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お次の巣はでござる!

 洞窟の外から風魔光太郎がアオバたちを伴って、現れた。


「風魔様、ご無事で何よりです」


 ゴブリン兄が風魔光太郎の目の前で跪く。


「待たせたでござるな。勇者クラッシュは、まだ戻らぬでござるか?」


「ここにいるっての」


「いるならとっとと返事しろってんだへっぽこ勇者が!」


「イッテェー。だからゴブリンパイセン、本気で殴るなって言ってんだろうが!」


「すぐに返事しないテメェが悪い!」


 このやりとりを見ていたアオバか恐る恐る口を開く。


「つかぬことを聞きたいんだが。何で、コウタロウ様と勇者様が御一緒してるので?」


「うおっ!?って、お前女だよな?でも、その声は男か?どうなってんだよ」


「それはでござるな」


 風魔光太郎が洞窟の中であったことを簡単に説明する。


「成程な。悪い、俺も男を女に変える薬があるなんてこと今知った。力になれそうにねぇ」


「勇者様が気を落とす必要はない。ということは、未だ出回っていない薬を使われたのか。ゴブリンの間で流通している物だったのか」


「お前たちが捕まった相手のことがわかれば、良いのでござるが」


「深々と口元を隠し。ゲフンゲフンと言う」


「あーアイツでござるか!ハァ、拙者の大事な食糧を腐敗させるから問答無用で斬り捨ててやったでござるよ」


「お前が原因じゃねぇか!」


 つかさずツッコミを入れる勇者クラッシュ。

 この図は、もうこのパーティではよく見慣れた光景である。


「いや、待つでござるよ。アイツ、死んだゴブリンを腐敗させて、ゾンビのように蘇らせていたでござるよ。てっきり、それが能力なのかと思っていたでござるが。アイツの能力は、薬の方なのではないでござろうか?」


「それならそれで、我々の仇をコウタロウ様が討ってくださったのなら感謝致す」


「いや、拙者が生かして捕らえておけば良かったでござるよ」


「では、クラッシュ!彼らも村まで送り届けよ」


「いや、俺今戻ってきたばかりなんだけど」


 ジロリとゴブリン兄に睨まれる勇者クラッシュ。


「わかった!わかったから!そんなに睨むんじゃねぇよ!」


 こうして、取り敢えずアオバたちも一旦風魔光太郎が仮拠点としているところで待っててもらうことにしたのであった。


「では、風魔様。次に参りましょうか?」


「うむ。案内は任せるでござる」


「はっ」


 風魔光太郎たちが暫く歩くと目の前に洞窟が見えてきた。


「次はこちらになります」


「うむ。では、行ってくるでござる」


「はっ。お帰りをお待ちしております」


 風魔光太郎が洞窟へと足を踏み入れると。


「今だ!矢を放て!」


 やれやれ、物騒なお出迎えでござるな。


「風遁、風盾の術でござる」


 拙者の目の前に飛んできた矢を風で受け止めて、叩き落とす。


「くっ。ゴブリンメイジとは、厄介な。しかし、私たちは森の狩人として、一度ならず2度までもゴブリンに負けるわけにはいかない!単発が無理なら連射で確実に仕留めるのよ!」


 ほぉ。

 3本の矢を引き絞って放つとはお見事でござる。


「風遁、全方向風盾の術でござる」


 危なかったでござる。

 その隙に回り込んだ方向からも矢を放つとは、連携と練度の精錬された弓兵たちでござるよ。


「何故、わかった!?だが、相手がゴブリンメイジなら恐れることはない!取り囲んで、接近戦に持ち込むのよ!」


 今度は短剣でござるか。

 ふむ、もう良いでござるな。


「それ以上は、やめておいた方が良いでござるよ。拙者の手裏剣が喉元をロックオンさせてもらったでござるからな」


 浮いた棒手裏剣が接近してきた狩人たちの喉元にロックオンされた。


「ぐっ。一度ならず2度までもゴブリン如きに負けるとは。森の守り手として全く不甲斐ない」


「姐さんのせいじゃない」


「これは、みんなの責任だね」


「そうですよ姐さん」


「例え、また陵辱の日々となっても耐え凌げば、勝機は必ず訪れます」


「あぁ。そうだなみんな。私たちは、身体を幾度となく汚されようとも心は決して折れないぞ!卑しいゴブリンめ」


 そんな決意などなんのそのと言わんばかりに風魔光太郎はもう当然のようにお風呂を準備した。


「先ずは、風呂に入ると良いでござるよ」


「風呂だって!?まさか、クンクン。クンクン。アタシ、そんなに匂うかい?」


「姐さんが匂うなんて。クンクン。クンクン。うぐっ」


「この強烈な匂いはどうやら私たちからのようです。すみません、姐さん」


「ぐぬぬ。このゴブリンめ。できる。アタシたちに別の匂いが付いてるから嫌とは。ならアタシはお風呂には」


「ガタガタうるさいでござるよ!いやそもそもでござるが、いつからここに囚われていたか知らないでござるからな。とっととその汗を流してくるでござるよ!」


「覚えてやがれ〜」


【???視点】


 クソーあのゴブリンめ。

 アタシが臭いって言うのかい?

 それにしても収穫を得たよ。

 別の雄の匂いをゴブリンは嫌うと。

 これを活かせば、もう2度と陵辱されることは。


「姐さん、すっごい大きいお風呂っす!」


「いつも、滝でやってる水浴びなんかと比べ物にならないですよ!」


「姐さんも早く!」


「はぁ。気持ち良すぎてふやけちゃいますよ」


「何で、お前たちは勝手に風呂に入って匂いを落とすんだよ!あのゴブリンの狙いは、別の匂いを落としたアタシたちを陵辱することに決まってるじゃないか!」


「「「「「あっ!」」」」」


「あっじゃないよ!この大馬鹿者ーーー!!!」


「こうなったらもう一緒に姐さんも」


「いや、アタシは。やめなって言ってるだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」


 何だいこのあったかくて気持ち良いのは。

 これがお風呂。

 身体の芯からポカポカと温まっていく感じが気持ちよくてたまらない。


「はぁ〜極楽極楽〜」


 じゃないよアタシ!

 この後、どうするのさ!

 ていうか、何でアタシたち意識あるんだろう?

 ゴブリンに犯されたら全ての苦痛を快楽に無理やり変えられて、壊れるって聞いてたんだけどね。

 そもそも、ゴブリンが捕獲罠使う程の知能があるとか知らなかったし。

 今度は、あのゴブリンメイジの苗床になるとか最悪なんだけどーーーー。

 ここまでお読みくださり、ありがとうございます。

 少しでも楽しい・面白い・続きが見たいと思って頂けましたら、下にある⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎から評価してくださいますと執筆活動の励みとなります。

 第68話は、12月24日水曜日のお昼の12時を予定しています。

 それでは、次回もお楽しみに〜

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