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風呂を堪能する森の狩人でござる!

【風魔光太郎視点】


 それにしてもあの金髪碧眼のポニテ女子は、随分と拙者に酷い物言いをしていたでござるな。

 まぁ、ゴブリンに捕まり陵辱を受けていた割には随分と元気そうで何よりでござるが風呂からも鼻歌混じりの声が聞こえるでござるし。

 それにしても誰が別の男の匂いを嫌うでござるか。

 全く失礼極まりないでござる。

 そもそも拙者のタイプは、物静かな家庭的な女がタイプでござるよ。

 一緒に台所に立って料理を作ったり、一緒に洗濯物を干したり、トイレ掃除と風呂掃除をこまめにしあったり、共にキャンプをしたりと、同じ時間を穏やかに過ごしてくれる女性がタイプでござる。

 見るからに偏見持ちは好きでござらぬよ。

 まぁ、それでも彼女たちも拙者の姿をした化け物による被害者。

 心休まる風呂に暖かな食事、これぐらいしかサポートしてやれぬが許して欲しいでござるよ。

 まぁ、今回も安定のゴブリン飯なのでござるが。

 ふむぅ、流石に肉ばかりじゃなくて本格的に野菜を収穫する方法が欲しいでござるよ。

 村を作ったら自給自足のため大量の畑は必須でござるな。

 風魔光太郎は、そんなことを考えつつもただでさえ柔らかいゴブリン肉を叩いてミンチにして、手でこねくり回して、タマネギとにんにく、デミグラスソースがあればもっと美味しいハンバーグになるのになぁと頭は、自ずと目の前の料理をどう改良すればより美味しくなるかに向かっていた。


【???視点】


 貴族ってのは、こんな気持ちいい風呂に毎日浸かってるのかい、豪勢だねぇ。

 というかあのゴブリンは何者なんだい?

 アタシたちにこんないい思いをさせて。

 はっ!

 いけないいけない。

 懐に入り込まれていたよ。

 これがあのゴブリンの策略だとしたら末恐ろしいね。

 それにしてもアタシたち『フォレストガールズ』が1度ならず2度も低級のゴブリンに負けちまうとはねぇ全く不甲斐いったらありゃしないよ。


「姐さん、私思ったんですけど〜」


 アタシの部下の1人のタンポポがそっと呟いた。


「なんだい?」


「あんなに大事にしてくれるゴブリンになら凌辱されても良いかもって」


 はぁ。

 ほらね。

 アタシが絆されそうになってる時は大概末娘的立ち位置にいるこの娘は、既に絆されちまってる時が多いのさ。


「アンタ、馬鹿なのかい?その時点で既にあのゴブリンの術中にハマってるのがわからないのかい?」


「あっ!」


 こうやってすぐに絆されそうになっちまう末娘を現実に引き戻すのが長女的立ち位置にいるアタシの仕事の一つでもあるのさ。


「だけど姐さん。あのゴブリンメイジ、相当な実力者だよ。それが私たちをまるで気遣うように風呂にこの後は食事まで振舞ってくれるときた。今回ばかりは、タンポポが絆されるのもわからないでもないよ」


 こんなことを言い出したのは、いつも末娘の肩を持つうちらの中で四女的な立ち位置のアザミだ。


「賢い奴の行動には、必ず裏があるのさ。そしてその裏を見せずに嵌めてくる。嵌った後は、ずるずると飼い慣らされちまうのさ」


 これはアタシの体験談から来てる。

 アタシは惚れっぽい性格でね。

 ダメ男に惚れて、知らず知らずのうちに貢ぎまくって、にっちもさっちも行かなくなった結果、そのダメ男が組んでた盗賊の慰み者にされたのさ。

 まぁ、そいつらはオークに蹂躙されて殺されちまったけどな。

 アタシはそこから命からがら逃げ延びて、誓ったのさ。

 2度と蹂躙される側にはならないって。

 まぁ、ゴブリンの慰み者にされちまったけどな。


「姐さんの気持ちもわかるよ。でも、これはアタイの直感なんだけど。あのゴブリンは、ゴブリンの皮を被った人間だと思う。アタイの直感がよく当たるのは、周知の事実でしょ?」


 普段はアタシの補佐をしてくれる次女的な立ち位置のツキミまで、タンポポとアザミに同調するとは思わなかった。


「アンタまで、どうしちゃったんだい?」


「姐さん、あのゴブリンさ。おかしいことに気付いた?」


「そんなの色々と」


 待てアタシ。

 ゴブリンとの会話を思い出したアタシの身体から血の気が引いていく。


「あのゴブリン、普通にアタシたちの言葉を話してなかったかい?」


「そうだよ姐さん。その時点で、あのゴブリンは、既に私たちと同じ領域の思考回路を持ってるってことなんだよ。それが人道的な支援をしている。即ち、アタシたちは捕虜であることに変わりはないけど不当な扱いを受ける可能性は低いってことだよ。少なからず今はね」


 確かにツキミの言うことにも一理あるねぇ。


「姐さん、取り敢えず3対1だし、あのゴブリンさんを信じてみるってのはどうかな?」


 こんな提案をしたのは、いつもはどっち付かずの三女的な立ち位置のツユだ。

 今回も自分は抜きにして、現状で3対1だと言うぐらい、いつもどっち付かずの優柔不断な娘だ。

 まぁ、魔物どもを狩る時はそれが嘘のようにアタシたちの中で1番獰猛な獣の眼になるんだけどね。


「アンタたちがそこまで言うならアタシは構わないよ。だけどね後で騙されてたとしてもアタシはきちんと釘を刺したからね」


「「「「はーい」」」」


 4人が返事をするとアタシも風呂を上がる。

 あぁ、アタシの名前がまだだったね。

 フォレストガールズのリーダーをしてるナツとはアタシのことさ。

 えっ?

 フォレストガールズなんて聞いたことないって、それはおいおいってことで今はあのゴブリンと対峙しなきゃならないからね。

 ちなみにアタシたちの名前の由来は、草さ。

 タンポポグサ、アザミソウ、ツキミソウ、ツユクサ、そしてアタシがナツクサってね。

 ここまでお読みくださり、ありがとうございます。

 少しでも楽しい・面白い・続きが見たいと思って頂けましたら、下にある⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎から評価してくださいますと執筆活動の励みとなります。

 第69話は、12月26日金曜日のお昼の12時を予定しています。

 それでは、次回もお楽しみに〜

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