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動き出す国々でござる!

【ホースメン騎馬国家】


 広大な草原が広がり、かつてはこの地に100をも超える氏族が群雄割拠し、覇権を争い現在は騎馬国家として統一された国がある。

 これがホースメン騎馬国家の成り立ちである。

 かつては、遊牧民らしくテントを張りあちこちを転々としていたがホースメン騎馬国家の建国と共に平地のように城を造り、五大国最強の騎馬隊が脇を固める。

 このホースメン騎馬国家に大魔王の復活と勇者の旅立ちが伝えられて、数ヶ月が過ぎようとしていたある日のこと事件は唐突に起こった。


「ホースメン陛下にお伝えします。カンガル様がキングクレスト王国の勇者に討ち取られました!」


「バルガス、お前が付いていながら、本当なのか!本当にカンガルが勇者に殺されたと申すのか!?」


 全身傷だらけで命からがら逃げ帰ったというバルガスの話を聞いたホースメン王は、驚き戸惑っていた。

 ホースメン王に問われたバルガスは、下を向いて笑みを浮かべ話を続ける。


「はい、面目次第もございませぬ。奴ら、我々にいきなり不意打ちを仕掛けてきました。恐らくこれには、キングクレスト王国も一枚噛んでいるのは明白。カンガル様を守れず申し訳ございませぬホースメン陛下」


 涙を流すバルガスの肩にホースメン陛下が手を当てて、労う。


「良いバルガス。お前のせいではない。しかし奴らめ勇者を使って不意打ちをするなぞ乱心したか!何が五大国同盟だ!このような仕打ちを受けて、黙っていられるものか!グロウズ!グロウズ!直ぐに兵を集めよ!キングクレスト王国と勇者を血祭りにしてくれる!」


「かしこまりました。直ぐに兵糧と戦費を集めますホースメン陛下!」


 グロウズと呼ばれた男がホースメン王に頭を下げるとその場を後にした。

 それを見て、バルガスが懐から小刀を抜いて、腹に押し当てる。


「カンガル様をお守りできなかった罪は、この身で償いまする!」


「バルガス、待て!お前も一軍を率いて、カンガルの仇を討つのだ!それまで死ぬことは許さぬ!」


「何と!うぅ!うぅ!ホースメン陛下の寛大な御心に感謝致しまする。このバルガス、必ずや奴らキングクレスト王国の者どもに目にもの見せてやりまする」


 バルガスは涙を浮かべ、深々と頭を下げつつ計画通りに事が運んでいる事に笑みを浮かべる。

 それもそのはず、本物のバルガスは女の身体へと変えられ、ゴブリンの巣へと投げ入れられ苗床になっていた。

 ここにいるバルガスは、魔王軍四天王の魅惑のマリアンヌの直属の部下の1人が化けた姿なのである。


(さて、マリアンヌ様の作戦は滞りなく遂行できた。次の俺の暗躍場所は……マリアンヌ様自身が操るキングクレスト王国が迎撃の姿勢を見せ、戦に乗じて、指揮官を暗殺して、大混乱に陥らせることだな)


【エンパイア帝国】


 五大国の中で最も広大な領地を治め、騎士道精神あふれる騎士が領内だけでなく領外にも目を配らせるエンパイア帝国でもホースメン騎馬国家と時を同じくして、大魔王復活と勇者の旅立ちの情報が届き、そのお祝いのために使者を遣わして数ヶ月。

 耳を疑う報告が届けられた。


「うっ。エンパイア陛下。このシド、一生の不覚。アンガス様を守れず。本当に申し訳ありませぬ!」


 息も絶え絶えに全身から血を吐き出し、槍を杖代わりに崩れ落ち、エンパイア王に報告するシド。


「その傷は!?一体何があった!?どうしてシドだけ戻ったのだ!アンガスは、ワシの息子は無事なのであろうな!?」


 シドは、尚も頭を下げつつ息も絶え絶えに涙を流しながらエンパイア王に事の次第を報告する。


「勇者が奇襲を仕掛けてきたのです。突然の出来事に我々はなす術もなく、目の前でアンガス様の首を。うぅ」


「何故、勇者がそのような真似をするのだ!あり得ぬ。何故だ!何故なのだ!」


 エンパイア王は信じられないと狼狽える。


「ぐっ。ハァ。ハァ。恐れながらエンパイア陛下、これにはキングクレスト王国が関わっているのは間違いありませぬ。奴は、俺を見下ろしてこう言ったのです『悪く思うなよ?キングクレスト王国が天下を取るためには、これが1番の近道なんだ』と俺のことを剣で貫いて高笑いをして去っていきました。俺はこのことをこの恨みをエンパイア陛下に伝えるべく、この命を賭して、伝えに参ったのです。もう、意識も」


 シドは、それだけ言うとその場でバタリと動かなくなった。


「シド!シドーーーー!!!!この恨み。余は決して忘れぬ。大義であった。皆の者、聞いたな!」


 エンパイア陛下が周りに居たものたちに呼びかけると全員の目にキングクレスト王国に対しての怒りの炎が湧き上がっていた。


「うむ!このようなことをしたキングクレスト王国と勇者をエンパイア帝国は決して許さぬ!直ぐに軍備を集めるのだ!敵は大魔王にあらず味方にあり!キングクレスト王国の王を討つのだ!」


 これを死んだフリをして聞いていたシドは全てが計画通りだとほくそ笑む。

 そう本物のシドもまた女に姿を変えられて、ゴブリンの巣へと放り込まれ苗床となっている。

 このシドもまた魔王四天王の魅惑のマリアンヌの直属の部下が化けた姿なのである。


(ケッケッケッケ。こうも上手いこと扇動されるなんて、流石はマリアンヌ様だ。そして、相変わらず人間は馬鹿の集まりだったな。盛大に俺たち魔族のために人間同士で殺し合いするんだな。ケッケッケッケ)

 ここまでお読みくださり、ありがとうございます。

 少しでも楽しい・面白い・続きが見たいと思って頂けましたら、下にある⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎から評価してくださいますと執筆活動の励みとなります。

 第89話は、2月11日の水曜日のお昼の12時を予定しています。

 それでは、次回もお楽しみに〜

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