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巣を回る速度を上げるでござる!

【風魔光太郎視点】


「風魔様、お戻りをお待ちしておりました。今回も上々のようで何よりです」


 出迎えたゴブリン兄が風魔光太郎に跪き、労いの言葉をかける。


「うむ。出迎え御苦労でござる。して、クラッシュよ。彼女たちを安全な場所に、頼めるでござるな?」


「おぅ。任せておけ」


「ゆ、勇者様!?勇者様がゴブリン神様と御一緒に。あぁ尊い光景です。戦女神様からの加護を受けた勇者様とゴブリン神様が共に。これこそ、私たちの未来は安泰なのが決まったものです。私たちは、戦女神様の素晴らしさと共にゴブリン神様の慈悲深い御心を広める敬虔な信徒となるのです」


「ハハッ。こりゃ、すっかり狂信者だねぇ。アンタ、あんまり誑かすのはやめときな、ね。そのうち、王国に目を付けられちまうよ」


「ふむぅ。優秀なお主とクラッシュを勇者などと呼んで、ろくな装備を渡さない王国の力などたかが知れているでござるよ」


「アーハッハッハ。確かにアンタの言う通りさね。でもね。王国の中でも五本の指に入るとされてる騎士団長たちの強さは、侮るべきじゃないよ。忠告はしといたからね」


 こうして、クラッシュとミランダに伴われる形で、回復術師たちも安全な場所に向かって行った。


「では、次の場所に参るとしましょうか風魔様?」


「うむ、案内を任せるでござる」


 次の洞窟では。


「来ないでぇぇぇぇ!!!!もう、ゴブリンは嫌ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


「忍法『風呂』の術でござる!」


「お風呂、あったかい。気持ち良い。もしかして、あのゴブリンさん、良いゴブリンなのかも」


「忍法『システムキッチン』の術でござる!」


「美味いよぉぉぉぉぉぉぉ!こんな美味しいご飯、食べたことないよぉぉぉぉぉ!うわーんんんんん」


 うむ、どうやらこの少女は家では楽な食事も出してもらえずこき使われ、その場所から連れ出してくれた相手は、ゴブリンで今度は道具のように散々に犯され酷い目に遭わされたでござるか。

 何と、このような幼気な少女になんたる非道を許せぬでござるよ。

 この少女の両親は、拙者の懲らしめる対象にリストアップしておくでござる!


「ところで、拙者の村に来れば、美味しいご飯が」


「行きます!私、良いゴブリンさんの村に行きます!」


 全く疑うことを知らない無垢な目、守ってやらねば、拙者が守ってやらねばならぬでござる。

 外に出ると回復術師たちを安全なところへと送り届けてきたクラッシュとミランダが戻っていた。


「おいおい、こんな小さな子までゴブリンは見境無いんだなぁ?」


「拙者を見るなでござる!拙者とて、憤慨しているでござるよ」


「まぁ、ボスはそうだよな。了解、この子も安全な場所に送り届けるぜ」


「頼んだでござるよ」


 こうして、幼い少女をクラッシュとミランダに任せ、風魔光太郎は次なる巣へと向かう。


「アンタ、中々やるじゃ無いか。ゴブリンなのが惜しい。そらそらそら、アタシの連続攻撃に耐えられるか試させてもらおう」


「こうでござるか?」


「なっ!?アタシの技を一瞬で盗んだってのか?やるね。ぐぅぅぅぅ」


「これで、拙者のことを理解できたでござるか?」


「あぁ。武人に悪い奴は居ないアタシの理論だけど間違ったことは無い。そうか、アイツ死んだか。ゴブリンにしては、珍しく骨があり鍛えがいがあった。惜しいゴブリンを亡くした」


「好いていたのでござるか?」


「フッ。アタシは好きでも無い男との間に子は作らないと決めている。そうかい。ならこの子だけがアタシに残された唯一の家族ということになる」


「グギャ?(母さんが負けた?あのゴブリン、すげぇ!父さんが討たれたのも納得だぜ)」


「で、アタシは自分より強い男はもっと好きだ。良いだろう。アタシに勝てたアンタの女になってやろう」


「遠慮するでござる」


「はい?アタシの聞き間違いか?ゴブリンが女を抱くことを拒否した」


「その通りでござる。拙者は、ゴブリンに囚われていた人を助けに回っているだけでござる」


「そうかい。で、アイツ中々強かっただろ?」


「拙者には遠く及ばなかったでござるよ」


「そうかい。最後にアンタのような武人とやりあえて、アイツもさぞ満足だろう。アタシも師匠として鼻が高いというもの。さぁ、殺せ」


「あの拙者の話を聞いているのでござるか?助けに来た者を何故殺すのでござるか?訳がわからぬでござるよ。取り敢えず、身体の汚れを落としてくると良いでござる。忍法『風呂』の術でござる」


「へぇ〜大浴場とは、アンタ気が効くじゃないか。さては、他の男の匂いが付いた状態が嫌とみえる。そうならそうと言えば良いというもの。さぁ、息子よ共に入るぞ」


「ゲギャ(ここに入る?この煙が出てて如何にも熱そうなここに?母さん、本気?)」


「フッ。息子と意思疎通できないのは残念だが、表情を見ればわかる。そう怯える必要もない。これは風呂だ。入ればわかる」


「ゲギャ(待ってくれ母さん!?俺はまだ死にたくない。何だコレ。ポカポカして、何だか凄く気持ちええ)」


「ハッハッハ。風呂とは良いものだろう息子よ」


「ゲギャ(あぁ、極楽だ母さん)」


 なんか誤解されていたでござるが風呂を堪能してくれているようで何よりでござる。


「忍法『システムキッチン』の術でござる!」


「へぇ、食事まで準備してくれるなんて、益々良い男だ。ほれ、好きにして構わんぞ」


「ゲギャ(ぐへぇ。まさか同族の丸焼き出されるとか。コイツ、マジか。罪悪感とか無いんか)」


「外はカリッとローストに中はジュワッとジューシーに仕上がっているでござる。まぁ、そちらのゴブリンは、同族であることを除けばでござるが。まぁ、召し上がると良いでござるよ」


「うむ。頂こう。健全な肉体を作るのに肉が必要だからな。ムシャムシャ。何だこの、皮はパリパリとして、中からジュワッと肉汁がそれに柔らかいゴブリン肉をここまで、噛みごたえのある食感に仕上げるとは、美味!これこそ美味だ!」


「ゲギャ(母さんが涙を流すくらい感動してる?ゴクリ。食わず嫌いはダメだよな。食べて、何だこの不味い肉はとクレームを)うまーーーーーいいいいいいいいいいい。何これ!何これ!いくらでも食えるんだが!うますぎる!うますぎる!」


「ハッハッハ。我が息子の言葉がわかるぐらい美味しいか。そうか。そうか。ええええ!?息子が話している!?」


「母さん、何言ってんだ。俺はもともとゴブリン語を話していただろ。って、ええええ!?俺母さんの言葉がわかる!?俺、母さんとおしゃべりできてる!?」


「まぁ、たくさんあるでござるから落ち着いて食べるが良いでござるよ」


 この後、この親子も村に勧誘したでござる。

 勿論、母親の方からはセフレでも構わないとかしつこくアプローチを仕掛けられたが断ったでござるよ。

 ここまでお読みくださり、ありがとうございます。

 少しでも楽しい・面白い・続きが見たいと思って頂けましたら、下にある⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎から評価してくださいますと執筆活動の励みとなります。

 第79話は、1月21日の水曜日のお昼の12時を予定しています。

 それでは、次回もお楽しみに〜

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