい、ミリエル。甘えるのは、この調査依頼がうまくいってからな。まぁ、この調査依頼を受けるためだけに連れてきた、忌まわしい亜人には、ヤバい奴が出てきた時の俺たちの盾ぐらいにはなってもらおうじゃねぇの。元々、ソロだったんだし、何とでも言い訳できるだろ」


「盾扱いとかムノンってば、酷すぎてウケる〜」


「だってなぁ。俺の愛するミリエルたちに何かあったら困るじゃん」


「ムノンのそういうところ好きよ」


「俺もだぜミリエル」


 なんて、邪な気持ちで調査依頼を受けた奴らにバチが当たらないわけがない。

 リアルを充実したカップルよ爆発しろと言わんばかりに、その強大な化け物が姿を現すまでそう時間はかからなかった。

 初めてのパーティーのためにお役に立とうと遠くまで、持ち前の弓術と魔法の腕で狩りをしていた長耳の少女が戻ってすぐ、突如として、その化け物は現れた。


「な!?嘘だろ!何で、ここにキマイラが居るんだよ!ミリエル!シーナ!アンナ!逃げるぞ!決して後ろを振り返らず!前だけ見て、逃げろ!」


 ミリエルは、魔法を得意とする魔法使い。

 シーナは、斥候を得意とする盗賊。

 アンナは、回復を得意とする僧侶。

 そして、ムノンは、大楯と槍による攻撃と守りを得意とする騎士である。

 これが『飛翔する翼』のパーティーメンバーだ。


「ちょっと、待ってよぉ。置いていかないで。はうっ。ひぃっ。(まだ、死にたくないよぉ)」


 逃げ遅れた長耳の少女にキマイラの鋭い爪が振り下ろされそうなその時。


「水遁、水流押し流しの術でござる!」


 相変わらず術のネーミングセンスが皆無の男、風魔光太郎が現れたのだった。

 間一髪、救われた少女。

 いや、厳密に言うと水に押し流されているだけなのだが、風魔光太郎は気にもとめず、次の遁術の準備を進めていた。

 風魔光太郎の目は、まるで良い獲物を見つけたというキラキラとした目であった。

 巻き込まれた長耳少女の運命やいかに!

 ここまでお読みくださり、ありがとうございます。

 少しでも楽しい・面白い・続きが見たいと思って頂けましたら、下にある⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎から評価してくださいますと執筆活動の励みとなります。

 感想も読んで返信させていただきますので、何卒宜しくお願いします。

 第10話は、明日のお昼の12時を予定しています。

 それでは、明日もお楽しみに〜

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