待っている者たちでござる!
【ウンディーネ視点】
光太郎ちゃん、こんだけの人を集めるなんて、本当に村を作るつもりなのよね?
というか次から次から連れてくるとか、タマやマミィが居るとは言ってもここは、森の中なのよ!
魔物蔓延る森の中なのよ!
それに勇者を殺した木の化け物もいるらしいし、安全じゃないのよ!
早く戻ってきてぇ!
いや、早く戻ってきてとは言ったけどさ。
何、その周りに花状態は!
というか、貴方たちの服装、確かエンパイア帝国の兵士とホースメン騎馬国家の兵士よね?
あれ、でもどちらの国もキングクレスト王国に使者を派遣するのならその護衛は屈強な男たちから選ばれるわよね?
まさか、この人たちも少し前に来たキングクレスト王国の諜報部隊の人たちみたいに新種の薬の被害者?
というか、全員光太郎ちゃんに信奉しすぎでしょ!
というか女神様よりも上なんじゃ。
『えぇ、ウンディーネ。でも、木にする必要はありません』
『あの女神様、気が木になってます。焦ってますよね?』
『そ、そんな事あるわけないじゃないですか!光太郎のことは私が連れてきたんですよ。な、何の問題もありませんよ〜。引き続き、頼みますねウンディーネ』
あ!
逃げた!
押し付けるだけ押し付けて逃げた!
だから、光太郎ちゃんが帰ってきたからって、まとわりつかない!
そこ!
こっそり、下半身を触ろうとしない!
光太郎ちゃんも連れてくる相手は選びなさいよ!
こんなに女ばかり連れてきて、ハーレム王国でも築くつもりなの!?
そんなわけないわよね。
私の与えるギフトに乗らなかったんだし。
違うよね?
【パインズリーナ視点】
まさかキングクレスト王国が誇る闇の部隊がゴブリン如きに捕まっていたとは驚いた。
だが、話を聞いていて裏にいそうなある人物に辿り着いた。
魔王軍四天王が1人、魅惑のマリアンヌ。
サキュバスの魔族で、洗脳が得意な陰気な女だ。
だが、奴は聖女の身体に封印され、何代にも渡って厳重に管理されていたはず。
それが解けるわけが。
いや、待て。
聖女が闇堕ちした場合は関係なかったな。
確か当代聖女は、勇者クラッシュの弟であるムノン皇太子にご執心だったと聞く。
それを内側から利用されて、大魔王の復活と共に解き放たれたとしたら……あり得ない話ではないか。
しかし、マリアンヌが蘇ったとしたら厄介だ。
男は、あの女にころっと騙されて、洗脳を受け、いつの間にか利用されているからな。
ムノン皇太子が利用されているとして、彼を慕う女たちも利用されているのは間違いないか。
やれやれ、だから聖女の身体に封じるなんて真似、アタシもコタロウも反対だったんだ。
それをあの馬鹿勇者が。
何だ、この禍々しい殺気は!?
こんなのSSSランクの力を持つ冒険者でもない限り、立っているのがやっと、最悪意識を飛ばすぞ。
直ぐに……収まった?
一体、この森で何が起こっている?
帰ってきたコタロウの子孫であるフウマコウタロウから話を聞いて、唖然とした。
そりゃ、あんな禍々しい殺気を当てられながら平然と倒したら周りにいたエンパイア帝国の兵士とホースメン騎馬国家の兵士が忠誠を誓うのも無理はない。
それにしても彼らも新種の薬の被害者か。
男を女に変える薬……十中八九、魔族の苗床を増やそうとしたと考えて良いだろう。
やれやれ、こりゃアタシも冒険者ギルドを通じて、直ぐに警告を促さないといけないね。
少なくとも魔王軍四天王が1人と側近が1人復活してるのは間違いないんだからさ。
側近については、ここ最近タマとずっと一緒にいて、気付いたんだけどね。
まさか、アイツが生き残っていて魔獣研究を続けていたなんてね。
魔獣研究者のバフォメット。
バフォメット自身も色々な魔獣を掛け合わせた合成魔獣として、大魔王に古くから仕えている。
まさか、キマイラのタマを見て、直ぐにその事に気付かなかったなんて、アタシもだいぶ落ちたね。
これだから歳を取るのは嫌なんだ。
【タマ視点】
御主人様が帰ってこないとご飯が美味しくにゃいニャンよ〜。
でも家猫として、しっかりここにいるみんなを守るニャンね〜。
森がざわざわしてるニャン。
あ、落ち着いた……流石御主人様ニャンね。
それにしても、大魔王が直々に力を注いだ魔物すら瞬殺するニャンて、早々に降伏して御主人様の家猫になって良かったニャン。
あ……殺気に驚いた魔物がこっちに……フシャァァァァァァァァ。
逆撫でてやったらどっか行ったニャンね〜。
御主人様の村人たちなら家猫のタマにとっても守る存在ニャン。
あ!御主人様ニャンね〜。
お腹空いたニャンよ〜。
【マミィ視点】
ふむ。
我々は大魔王のことを口に出す時は、呼び捨てにできなかった。
しかし、心の中でなら罵倒も浴びせられるな。
我が子がきっかけとはいえ、主にテイムされたのは良かった。
しかし、主もいずれ気付くはずだ。
我々、魔の者は大魔王に刃を向けることが出来ない。
それをアイツは刻み込まれたDNAとか言っていたな。
魔獣研究者バフォメット。
私も奴に捕まっていた時期がある。
空の王者であるキングホークと地上の王者アースライオンを掛け合わせようとしたのだ。
合成魔獣キマイラ、それの成功モデルがタマだ。
だがタマが暴れてくれたお陰で、我々は逃げ出すことができた。
その御礼をタマに言ったら『そんな昔のこと忘れたニャンね。今のタマは御主人様の家猫ニャンよ』と返されたな。
しかし、タマにとって大好きなご主人様と言えども魔の者である以上、大魔王に逆らうことは出来ない。
これは魔に産まれた者の悲しい性なのだ。
な!?
これは、大魔王の力の奔流!?
お、収まった!?
一体、誰が?
主が帰ってきて話を聞いて驚いた。
大魔王の魔に抗える魔が存在するなど。
フハハハハ。
主ならば、大魔王すらも凌駕できるやもしれんな。
残念ながらテイムされたとはいえ私は抗うことは不可能だが主の邪魔にならないようにはしよう。
ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
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第88話は、2月9日の月曜日のお昼の12時を予定しています。
それでは、次回もお楽しみに〜




