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お次の巣にはどんな出会いが待ってるでござるか?

【???視点】


 うーん。

 ここはどこだい?

 アタイの名は、イタタッ。

 頭も痛いし股も痛い。

 それになんだか股の方は、ネチャネチャして、気持ち悪い気がするねぇ。

 ヨイショっと。

 立ち上がってみたがまぁ妙に股に違和感があるぐらいで、他に異常は無さそうだ。

 これが魔法使いや狩人なんかの夜目に長けてるならまだしも慣れるまでは、アタイみたいなガチガチの重装備には、無理だねぇ。

 どうやら今いるのが薄暗い場所であることは間違いないんだけどねぇ。

 頭はさっきよりはっきりとして来たけど、やーっぱり何で、キングクレスト王国で親衛騎士団に所属していたアタイがこんな薄暗い場所にいるのかまーったく思い出せないねぇ。


「おーい!誰か居るでござるか?」


 これぞ天の助かってかい。


「あぁ、居るよ。暗くて足下がよく見えないんだ。照らしてくれると助かるよ」


「承知したでござる。光遁、照明弾の術でござる!」


 なんだか聞き覚えのないような技の名前みたいなのが聞こえるけど辺りが一向に明るくなる気配がないねぇ。


「おーい外の人?そんな変な技を唱えてないで、明かりを持って入って来てくれないかい?」


「ん?拙者は目の前にいるでござるが」


「うおっ!?えっ?そりゃ本当かい?でもアタイの目には何にも」


 でも確かに声は真ん前から聞こえてるねぇ。


【風魔光太郎視点】


 ゴブリン兄の案内に従い、次のゴブリンの巣へと向かっていた風魔光太郎。


「うーん。ここなのは間違いない筈ですが」


「どうかしたでござるか?」


「いや。どうも中にいる人間の匂いが1人だけでして、1人であれだけのゴブリンを産み落としたのかと疑問が」


「兄貴、1人で軍団規模のゴブリンを産めるわけねぇよ。前に助けた女にされてる途中とかじゃねぇのか?」


「いや、それは無い。確かにこの中からは強烈な雌臭がしている。事後なのは間違いない。軍団規模を率いていたゴブリンキングの誰かの雌であった事は間違いないと思うのだが」


「考えていても仕方ないでござるよ。ここで待ってるでござる。拙者がちょっと洞窟の前まで行って声をかけてくるでござるから」


「はっ。もう風魔様をお止めするような無粋な真似は致しませぬ。無事にお帰りをお待ちしております」


「風魔様、頼みやしたぜ」


「承知したでござる」


 こうして、風魔光太郎が洞窟の前で話しかけ、返事があり、光で照らしたのだが一向に出てくる気配が無く、中へと入っていき、目の前の自分の2倍以上はあろうかという大柄な女性と遭遇したのである。


「おーい外の人?そんな変な技を唱えてないで、明かりを持って入って来てくれないかい?」


 ん、外の人とは拙者のことでござろうか?

 だとしたら目の前にいるのでござるが何故、外に呼びかけるような大きな声を出してるでござるのか?


「ん?拙者は目の前にいるでござるが」


「うおっ!?えっ?そりゃ本当かい?でも、アタイの目には何にも」


 これは、目線が高すぎて見えていないだけでは無いでござるか?


「下でござるよ」


 目の前の大柄な女性が下へと目を向けて拙者と目と目が合うのでござるが。


「いやぁ。こりゃ参ったねぇ」


 重装備を着た大柄な女性のその一言に正体がゴブリンであるとバレたかと身構える風魔光太郎。


「まーったく見えないねぇ。こりゃ、考えられるとしたらアタイの目がイカれちまってるねぇ。悪いんだけどアンタから見た今のアタイの状況を教えてくれないかい?」


 こんな綺麗な目をしているというのにその眼は何も映さないと言うのでござるか。

 女性に対してこんな雑な扱い方をするとは、全くけしからん奴でござる。

 だが、全てを正直に話しても良いものでござろうか。

 風魔光太郎は逡巡した後、意を固めて語るのだった。


「ここはゴブリンの巣の一つでござる。どうやら貴方は、ここへと連れ去られて、その」


 風魔光太郎は、意を固めたつもりであったがその先を言うことは憚られた。


「もう良いよ。気を遣ってもらってありがとうねぇ。この股の痛み、そういうことなんだろうね。しかし、アタイの眼が何故何も見えないのかまーったく思い出せないねぇ。悪いんだけどアンタ、手を貸してくれないかい?どうやら今のアタイは何をするにも誰かの手を借りないといけないみたいだからねぇ」


 うっ全く予想してなかった展開とはいえ、こんなことになるのならウンディーネさんかパインさんにご同行を願うべきでござった。

 流石にこんなに汚されたままの女性をこのまま外に出すわけにはいかぬでござるよ。

 かといって、この場合拙者が服を一枚一枚剥ぎ取って風呂に入れるわけにもいかないでござるしというかそんなことをすれば犯罪でござる。


「水遁、滝流しの術でござる!」


 風魔光太郎は妥協案として、女性の頭の上から大量の水を浴びせた。


「こりゃあ、良いねぇ。アンタ、魔法使いだったのかい。通りで。しかし、その技名は変だねぇ。魔法使いなら暗がりを照らすならフラッシュ。水を浴びせるならウォータースプラッシュとかじゃ無いかい?」


 なんと答えるべきでござろうか。


「お、オリジナルでござる」


「そうかいオリジナルなら仕方ないねぇ。アタイが仕えてた王国の坊ちゃんを思い出すよ。勇者になんて選ばれてねぇ」


 勇者?


「それはもしかしてクラッシュという名前でござるか?」


「なんだいアンタ坊ちゃんを知ってるのかい?」


 妙なところで新たな繋がりができたような気がするでござるよ。

 流石に、クラッシュの国の人を村人に勧誘するわけにもいかないでござる。

 先ずは、彼女を連れて外へ。


「な、名前だけでござるよ」


「そうかい。元気にしてるのかねぇ坊ちゃんは」


「取り敢えず、一通り綺麗になったところで、安全なところまで誘導するでござるよ」


「あぁ、わざわざありがとうねぇ」


 こうして拙者は勇者クラッシュのことを知る女を連れて、洞窟の外へと出たのでござった。

 ここまでお読みくださり、ありがとうございます。

 少しでも楽しい・面白い・続きが見たいと思って頂けましたら、下にある⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎から評価してくださいますと執筆活動の励みとなります。

 第74話は、1月7日の水曜日のお昼の12時を予定しています。

 それでは、次回もお楽しみに〜

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